第18話 告白なのか?
「はい、あ~ん」
「いや、自分で食べれるよ?」
「いいから。たまには私だって浩人のお世話をしたいの。これくらい良いでしょ?」
スプーンにおかゆをすくって僕の口に近づけてくる。
湯気がかなり立っていてアツアツであることが簡単にうかがえる。
いや、待って?
そのまま口に入れる気なの?
絶対にやけどするんだけど……
「あ、ごめんごめん。冷ますの忘れてたよ」
ついうっかり。
みたいな表情で舌をべ~っと出した後に聖奈はスプーンを自分の口に近づけて数回息を吹きかける。
先ほどよりも立っている湯気の量が目に見えて減った気がする。
「ふふっ、相変わらず二人は仲がいいね。私はお邪魔そうだからリビングにいるね~何かあったら遠慮なく呼んでね」
「はい。わかりました。すぐに莉乃さんの夕飯も作りますね」
「ありがと。でも、そんなに急いでないからゆっくりしてていいからね~」
莉乃姉さんはそう言ってウインクをしてから部屋を後にした。
こうして、部屋には僕と聖奈の二人になったワケだけど。
改めて二人っきりになると変に意識してしまう。
僕がいま寝てるのは聖奈のベッドだし、聖奈の匂いがする。
意識すればするほど、思考が変な方向に行ってしまう気がしてならない。
「こんな風に私が浩人の世話をするのって初めてかな?」
「かもね。今まで体調とかそこまで崩すことなんて無かったし。迷惑かけてごめんね」
「迷惑なんかじゃないって。いっつもお世話になってるんだからたまにはこれくらいさせてよ」
照れたように頬を赤らめてそう言う聖奈に不覚にもドキリとしてしまった。
どうして、僕が聖奈と付き合っていないのか。
自分でも疑問に思ってしまう。
いや、ダメだな。
熱のせいか変な事を考えてる。
頭に浮かび上がった考えを彼方へと吹き飛ばして、改めて聖奈と向き合う。
「やっぱ変わったな」
「へ? 何か言った?」
「何でもないよ」
ポツリと口から出てしまった独り言を聞かれてしまった。
まあ、そこまで変な事を言ったわけでもないからいいんだけど。
「それよりも、はい。あ~ん。だいぶ冷めたと思うから」
「本当にやるのか? 無理しなくてもいいんだぞ」
「無理なんかしてないよ。私がやりたいからやるだけ」
聖奈が差し出してくれたスプーンを口に入れる。
程よい温度になっていて、味についてもおいしかった。
本当に料理はできるみたいで彼女の成長を感じた。
やっぱり、人は成長するんだな~
僕も頑張って成長しないといけない。
「ありがと、美味しいよ」
「ふふん、どう? 私も成長したでしょ」
「うん。本当にね。前は料理なんて全くできなかったのにね」
「私だって成長するんだから。莉乃さんの夕飯も私に任せてくれていいから。今日はゆっくり休んでおいてよ」
頼もしくなったな。
昔はこんな風に頼れる存在じゃなかったのに。
今ではこうやって僕や莉乃姉さんの夕飯を作ってくれている。
……今度からは自分で自分の夕飯を作ればいいんじゃないのか?
「ありがとう、聖奈」
「別に気にしなくていいんだから。早く治して、また私の夕飯を作りに来てよ」
「自分で作る気は無いんだな」
「ないない。私は浩人が作ってくれるご飯が大好きだから。それに……浩人のこともね」
「……へ?」
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