15話
暗殺ギルドへと移動をし、訓練をつけてもらおうとしているのだった。最初に入ったところから、合言葉を言うことで再び中に入るのだった。そして、受付の人に
「ギルマスはいる?」
と話しかけるのだった。
「いえ、今は外出中です」
(確かに約束はしたんだけどな〜)
反応の薄さは前の時と大差はない。
壁にもたれるようにして、ギルマスを待つことにしたのだった。
壁にもたれかかろうとして、すぐに横に避ける。いた所の後頭部には槍が突き刺さっているのだった。
あの受付の人が槍を投げ、走り寄ってくる。即座に短剣を引き抜き、二刀流で構えをとった。
「ギルマスに打って変わり、私めが相手をさせていただきます」
おそらくこれが基本だったのだろう。最初の一撃で死んでいた可能性もあっただろう。だが、そんなことは気にしていないようだ。
壁に刺さった槍が引き抜かれ、受付の手元に戻される。
(魔力か糸やワイヤーだな)
再び手元に戻ってきた槍を投擲するのだった。真っ直ぐ進んでくる槍と振り上げる短剣を合わせ、上に弾く。
それと同時に前に走ることで体を近づけ、体に当たるものに集中するのだった。1歩前に進むだけでワイヤーが体に当たる。
そのワイヤーを叩き切ろうと短剣を地面に向かって振りかぶるのだった。体に当たっていたワイヤーは一瞬のうちにどこかに行っていた。
そして、目の前に立っている受付の姿がない。
(ワイヤーを引き寄せたか…)
奇襲を警戒しつつその場から距離をあけるために、バックステップを取る。ヒューと風を切る音が聞こえてくるのだった。
「右か」
音が鳴っているのは右方向からだ。だが、攻撃手段が判明していない。そのため、むやみやたらに飛び込むのではなく、その攻撃から左右に避け、短剣を前に突き出すのだった。
視界の中に槍が入る。その槍はまっすぐ飛ばされるのではなく、振り回されるようにして槍が操られているのだった。斜めになっている槍が地面を抉り取る。そこは俺がいた場所だった。
槍が通り過ぎ、再びヒューと音が鳴る。同じような攻撃を警戒するのだった。その目の前には受付がいる。
その受付に対して、右手の短剣を突き出すのだった。だが、手の甲を左手側に押すことで簡単に関節が曲げられる。
そのままの勢いで右手側に回り込んでくる。手元の左に押し出された反動を利用して、裏拳を出すのだった。だが、受付の姿は存在していない。
背後から押し倒してくるのだった。体から着地をする。怪我をしないようにか、左手は足で挟むことで動きを封じられている。残っている右手は手の甲を握り、動かすことにより、自分自身の首元に短剣が添えられているのだった。
「なんでこんなに弱いんですか?熟練でしょ?」
「いや、初心者だわ」
「…では、気をとり直して、戦える武器を教えてください」
さっきまでのことはなかったことにするようだ。
(負けた原因は、聴覚による視線誘導と関節とかの人体への理解度の差か…)
「短剣、弓だけ」
「鍛えるなら、格闘術か槍、トラップ、毒になるけど」
「格闘術でお願いします」