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私とわたしとタワシ

作者: 名枝掛

 




 あるところに、私とわたしとタワシが居ました。

 私とわたしは同じ人間から生まれたのですが、タワシは突然空から落ちてきたらしいのです。

 ある日、私が登山しに行って、わたしが海水浴に行って帰ってきたら、なんと、おぎゃあとタワシが屋根の上で鳴いているのです。

 ビックリしました。

 屋根の上には空しかなく、周りには木々もありませんでしたから鳥が落としたのかもしれません。

 けれど私とわたしは、タワシをりっぱに育て上げました。


「ねるげあ でいなべた うとがりあ くぞか いしさや」


 タワシの言葉は私とわたしには理解できませんが、今ではタワシも一人前のタワシです。


 そんなタワシが一人前になったある日、タワシが言いました。

 飛び跳ねて全身で何かを表していました。


「りるゅじ たってま うそちご るべた るく んじうゅちう るよのうょき」


 タワシの言葉はよくわかりませんでしたが、今までで一番やる気に満ち溢れていたので私とわたしは応援しました。

 私とわたしはタワシに留守を頼み、いつものように登山と海水浴に出かけました。

 しかし本日の天気は荒れ模様だったので、私とわたしはその日の夜帰ることはままなりませんでした。

 山の嵐はとても荒々しく、海の嵐はとても恐ろしかったそうです。

 海水浴から帰ってきたわたしから聞きました。

 私も登山から帰ってきて、そう話しました。


 それより驚いたことがあります。

 ひょんなことで朝帰りをしてしまったことをタワシに詫びようと、私とわたしが帰ってきたらなんと。

 タワシに手足が生えていたのです。

 正直化け物かと思いました。

 でも私とわたしのよく知るタワシだったので、私とわたしはホッとしました。

 やる気満々だったのは、きっと成長期だったからなのでしょう。

 タワシがまた何か言っています。


「いしれう るす うょちいせ とるべた たっかしいお んじうゅちう」

「りるゅじ るゅじ たしがに けだきぴっい らか いたべた もぎつ たま」


 タワシの言葉は相変わらずよくわかりませんでしたが、手足を振り回すほど嬉しいと表現してくれたので、きっと成長できたのが嬉しいのだと思っています。

 明日もきっと良い日になることでしょう。

 明日もまた私は登山へ行って、わたしは海水浴に行って、タワシに留守を任せます。


「るもま くそくや いなべた はくぞか」

「ぁなかいなこ いぱっい んじうゅちう くやは ふふう がれだよ とっお りるゅじ」


 タワシが前よりも何処か楽しそうで、私とわたしは何よりだと思っています。

 次にタワシが成長するとしたら何が生えてくるのか、私とわたしは少しだけ楽しみです。

 頭が生えてきたら、お話しもできそうでわくわくします。

 そうでなくとも私とわたしとタワシは家族なので、いつまでも幸せに暮らせると思うのです。




タワシの台詞を反対から読むと…?

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