4話
ランクが「Y」にまで上がる。そして、パーティーを組むチャンスが訪れるのだった。
「そこの小さいのパーティーを組まないか?」
話しかけてくるのは俺と同じくらいの小さい少年だった。その周りには2人の人間がいる。パーティーのリーダー的な存在だ。
「ああ、いいぞ」
「俺はアル、こっちがカイ、ルリィだ」
あるは自分に親指を刺しながらそう告げる。横にいた二人がお辞儀をする。軽い挨拶のようなものだろう。最初の獲物が決まった瞬間だ。
「森しかない・・・」
ランクがYになったことで、森の浅いところにある素材をとってくるような依頼が増える。その依頼か、小動物を狩る依頼の2種類しか残っていない。
「そういえば、お前の名前は?」
「キルだ」
「キルか。お前のスキルは?」
「テイムだ。そう言うお前は?」
「剣使いだ。残りは槍と弓だ」
「矢の金がかかってごめんねー」
「今回の依頼は無理。短剣とかの武器がいる」
「それなら貸してやるよ。ほら行こうぜー」
そう言いながら、門から出て行き塀の外に出てくる。
「鳥のテイムとかはできるのか?」
「やってみる」
そう言いながら一番近くの川辺で水を飲んでいる鳥に向かって
「テイム!」
そう告げるのだった。運よく1回目で成功したのだった。
「視界共有は?」
「できた。けど気持ち悪い」
視界が2つになるような感覚だ。これだと平衡感覚がなくなり、ふらふらとしか移動できなくなる。
「キル、お前は索敵だ。動物を見つけたら、案内しろ」
「わかった。待て」
飛行すること、数秒だ。
「見つけた。向こう側」
そう言いながら鳥がいる方を指差す。岩上に1匹のウサギが寝ているのだった。そのウサギに矢を放ち仕留めることで仕留め終わるのだった。
「よくやった」
そう言いながらアルは皆を讃える。褒め方もわからないお年頃だ。上からで褒めてしまうのは仕方がないことだろう。その方法で何体かのウサギを狩り、換金することで金を稼ぐのだった。その日の帰りのことだ。
「ただいま」
「おかえりなさいませ、神子よ」
「そんな大層な存在じゃないって言ってるだろ?」
「テイムを使っていたようで何よりです」
「あー、見てたのね」
「はい、いざとなれば、私が生贄になっても貴方様を助けます。それともあの子供たちを今すぐ殺しますか?」
「それは自分でするかいい。この平原に現れる魔物って何がいる?」
「スライム、ゴブリン、反乱時にオークといったところです」
「2週間後、ゴブリンを5体程度用意して」
「はい、かしこまりました」