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第二百四十六話 チャラいが頼りになる件

 前回の続きです!

 今回もよろしくお願いします♫


●初めての読者様●

 この度はアクセス頂きありがとうございます!

 少しでも楽しんで頂ける様、一生懸命書いております!


 よろしければ第一話から読んで頂けると、より楽しめると思います。ぜひご覧下さい!

 六回裏、明来は守備の乱れによりノーアウト三塁のピンチに陥っていた。

 次の打者は七番、下位打線ではあるがスコアはゼロ対二で劣勢の状況で、これ以上の失点はなんとしても防ぎたい場面である。


「やれやれ、そろそろ俺様をリリーフで使うか?」

 東雲がドヤ顔で右肩をぐるぐる回しているが、そんな彼を皆、白い目で見ていた。


「……ノーアウト三塁でバッターは七番。永愛の野球ならスクイズ、強行、何でもあるぞ」

 不破は感情を押し殺す様に、落ち着いた口調でケース確認を行なった。


「ノーアウトだから、最悪アウトをあげる形になってもスクイズを匂わせた耐球作戦も考えられるな」

 氷室も、あくまで状況の確認を優先した。


「なら尚更火消しで俺だろ。ザコ打線じゃ俺様のボールに掠りもしねーよ」


「お前は黙ってろよ!!!!」

 東雲がKY発言をした瞬間、守は球場全体に響き渡るほどの大声で怒鳴り声をあげた。


「誰のせいでピンチ背負ってると思ってんだよ!! 勝手にライトフライ深追いして落球して!! お前のせいでランナー出したのに逆ギレして地面蹴ってるだけで牽制のサインすら出さず、それをすぐ見破られて走られたんだろ!!」

 守と東雲は今まで何度も口喧嘩をしていたが、その中でも今、彼女はダントツにキレていた。流石の東雲も怯んで言葉に詰まっている。


「千河、気持ちは分かるが落ち着け」

 不破が守を制するが我慢の限界だったのか、守は完全にスイッチの入ってしまった様だ。


「大体さ、相手のことを舐め腐ってるけどお前今日バッティングも大ブレーキだろ!! 相手キャッチャーの巧みなトークで勝手に気持ち良くなってスローボールで遊ばれて大振り!! キャバの営業トークを間に受けるカモネギ社長かよ!!! ハッキリ言ってアイツらからバカ扱いされてるからねアンタ!!」


「OK、千河っちの気持ちは分かる。ここまでにしよう」

 青山が守と東雲の間に立ち塞がり、守の両肩にそっと触れた。


「今日は千河っちと駄覇っちのリレーで勝つ。俺たちが勝ち上がる為にはピッチャー陣のリレーが必要不可欠っしょ。で、俺らは足引っ張らないように身体張って守る。スクイズだろうがフリだろうが、俺は何十回だろうがダッシュでプレッシャー与えっから、頼むよ!!」


「青山……」

 青山は深く頭を下げた。呆気に取られた守は、沸騰しきっていたはずの頭がいつの間にかスッキリしていたことに気がついた。


「青山ありがとう。青山と氷室は本塁チャージは強めで頼む。七番はさっき耐球でフルカウントから見逃し三振。スクイズ本線で考えて、フライ、空振りを狙う投球を組む」


「OK、こき使って構わねーよ」

「任せろ」

「了解でござる」


「お前らも、わかったか?」

 不破は、守と東雲に確認した。


「……わかった。コースは間違えない様に投げるから、バックよろしくね」


「……わーったよ」


「よし、じゃあ全員手を出せ」


 不破が右手を前に出した。皆もそれに合わせて手を前に出して重ねていく。


「絶対抑えるぞ!!!!」


「オオオオオ!!!」



 不破は足早く本塁へ戻り、主審に軽く頭を下げた。


 守はロジンパックを塗した左手を、息でふぅっと吹きかけた。そして不破のサインに頷き、セットポジションに入った。


 ――キュイィィィィン!!!


 ――ダダダダダダダ!!!!


「ストライク!!」

 永愛の七番打者はバットを引いた。守のストレートはど真ん中、不破からのサインだった。そしてファーストの青山、サードの氷室は短距離走かと思うチャージダッシュで、プレッシャーをかけていた。


「OK、このままカウント貰うぜ」

 不破は、やれるもんならやってみろと言う攻めのリードで永愛に対抗していた。


 二球目のサインもすぐに決まった。守はクイックモーションで投球をした。


「ストライクツー!!!」

 二球目もど真ん中ストレートだった。不破のリードで簡単に追い込んでみせた。


「さっ、スリーバントさせるかね」

 不破は永愛ベンチをちらっと見てから、守へ返球し、考える間すら与えないスピード感で内野手、そして守へサインを送った。


 ランナーの動きはなく、内野陣も前身守備のまま。守は、今度はしっかり足を上げたフォームを行なっている。


「フシッ!!」

 守の全力で投げた百三十キロのストレートは、やや高めに浮いたが、球威に釣られた相手打者のバットは空を切った。


「ストライク、バッターアウト!!!」


「よっし!!」

 守はガッツポーズをした。不破も小さく拳を握りしめ、再びボールを守へ返球した。


「もう一点もやらない」

 守は、再びロジンパックに左手をとり、その指先を息を吹きあげた。



 六回裏 ワンアウト三塁

 明来 ゼロ対ニ 永愛

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