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Vtuberの姉が配信切り忘れた結果、失恋弟としてトレンド入りした僕もVtuberになることになった  作者: 夜空 叶ト


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25/28

第25話 収益化記念配信に向けて

 僕は藤波さんに連れられて屋上前の階段に来ていた。

 普段から人が寄り付かない場所だから誰かに見られたくないときなどは大いに役に立つ場所だ。


「それで話って?」


「天雲くん虐められてるよね。やっぱりあのメッセージのせいで」


「確かに虐めみたいなことはされてるけど……こんな風に僕に関わったら藤波さんまで虐められちゃうかもしれないよ?」


 虐められている人を助けて逆に虐められるというのはよく聞く話だ。

 そんな風に虐められる藤波さんを僕は見たくない。

 だから、極力関わり合いになりたくない。

 正体がバレるかもしれないし。


「全然良いよ! 友達が苦しんでるのを見て見ぬふりなんて私には出来ないよ。だから、教室でも話しかけてもいい?」


「でも……」


「良いったらいいの! 私がそうしたいだけだから。行動の結果私がハブられたりしても自業自得だから気にしないでね!」


 藤波さんはそう宣言をして、帰っていった。

 この後教室に戻ったら彼女はどんなふうに接してくれるんだろう。

 親しげなのか、それとも普通に今までと同じような距離感なのか。


 この状況で話しかけられることが嬉しくもあり、心配でもある。

 どうしたらいいのかわからないまま、僕は教室に戻った。


 ◇


「ねえ、天雲くん。この前話した甘雲ヒロの配信見てくれた?」


「あ、ああ。見たよ。ゲリラ歌枠をしてた人でしょ?」


「そうそう! あの時の歌枠もすっごく良くて透き通るみたいな美声で本当に聞いてて楽しかった。楽しかったというか、心が落ち着く感じかな」


 自分の席に戻るとさっそく藤波さんが話しかけてきてくれた。

 話題が話題だからボロを出さないように気をつけながら話す。

 加えて、周囲が話している内容を注意深く聞く。

 内容的にはなんで藤波さんがあんなストーカー野郎と話してるんだ? とか、そんな内容が大半で今の所藤波さんに悪意を抱いているような声を聞こえてこなかった。


「そうなんだ。本当に好きなんだね」


「それはもちろん! 今度の収益化配信も凄く楽しみだし! 絶対にメンバーシップ入るし、おそらく出る記念グッズも絶対に買う! ここまで心が躍ることは無いよね!」


 興奮気味にまくしたてる藤波さんはいつもよりも生き生きしている。

 本当に好きみたいで安心すると同時に嬉しくもなる。

 早めに学校で起きている問題を片付けてなんの心配もせずに藤波さんと話せるようになりたい。


「そっか。グッズとかも出るんだ」


「うん! どんなグッズが出るかは配信見ないとわかんないから収益化配信まで楽しみで仕方ないんだよね」


 本当に楽しみにしてくれているみたいで目をキラキラさせて話している。

 こんなに期待されると期待に添えるか不安になってくるけど、聖奈が頑張って描いてくれたイラストだからしっかりと気に入ってもらえるはずだ。

 そう自分に言い聞かせてなんとか藤波さんとの会話を乗り切る。


 ◇


「ふぅ、緊張するな」


 何とか地獄のような学校生活を乗り切って今日は収益化配信当日。

 既に設定や告知の方法、サイトのリンクなどを確認してから息をつく。


「よし。これで問題はないはずだ。そうだよね?」


 不安になって何度も確認をするけど、問題はないみたいで安心する。

 そんなことを何回も繰り返してる感じだ。


「ひろくん調子はどう? 配信の調子は順調?」


「莉乃姉さん。た、多分順調かな。めちゃくちゃ緊張してるけどね」


「大丈夫だよ。ひろくんのリスナーさんはみんな暖かい人ばっかりだし、ひろくんも配信についてちゃんと勉強してきたんだから絶対に成功するって」


 莉乃姉さんはそう言いながら僕の頭を優しい手つきで撫でてくれる。

 ヒンヤリしていて柔らかいですごく心地がいい。


「ありがとう。絶対に配信成功させるよ」


 わざわざ急いで記念グッズのイラストを描いてくれた聖奈のためにもこんなところで失敗するわけにはいかない。

 絶対に成功させて、笑顔で聖奈に報告しに行こう。

 それで、美味しい夕飯を聖奈に振舞うんだ。


「じゃ、私は部屋の方で見てるから配信頑張ってね! どうしても無理だと思ったらミュートにして私の部屋に来てくれれば教えてあげられるからね」


「うん。もしそうなったらすぐに頼らせてもらうね」


 心強い莉乃姉さんに感謝しながら僕はもう一度パソコンの画面に向かう。

 設定はバッチリで後は本当に配信開始時間を待つだけ。

 つまりはもう僕にできることは限りなくないという事で、今できることと言えばこの高鳴る心臓を何とかして静めることくらいだった。



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