19話
鉱山から金属鉱石を受け取り、王都にまで戻る。
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上からカンカンと、金属の打つ音が鳴り響く。
「ここは、暗殺ギルド所有の鍛冶場ってところかな?」
「俺が作んの?」
「そんなわけない」
地下通路を移動し、その鍛冶場のところにまで移動をする。そして、扉を押し開けるのだった。
「おじさん、仕事」
ゴーグルをつけ、無精髭の生えたおじさんがいるのだった。根元は真っ直ぐストレートの髭だが、熱さにより途中から縮れているのだった。
「今回は!?」
「短剣!」
金属を打ち付けるのをやめ、近寄ってくるのだった。
「こいつが依頼主かー。…てかまだ28でおじさんじゃねーぞ。それよりもお前の方が年上だろ?」
「28は十分おじさんです。ね?」
空気が凍った。
鍛治師は頭を掻きながら、コールのことをじっと見てくる。
「サブ武器は弓、あと短剣は二刀流のアタッカー、この辺りか。力量は十分、で要望は?」
「厚さの薄い短剣が欲しい」
「それだと、武器を受け止めきれないだろ?使い方は?」
「矢の代わりとして飛ばす」
「アイデアとしては面白いな。だが、真っ直ぐに飛ぶ保証はできないぞ。そこは技量だ。この短剣を通常使いする可能性は?」
(通常で使うのか…)
「ない」
まだ、今使っている短剣は壊れることはない。そのため、問題なく使い続けることができるのだ。
「魔力強化は?」
「まだ教えてません」
「早めに教えておけよ?」
「あなたに言われなくともわかってます」
魔力強化か、身体能力の上昇と考えると自然だろう。技術が追いつかず、脳筋ゴリ押しが通用しない相手との戦闘になれば、不利になる。そのため、先に技術の習得を優先したのだった。
「作っておくから、待っていろ」
そう言いながら鍛冶場の方に戻っていくのだった。簡単な設計図を書いていき、鍛治が終わるのを待つ。
そして、1時間で完成させてくるのだった。
「試しに使ってみろ」
そう言いながら奥の部屋に案内され、的当てをしてみることになったのだ。短剣を縦にすることで、木でできた部分に当たらないようにしている。ここは伝えていなかったが、十字に傷をつけていることでどちらにも対応できるようにしている。
矢の代わりに短剣を入れ、強く引き手を離す。だが、その短剣は弓の木でできた部分に刺さるのだった。
「支えがいるな」
弓に改造を施すのだった薄い板を1つつけることで、短剣が弓に刺さらないように改造するのだった。
再び短剣を引き、放つ。つけられた木の板をシュッと短剣が擦りながら飛んでいく。的の方向に攻撃をすることが成功するのだった。木の板が入ったことで飛んでいく方向が変わる。
それにより、狙い通りに飛んでいくのが余計に難しくなったのだった。
つけられたのは確実に当たらないようにする補助具のようなものだ。だが、固定されていないため、短剣が放たれると同時に木の板が弦を叩く。
奥の手や、通常の矢で威力が足りない時に使うことができるだろう。
「これなんかはどうだ?」
持ってきたのは短剣が剣に置き換わったものだ。これなら板の必要がなくなる。そして、質量もあることから、短剣を飛ばすよりも威力が上がるのだった。
だが、問題が生まれる。それは、短剣よりも弦を弾く力が必要になることだ。そして、重量が増えたことで重力の影響をより受けるため、飛距離が低下する。
どちらにしろ、筋力不足だったのだ。放ってみるとヘロヘロと槍が飛んでいき、数m先の地面に刺さる。
もっと筋力がついた時に役に立つだろう。
普通に鏃を改良するだけで、この問題は解決するのだが、そのことに誰も気がつかないのだった。ロマンに効率は不要なのだ。




