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人類滅亡の最後の鍵は今ここに  作者: ひまなひと(カニ3隊)
17/20

17話

 軽い全身筋肉痛になりながら、次の日の朝を迎える。


「おはようございます。では早速、この品出しをお願いします」


 書かれているのは、くわかまといったものだった。もうすぐ、春先となる。そのため、野菜の収穫や雑草の成長の時期となる。その作業として必要となるものを売りに出すのだった。


 他にも簡単な安い衣服の取り出し、並べていく。並べるのが終わると渡されていた仕事は終わりだ。


「値切りとかはどうなっているんだ?」

「あー、受け付けなくて大丈夫ですよ。他のところに行くと言われれば、どうぞ行ってくれて大丈夫ですと伝えてもらえればそれで終わりです。まあ、ここよりも安いところなんて1つもないんですけどね」


 中に入り、店番となるのだった。といっても渡されたものと、料金が書かれたメモを見ながら値段の計算とお釣りを渡すという作業だけだ。これくらいなら誰でもできるというものだ。


 おばさんが1人入ってくるのだった。その手には桑や作業着を持っているのだった。その全ての金額を計算し


「2500ミルの支払いです」


 その金額全てを手に入れるのだった。この世界のおかしなところは、数カ所ある。まず1つ目は、紙幣が存在していることだ。紙幣の価値は国が強くなければ役に立たない。


 金で作られているから価値が保証されている硬貨とは違い、紙は国の力があってこそ成り立つのだ。だが、この国では貨幣経済として流通しているのだ。


 1000ミルの紙幣を3枚受け取り、500ミルの硬貨を返す。その後は、雑談をされることはなく、干し肉を購入していく冒険者や素材を売り込もうとしている人がいたりするのだった。


「…特に計算を教える必要はなかったようですね。入学テストでは、他にも科目があるので、その勉強はしてくださいね」


 計算を教えるのも役割としてあったのだろう。他の科目か、戦闘もそのうちの1つだろう。


「あと、この国の歴史です」

 そういいながらドンとカウンターの上に本を一冊をおくのだった。歴史か…。覚えるのは嫌いなんだけどな。


「貴族のことを知っていて損はありませんからね」

 学校ということは貴族と会うことになる。そのため、貴族のことを多く知っておいた方がいいと言っているようなものだ。


「学校で貴族と一緒なクラスになるよな?」

「ええ、なりますとも」

「テストもあるよな?」

「ありますね」

「そのテストでそいつよりも上を出していいのか?」


 貴族の面子を考えると、自分よりも上の存在を許したくはないだろう。平民の立場から逆転があると考えるともっと無理だろう。そのため、テストでは手を抜く必要があるのかと聞いておきたかった。


「勉強は大丈夫です。ですが、戦闘面や魔法、芸術では絶対に手を抜いてください」

「了解」


 武功を上げて貴族になったり、優秀なスキルを持っているから貴族になったものもいる。そして、スキルは血縁により継承されるのだった。


 勝ってしまうと血縁の否定となり、その親である貴族も否定するとなっているらしい。そのため、勝つとめんどくさいことになる。だから、勝っても勉強までと言われているのだった。


 芸術を平民が触れることはない。多くのことを知っていると勘繰られるのだろう。だから、成績を落とせと言われているのだった。


「こんな時間ですし、今日はここまでで大丈夫ですよ」


 時間は夕方になっている。そのため、渡されたこの国の歴史の本を手に取り、自分の部屋に戻るのだった。

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