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Vtuberの姉が配信切り忘れた結果、失恋弟としてトレンド入りした僕もVtuberになることになった  作者: 夜空 叶ト


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12/23

第12話 ヤンデレ莉乃姉さん!?

 もうそろそろ夏休みがやってくる。

 セミの声がみんみんと鳴いている。

 もうそろそろ本格的に夏が始まると思うと憂鬱な気分になりつつも、その後に待ち受ける夏休みが楽しみという気持ちが出てきて複雑な心境だった。


「歌枠の選曲は終わってるし、あとは準備をするだけで済むかな」


「天雲くん何一人でぶつぶつ言ってるの?」


「おっ!? びっくりした……藤波さんか。どうかしたの?」


 ホームルームが終わって廊下を歩いていると、後ろからいきなり声をかけられる。

 燦々と輝く金髪が視界の端にチラついて一瞬で誰だか理解できた。

 相も変わらず、僕みたいな目立たない人にも分け隔てなく接してくれる学校のアイドル的存在。

 彼女に話しかけられて勘違いをした男子生徒が数多く玉砕したという噂を聞いたことがある。


「いや、帰ってるのを見かけたから。確か、途中まで帰り道一緒だったよね? 一緒に帰ってもいい?」


「それは、もちろんいいけど。この時間に帰るのは珍しいね。部活は休みなの?」


「まあね。今日は部活が珍しく休みなんだ! たまにはこんな風に休みがないと疲れちゃうからね!」


「確かバスケ部だっけ?」


 僕の記憶が正しければ、藤波さんはバスケ部に入っていた気がする。うちの高校は県内でもバスケが強いことが有名で、藤波さんはその中でもエースだったと聞いた気がする。


「うん! 夏の大会がもうそろそろ始まるから今日がゆっくりできる最後の日かも」


 終業式まであと一週間くらいで、夏休みが始まる。

 夏休みの中盤位に大会があるとしても結構な期間休みが無くなる事になるんじゃないか?

 大丈夫だろうか。

 いや、僕みたいな体力皆無の人間と違ってそのくらいなら余裕なのかもしれない。


「そうなんだ。じゃあ、しっかり休まないとだね」


「それはそうなんだけど、今日は夜から推しの配信があるからそれを見ないといけないんだよね~」


「推しってVtuber?」


「うん! 誰かは言わないよ? 私の秘密だから!」



 藤波さんを不快にさせたくないから聞きはしない。

 というか、僕も今日の夜に歌枠があるんだった。

 超有名な人だったらみんなそっちを見に行っちゃうかもな。

 今日は視聴者が少なくてもめげないようにしよう。


「そっか。まあ、ゆっくり休みなよ? あと、大会がんばって」


「ありがと! というか、天雲くん連絡先交換してよ」


「え? 別にいいけど」


 特に拒否するような理由もなかったから速攻OKした。

 そもそも連絡先が追加されていない僕のスマホに新しい連絡先が追加されて少し嬉しくなる。

 単純な男でごめんなさい。


「ありがと! てか、今度の大会見に来てよ! あんまり見に来てくれる人いないと寂しいからさ」


「僕でよければ。大会っていつあるんだっけ?」


「それは後でメッセージ送るよ。それじゃあ、絶対に来てよね! 約束だよ~」


 藤波さんは太陽のような笑みを浮かべてから、走り去っていった。

 流石はバスケ部と言うべきか、足が凄く早くてすぐに見えなくなってしまう。


「なんか、嵐みたいな人だな」


 夏休みの予定が一つ埋まったことを喜びながら、僕も家に帰る。

 帰ってから約二時間後に配信だけど、準備とかもしっかりしないといけないからなるべく早めに帰っておきたいのだ。


 ◇


「ただいま莉乃姉さん」


「おかえり~ひろくん。ん? ひろくん今日なんかあった?」


「何かってなに?」


 家に着くなり莉乃姉さんに詰め寄られる。

 均整の取れた綺麗な顔が近づいてくる。

 いや、まつ毛なが!

 陶器みたいに白い肌が近づいてきて少しドキドキしてしまう。


「なんか、ひろくんから他の女の匂いがするんだよね~。聖奈ちゃんとは違うし、恋人でもできたの?」


「いやいや、恋人が僕にできるわけないでしょ。いきなりどうしたの?」


 匂いで変な事を聞いてくる莉乃姉さんはどこかヤンデレのように見えた。


「出来てないならいいんだけどね。それよりもひろくんこれから歌枠でしょ?」


「うん。準備はしたんだけど、やっぱり緊張しちゃってね」


「ひろくんなら大丈夫だよ。歌もうまいし、声を綺麗だからさ。自信を持って好きな歌を歌えばいいと思うよ!」


 莉乃姉さんからのアドバイスをもらって、勇気が湧いてきた。

 多分聖奈も見てくれるだろうからしっかりとやりきらないといけない。

 僕の活動を応援してくれるファンの方のためにも。


「あろがとう。頑張ってみるよ!」


「うん! 私はその時間に配信しないからひろくんの歌を楽しみに聞いとくね」


「そう言われると緊張しちゃうけどね」


 緊張するのは本当だし、ドキドキするけどちゃんと僕のことを見てくれている人がいると思うと安心して配信することができる。


「じゃあ、頑張ってね!」


「任せといてよ」


 莉乃姉さんに激励を貰いながら、僕は部屋に戻ってパソコンを立ち上げる。

 枠は既に立てているから後は時間になったら始めるだけだ。


「ちょっと、声出ししとこうかな」


 ボイスメモでカラオケのようにして自分の歌を聞く。

 音程が外れるとかそんなことは特になく、しっかりと歌えていたような気がする。

 自分で聞いてもある程度、うまいと思えるくらいには歌えていたと思う。


「よし、良い感じだな。歌枠、初めてだからすごく緊張するな」


 のどの調子もいいし、しっかりやれそうな気がする。

 後は配信時間が来るのを待つだけだ。



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