プロローグ終“神の落とし子”ベル
ども!まだまだ甘い点があると思いますが、生暖かい目で見てくれたら有難いです!
ベル「……リン、スズ、ミナ。皆ぁ⁉︎」
私は絶望の余り、消滅した姉妹の名を呼ぶ。
私の名は、ベル=シレーム。“ユニハーフ”であり、“神の落とし子”。そして、眼前に威風堂々と表すべきほどの力を持った女性の姿をしたモンスターは。
下級〜伝説災禍までのモンスターの階級の内、
伝説災禍が一体。
ワルプルギスである。
ワルプルギスは私に、最後の光景を与える。
それは、白く濁った濃霧だった。
ーー走馬灯ーー
ミナ「ベル?スズが呼んでるわよ?」
そう私に告げる。
ベル「分かったよ。ミナ姉様。」
と私は答え、スズの部屋へと向かう。
ここは、神子国家“アルデマ”。別名理想郷。
“神の落とし子”とされるユニハーフ族の住まう国であり、ユニハーフ族が王である。
何故、理想郷と呼ばれるのか?……それは、この国は希少種含め、全種族が住んでいるからなのである。
ベル「スズどうしたの?」
私はスズの部屋に着き、そう声をかけて入る。しかしそこにあったのは、布団が人間一人分入ってましたと言うかのように人一人分の穴がポッカリと開いたもぬけのからだった。
ベル「えぇ?……」(図書館かなぁ?)
ここで私は思い出す。そう言えばスズは私を呼ぶ時、必ずと言っていい程図書館に居た事を。
私は図書館へと、走り出した。
ーー全知の図書館ーー
スズ「おっそーい!私おこっちゃうよ⁉︎」
とスズは興奮気味に叫ぶ。
此処は全知の図書館。文字通り、此処にはあらゆる書物が存在する。言いたかないが、エロ本だって存在している。誰がみるのかは知らんが。(1人読みそうな奴がーー)
ベル「あっはははは。ごめんごめん。どしたの?スズちゃん。」
スズ「えっとねー、私の予知夢でとても恐ろしい夢を見てしまって。」
ベル「恐ろしい夢?」
この子は予知夢を見る事が出来、そのおかげで今までアルデマが生き残ってきた要因の一つだろう。
そして、その子がとても恐ろしいと表現したという事はーー
スズ「うん。私達が成す術無く消滅していく夢でね。確か、これ。」
と言って、私に、ある書物を見せてくる。
そこには、“消霧の魔物”と書かれたページを見せてくる。
ベル「消滅の正体ってこれ?」
スズ「うん。そーー」
ドゴオオオオオオオンっと大きな爆発音が鳴り響く。
そして、天災呀王と呼ばれる、伝説災禍の一つ下の階級すら破壊できないほどの天上石で造られた天壁を破壊して、パラパラと瓦礫の落ちてくる隙間から覗く藍色の眼。私達は一目で気づく。コイツが、“消霧の魔物”ワルプルギスだと。
その後はいとも簡単に王国直属兵士が消滅し、ある美少女がワルプルギスが放つ霧へと駆けていく。
その美少女はーー
リン=シレーム、私の妹が駆ける。
ベル「リン⁉︎駄目‼︎行っちゃ駄目ェ!」
リン「ッ⁉︎ベル姉様⁉︎貴女こそお逃げくださッ!」
リンは最後まで言う事が出来ずに、消滅の霧に呑まれ、完全に消え去る。
ベル「リンーーーーーーーー!」
私は涙を流し、悔しさに打ち震える。するとーー。
ミナすらも、消滅の霧に呑まれる姿があった。
ベル「ミナ姉様ぁぁぁぁぁあ!」
スズ「やっぱり悪い予感が当たったんだ。ミナ姉様、、リン姉様。くっ!ならーー
ベル姉様だけは!」
ベル「スズ‼︎嫌っ!行かないで!スズ!スズウウウウウ!」
こうして今に至った。
そうか。私は……死ねない。一番最後に生まれた四女のスズが命を懸けて私を救おうとしたのに。
ベル「絶対に……死んでたまるかああああああああああ‼︎」
私は全速力でワルプルギスから離れる。そして、此処で一つ誓う。
ーー“絶対にワルプルギスを消す。”ーー
と。
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