IF 30.みんなとの関係は?
今回の話は前回のIFストーリーです。
なので本編とは関係ありません。
途中までは前回と同じです。みんなと合流した辺りから変化があります。
どれほどの時間が経っただろうか…
それは一瞬だったのかもしれないし、もしかしたら1分くらいは続いたのかもしれない。
やがて、プルンッとした感触が唇から離れていき、それと同時に今まで感じていた温度がなくなり寂しさがこみあげてくる。
キス…
一度はしてみたいと思っていたが、こんな強引な初めてを迎えることになるとは思っていなかったな。
でも、それは決して嫌な気分になることはなく、むしろ心地よいものだった。
「私の心を弄んだ罰です!しっかり責任とってください!!」
……………………
そんなこと言われても、いきなりすぎて気持ちが追いつかない。
嬉しくないのかと言われればもちろん嬉しい。だって美少女からのキスなのだ。
嬉しくない訳が無い。
でも………
「嫌、でしたか?」
「ううん、嫌じゃない。でもいきなりすぎて、気持ちがまとまらなくて…」
「そうですか…」
真剣にこちらを見つめてくる咲。
「でも、嫌じゃなかったんですよね?じゃあ、続き、しちゃいますね?」
逃がさないと言わんばかりに抱きついてきた咲が、もう一度唇を押し付けてくる。
「んむっ!?」
二度目のキスは、長かった。
「ぷはぁっ!はぁ…はぁ…」
これ以上息を我慢できなくなった咲が、ようやく俺を開放する。
「気持ち、まとまりましたか?」
こんな事されて、気持ちがまとまるワケないじゃないか…
「まだ、まとまってないみたいですね?」
そしてまたしてもキス。
先ほどまでの逃がさないように力を込めたキスではなく、今度のは優しいキスだ。
「…咲」
「どうですか?」
もう、我慢できない。
「咲!」
俺は咲を抱きしめ、キスをする。
「んっ!?」
柔らかい感触と、いい匂いに包まれる。
そっと、唇を離していく。
その後も、しばらくはキスの応酬は続いた。
「あー!光くんと咲ちゃんがキスしてるー!!」
「「あ!」」
二人して、時間を忘れてしまっていた。
そこでようやく周りを見渡してみる。
いつの間にかギャラリーが集まってきていたようで、遠巻きからたくさんの視線がこちらに向けられていた。
その中には、当然みんなも含まれていた…
「それで、光くんはどうなの?咲ちゃんと付き合うの?」
正直言えばまだ自分の気持ちがまとまっていない。
俺は、咲だけではなく、みんなのことが気になっている。
そんな気持ちで付き合うわけにはいかないだろう…
俺は心の中を、みんなに伝えることにした。
「その、咲のことは好きなんだけど、みんなのことも気になるんだ。そんな気持ちで付き合うのは咲に対して失礼じゃないかなって思うんだ」
「光くん…」
「じゃあ付き合うつもりはなかったけどキスしてたんだ…」
「…言い訳になるけど、咲にキスされて我慢できなくなったんだ」
「むぅ…じゃああたしもキスする!」
「え?」
チュッ♡
「「「「あー!」」」」
「えへへ♡咲ともキスしたんだし、あたしとしても、いいよね♡」
「それなら、私も!」
またしても柔らかい感触。
「うわぁ、キスってこんな感じなんだ…」
「あぅぅ…」
「うめにゃんもキスしたいんだ?」
「そ、それはもちろんしたいですけど…」
「だってさ♪」
「で、でも、太陽くんは嫌じゃないでしょうか…」
「この女たらしが女の子からのキスを嫌がるワケないでしょ。いいからやっちゃいなよ♪」
「太陽くん、その、私ともキスしてくれますか?」
そう言って唇を尖らせてこちらに向ける梅田さん。
「ほら、うめにゃん待ってるよ?早くしてあげなきゃかわいそうじゃん!」
「え、えーっと、じゃあ、するぞ?」
もうなるようになれ!
俺は細かいことを考えるのはやめて、目の前の唇に集中することにした。
腰に手を添えて、少し引き寄せながらキスをする。
「んっ!」
梅田さんの唇は、キュッと力を入れているせいか、他のみんなよりも硬くなっていた。
俺はそれをほぐしていくように、唇を軽く動かす。
ある程度柔らかくなってきたところで、唇を離していく。
「太陽くんとのキス、気持ちいいです♡」
これで、優一を除く全員とキスしてしまった。
「結局誰とも付き合うつもりはないってことでいいんだよね?」
その言葉が心に刺さる。
「うん、もしかしたらこれからも他の女の子のことが好きになってしまうかもしれないし、その方がいいと思うんだ…」
あまりにも無責任な発言だと思うが、そうしないと俺の方がどうかしてしまいそうだ。
「そっか、じゃああたしたちはキスフレンドだね♪」
「「「「……………えっ?」」」」
「これからも、お付き合いはしなくていいから、キスしようね♡」
その後、みんなで俺の家族に挨拶するという話になった。
みんなで家に帰りつくと、陽菜が出迎えてくれた。
「お帰り、お兄ちゃん。ちょっとお話があるんだけど………」
途中で言葉がなくなっていく。
俺の後ろについてきていたみんなと目が合ったからだ。
「うん、やっぱり色々お話ししようか」
その時の陽菜の表情は、まるで修羅のようだった。
「へぇ、それでみんなとはお付き合いはしてないけど、キスはOKな間柄になったんだ…」
今、俺は床に正座している。
陽菜があまりにも迫力のある顔でこちらを見てくるので、自然と体がそう動いた結果だ。
「はぁ…お兄ちゃんっていつからそんなビッチになったの?昔はそんなんじゃなかったよね?」
「うっ!それは、その…」
「私という可愛い妹がありながら、他の女とキスするなんて信じられない!」
ええっ!なんか怒るところそこじゃなくない?
「私がお兄ちゃんのこと一番好きなんだから!!」
「え?」
その瞬間、俺は陽菜からもキスされていた。
そこで、俺の目は覚めた。
なんだ、夢か………
実は今回の話、作者がリアルで見た夢を再現したものとなっています。
なので夢オチということにして書いてみました。
寝起きの頭で書いたので、色々とおかしなところがあるかもですが、気にしないでください(笑)
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