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Vtuberの姉が配信切り忘れた結果、失恋弟としてトレンド入りした僕もVtuberになることになった  作者: 夜空 叶ト


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20/28

第20話 藤波さんの話

「本当にご迷惑をおかけしました!」


 次の日、すっかり体調が治った僕は聖奈の家を訪れていた。

 昨日はほぼつきっきりで看病してもらったし、何かお返しがしたいんだけど何かできることがあるのだろうか?


「別に迷惑じゃないって。それよりも、もう体調は大丈夫なの?」


「もうバッチリよ! これも聖奈が美味しいおかゆを作ってくれたおかげだよ。本当にありがとう」


「どういたしまして。治ったのならよかったよ。恩返ししたいとか思ってるんだろうけど、そう言うのはいらないからね。そんなことをする暇があるんなら面白い配信をして私の描いた絵を世界に轟かせてよ」


 聖奈はとびっきりの笑顔で僕にそう言って見せた。

 いつもは深く考えないんだけど、やっぱり聖奈は笑顔が一番よく似合うと思う。

 高校に上がってからは素直に笑顔を見せてくれることが減ったのが残念なんだけど、その分たまに見せてくれる笑顔が可愛く見えて仕方がない。


「任せてくれ。絶対に有名になるから!」


「楽しみにしてる。これでも私は結構ファンなんだからね!」


 これは知ってるけど、あんまり掘り返すと怒りそうだから何も言わないことにする。

 もちろん、知っていますとも。

 ハチマキ巻いてペンライト振って応援してくれてる人がファンじゃなかったらビックリして腰を抜かす自信がある。


「あと、さっきグッズのラフが完成したからついでに見て行ってよ。問題ないようなら清書するからさ」


「わかった。見させてもらうよ」


 聖奈に手渡されたタブレットには各グッズごとにイラストが描かれていて驚いた。

 お願いしてからそこまで時間は経っていないはずなのに。

 流石は神絵師。

 イラストを描く速度が半端ない。


「結構自信あるんだけど、どうかな?」


 僕が出すことにしたグッズはアクリルスタンド、アクリルキーホルダー、マグカップとシールだ。

 全部で一万円くらいの金額設定にした。

 これは莉乃姉さんと聖奈と話し合った結果だ。

 聖奈が描いてくれた僕の絵はどれもカッコよくて透き通った感じの絵のタッチで物凄く良かった。


「めっちゃいいよ! 詳しい絵のことはよくわかんないけど、僕はこのイラストめちゃくちゃ好きだな。これでお願い」


「はいよ。任せといて。二日三日もすれば清書を出せると思うからメールで送るね。あとは、莉乃さんに頼ってサイトとかで販売の準備をすればいいよ」


「なにからなにまでありがとな」


「気にしなくてもい~よ。有名になったらいっぱい仕事頂戴ね?」


 可愛らしくウインクをする彼女は本当に可愛かった。

 翡翠色の綺麗な瞳が僕のことを見据えている。

 見つめていると吸い込まれそうになりそうなほどに綺麗な瞳だった。


「ああ、それはもちろん。聖奈って高校はどんな感じなんだ?」


「どしたのいきなり」


「いや、僕たちって高校が違うから聖奈が普段どんなふうに高校に通ってるのか気になってさ。告白されたりとかしないのか?」


 聖奈は幼馴染の贔屓目を抜きにしても可愛いと思う。

 今の聖奈に恋人がいるとは思わないけど、聖奈のことを好きな人は結構な人数いるんじゃないかと思う。

 聖奈は好きな人がいるのだろうか?

 気になるけど、ただの幼馴染でしかない僕が聞いたら気落ち悪がられるかもしれないと思うと聞けない。


「う~ん、何回か告白はされたけど全部断ったよ? 私好きな人いるし」


「え!? 聖奈って好きな人いるのか?」


「そりゃあいるよ。私だって健全な高校生だからね。好きな人くらいはいるよ。浩人はどうなの?」


「僕はそう言うのはないね。告白はされたことはあるけど、もう振られたし。今の所好きな人もいない。普通の高校生活を送ってるよ」


 初めて告白してくれたのが理沙だったけど、少し前に酷い振られ方をしたばかりだ。

 そんなにすぐに好きな人ができるという事もなくて。

 本当に何もない高校生活を送っているのだ。

 違う事と言えば、裏でVtuberとして活動をしているという事くらいではないだろうか。


「へぇ~そうなんだ。好きな人とかが出来たら教えてよ? 相談には乗るから」


「うん。でも、当分はVtuberとしての配信に力を入れたいからそう言うのはないと思う」


「そか。確かに今すっごくスタートダッシュがいい感じだからね! もしかしたらこのまますぐに100万人とかもいけちゃうかもね!」


「それは流石に盛りすぎじゃないかな?」


 そんなにすぐに100万人を達成できるほどVtuberが生易しい仕事じゃないことくらいは理解している。

 今人気が出てきているのは莉乃姉さんのおかげといっても過言ではない。


「どうかな。でも、達成できるように頑張ってね!」


「ありがと。期待に答えれるように頑張るよ」


 この後は聖奈にご飯を作ってすぐに家を後にした。

 莉乃姉さんの夕飯は既に作ってきているから急いで帰る必要もない。

 そんなことを考えているとスマホに着信があった。


「こんな時間に誰だろう? 聖奈が呼んでるのか。それとも、莉乃姉さんか」


 そう思ってポケットからスマホを取り出したら、そこには藤波さんの名前が表示されていた。

 少し前に一緒にバスケをした公園の前をちょうど歩いていたので、公園の中に入って適当なベンチに腰掛けて電話に出る。


「もしもし? 藤波さん?」


「もしもし~天雲くん。今ダイジョブ?」


「全然大丈夫だけど何かあったの?」


 藤波さんとは連絡先こそ交換していたけど、今まで特に連絡を取り合うようなことは無かった。

 だって、わざわざ連絡するような用事もなかったし。

 藤波さんは一応僕のファンだから過度に関わったら身バレをする危険性が上がるから積極的には関わらないようにしていたんだ。


「えっとね、電話じゃ話しづらいから前に一緒にバスケした公園で会えないかな?」


「全然大丈夫だよ。今からすぐに向かうから5分くらいでつけると思う」


「わかった。私はもう公園にいるから待ってるね!」


 藤波さんは元気にそう言うと電話を切った。

 公園に向かって歩く夜道は夏という事もあって生暖かい風が体を撫でて不快な気持ちになる。

 なんだか、嫌な予感を感じながら僕は公園へと急いだ。

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