第八十八話 ブレイクアウト
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「試合終了です! メンバー全員が一年生の明来、善戦するも皇帝学院の壁は越えられませんでした」
「やはり今年の皇帝は完成度が違いますね。ですが明来の選手も非常によく頑張ってました」
「そうですね、特に先発の千河君。六回途中で無念の降板となりましたが、それまで無失点でした」
喫茶店内に野球中継の音声が響き渡る。店内のお客さんも、少しずつ帰りの支度を始めていた。
山﨑も残ったコーヒーを一飲みし、身支度を整えながら、テレビを観ていた。
整列が終わり、明来ナインは観客席の方へ駆け足で向かっていた。この暑い中、全力で背中を押してくれた方々へ、精一杯声を張り、一礼する。
キャプテン氷室に続いて、他のメンバーも合わせて頭を下げた。そんな彼らに観客席から拍手が巻き起こっていた。
「惜しかったですね、あの六回さえ抑えてたらなぁ……」
ウエイターのマリちゃんが悔しそうにしていた。彼女はすっかり明来野球部のファンになったようだ。
「やっぱり強豪は選手が揃ってるからズルイです! だってあんな良いピッチングをしていた神崎君を温存する余裕があるんですもん」
マリも他のお客さんも、神崎のピッチャー交代は温存だと見ているようだ。ただ山﨑は、肩を回す仕草がどうも気がかりだった。それなりの経験者なら分かる、肩に不安がある人のクセだ。
「明来は圧倒的に選手が足りないよね。特にピッチャー。千河の他に、スピードと緩急が使える様な本格派がいれば面白そうだけど」
山﨑はそう言ったものの、漫画じゃないんだしそんな都合良く選手が集まるわけないよな……とか考えていた。
「そうですねェ、そんな選手が強い学校から転校してこないかしら……なんて都合よすぎですね」
マリも夢物語のようだと笑っていた。
一瞬、観客席の映像が流れた。明来で唯一ベンチに入っていない部員がクシャミをしていた。
少しヤンチャな風貌だが、その下半身から相当トレーニングをしている事が伺える。人数ギリギリの明来でベンチ外、それこそ転校生だろうか。
彼が、明来をご都合展開に導く選手になるのだろうか、少し楽しみでもある。
「ご馳走様、また来るよ」
山﨑はキッチリ伝票通りの金額をマリに払い、店の外に出た。外は変わらずアスファルトから立ち上る熱気に包まれていた。だが、余分に休憩した分、心身ともにリフレッシュはできていた。
「っしゃぁ、一丁営業してくっか!」
山﨑は身体をひと伸びしてから、駅の方に歩き出して行った。
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