第一章12 決戦END “消霧と魔誕”
ワルプ「行くよ?ユシル!」
ユシル「勿論!来い!」
ワルプVSユシルでの戦いは、アラカルアとベルの戦いとは違い、かなり拮抗した戦いになっているようである。
ワルプが霧を出して撹乱し、最上級の魔法により戦闘を終わらせようとしているのに対し、ユシルは殆どの攻撃をとある力により、身を守りつつ、近接での格闘技により、戦闘を終わらせようとしているようだ。
そして、ユシルのとある力。その名は。
ワルプ「クソッ。世界樹之魔誕。キツイわね。」
そう。世界樹之魔誕。この力は、ユシルの魔力により、魔物を生み出すと言う、とんでも無い能力なのである。しかし、ワルプも負けてはいない。この日の為に練ってきた、自分の名を冠する力。終焉之濃霧である。その力は、あらゆる物が自身の発した霧に触れた時、ワルプが指定した効果を相手に付与するのである。その為、眠り、毒、精神崩壊などと言った事を一気に起こさせる事が可能になっている。まぁ、どちらも凄まじい力を持っているのである。
ワルプは現在ただの霧により、目眩し程度に考えさせると言った行動をしていた。
ユシルはそれにハマっている。消滅の霧は自分には効かない。とでも思っているかのように、霧に突っ込んだ。……
それが、ユシルの敗因だった。
入った瞬間、吐き気、眩暈、身体能力の低下、神経毒、眠り、精神崩壊を引き起こした。
ユシル「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼︎」
只々絶叫し続け、最終的には痛みの余り、倒れて死亡した。
だが、ユシルは伝説災禍の魔物である。
そのため、死なずに蘇ったのだ。勿論流石にワルプも二周目は起こさせない。
その後、仲直りが大変そうであるが、まぁ、大丈夫だろう。
――2時間後――
ユシル「本当に辛かったんだからね?」
ワルプ「ごめんなさい〜!」
アラカルア「お前らは何をしてやがったんだ?」
ベル「ただいまー。なんとか終わったね。」
ワルプ「そうだね。」
ユシル「まだだよ。」
ワル•ベル•アラ「へ?」
ユシル「着いてきて。」
言われるがままに私達は案内される。そして、辿り着いたのは、最上階の隠し通路だった。
そして、私達がそこで見たのは、多数の牢屋だ。
そこには、ある三人組が収監されていた。
ユシル「ワルプ。貴女がさ、ゲインに、命令されたのは何?」
ワルプ「えーっと。……あ。そう言えば、四姉妹は全員、転送の霧を使え!って言われてたね。」
ユシル「そう。まぁ、つまり、ベルちゃんの姉妹は死んでいなかったって事。」
リン「え?ベル?」
ベル「お姉ちゃん。リン、スズ。」
私はそこまで言うのがやっとだ。
私はその後に聞いた、私含めた泣き声の合唱を忘れはしないだろう。
終わったんだ。やっと。やっと――――――
「
第一章完
」
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