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人類滅亡の最後の鍵は今ここに  作者: ひまなひと(カニ3隊)
13/20

13話

 その扉を通り抜けると、そこは広い空間に変わる。


「地下空間なのに、こんなに広いのか…」

「意外でしょ?」


 子供の姿をしたものが背後に立っているのだった。子供がこんなところにいるわけがない。


「案内するよ!」


 そう言いながら、コールの手を引きギルド内の案内を始めるのだった。といってもただの受付しかない空間だ。手配書も何もなく、すぐに戦闘ができ被害が少なくするために広い空間となっているのだった。受付の人が存在しているだけの広い空間だ。


 そして、案内もなしに最初の豪華な部屋にやってくる。

「ギルドマスターの部屋だよ」

「用があるのはここだから、のんびり待たせてもらおうかな」

「用って?」

「手紙を渡すように言われてただけ、あとはこれからよく会うことになるだろうから挨拶って感じかな?」


 別にこの辺りのことは嘘をついていないのだから、伝えても問題はない。数分の待ち時間となる。


 今日伝えたいことは、あの転生者の情報を調べておくことだ。大体の予想はついているが、今後の動向を知っておく必要がある。他にも驚異的な存在がこの王都に存在している。


 その辺りの情報も知っておかないといけないのだ。この王都での優秀な存在は、「剣聖」と「賢者」だ。剣士と魔法使いのスキルを扱う上で一番強い人に渡される称号だ。


 その辺りのことも情報として知っておきたい。


「待っても来ないよ〜。だって私がギルドマスターだからさ!」

「はー、」

「もっといい反応をしなさいよ!」


 大体予想できているものに反応しろと言われても…。

「これならどうだい?」


 ギルマスの手にはいつの間にか抜き取られた手紙が持たれているのだった。いつの間にか手紙が抜き取られていたらしい。


(ブラフか、本物か)


 ブラフの可能性が高いため、少し悩みつつポーカーフェイスを貫くのだった。

「ちょうど渡すつもりだったので、よかったです」

「食えないやつだね〜」


 持っていた封筒をバラバラに引き裂くのだった。

「さて、本物を渡しな」


 ギルマスの部屋にあるソファーにドシッと座り、手紙を催促するのだった。その幼かった見た目が、大人に変わるのだった。


 少しギョッとして、じっくりと見てしまった。

「こっちはしっかりと驚くのか…。お前のことがよくわからんよ。普通に考えていれば、子供の姿で動くわけがないのはすぐにわかるでしょ。ただの変装技術」


 手紙の入った袋を適当に開き、中から1枚の手紙を取り出す。白色の手紙だったが、魔力を流すことで文字が浮き出てくるのだった。


「へ〜、こいつがね〜」

「敬う気になった?」

「いや、全く。ビジネスモードと行こうか」


 まあ、知りたいことがあると書かれているのなら、情報収集といった仕事につながる。そのことだろう。


「手紙には何と?」

「1つは、お前を鍛えること。肉体的にって意味だろ。もう1つは情報収集の援護をしろってさ。愛されてんなーお前。で知りたいことは?」


「ユウマって呼ばれるやつを知っているか?最近王都にやってきたはずなんだが…」

「その見た目は?」

「知らん、ただ強いってことだけだ」

「それなら冒険者だな…」


 足元のタイルをめくり、情報が書かれた紙を取り出すのだった。パラパラとページをめくっていく。

「あー、いるいる」


 見つけた紙をそのまま投げ渡してくる。渡された紙には要注意人物とされているのだった。


「要注意って暗殺でも失敗でもしたのか?」

「暗殺の依頼を受けるなって意味」


 もうすでに手をつけられないほど強くなったのだろう。

「今は、王城の中にいるから手出しはできないってのも1つの理由さ」

「こいつの暗殺は無理か…」


 無理矢理にでも暗殺ができれば、一番だがそれすらも難しいのだろう。


「ああ、絶対に無理だな」

「なら情報収集は?」

「それならいけるな」

「ならそれでよろしく」


「もしこいつに見つかった時にはどうする?」

「確実に見つかった時ってことか?」

「ああ」

「罠にでも嵌めるか。毎回、トラップのついた部屋に帰ること。ずっと偵察されることにイラつけば、追いかけてくるからトラップにでも嵌める」


 爆破をさせることで、目立たせる。そして爆破があったこの場所に警備隊が来ることで、こいつが現行犯で逮捕されるのだ。力でできないのなら、社会的に殺す。まあ、これが理想だ。


「理想だな」

「誰を派遣するかとかは?」

「できるぞ」


 そう言いながら、パンフレットを取り出し写真と経歴が書かれたものを見せてくるのだった。


「送るなら男だ」

「ハニートラップはしなくていいのか?」

「失敗した後に裏切られるからな」


 あの転生者が誘惑といった異性を魅了するスキルを持っていると味方が敵に寝返ることになる。それだけは絶対に避けたいところだ。そのため、異性を送らないほうがいいだろう。


 警戒には警戒を重ねたほうがいいだろう。


「そういえば、なんで王城なんかにいるんだ?」

「王女や貴族を助けたとかだったな」


 はへー、テンプレを引き当てたとかか。その後、剣聖や賢者、王子たちの関係性を聞き、ギルマスとしても話が終わるのだった。

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