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第二十一話 一年生最速

 前回の続きです!

 今回もよろしくお願いします♫


●初めての読者様●

 この度はアクセス頂きありがとうございます!

 少しでも楽しんで頂ける様、一生懸命書いております!


 よろしければ第一話から読んで頂けると、より楽しめると思います。ぜひご覧下さい!

 山神は打席に向かいながら神崎の方を見つめていた。


 リトルの時、確かに神崎は大器の片鱗は見せていた。

 しかし、正直ここまでの急激な成長は山神の想像以上だったのだ。


「拙者が知らないうちに、こんなに化けるとは」

 

 山神は呟きながら左打席に入った。


 打席から映る神崎の姿はルーキーとは思えない貫禄があり、自信に満ち溢れた表情をしている。


 ――スパァァン!


 ややインコースよりに攻めてきたストレートは、轟音を響かせキャッチャーミットに収まった。

 山神はなんとか平静を装っていた。

 まるでボールが生きているみたいに、全速力で自分に向かってくる様に見えたのだ。


 神崎の二球目、先ほどのボールとは違い、大きな弧を描きながら向かってくる。

 山神のバットは空を切った。


「スローカーブ……しかもかなりの落差があるでござる」


 山神は今のボールをとても厄介に感じていた。

 ストレートと四十キロ程球速差があるこのボールを混ぜられたら、あのストレートがより早く見えてしまう。


 神崎の好きにはさせない……山神はバットを短く持ち、コンパクトな構えに変更した。


 神崎が振りかぶる。山神も普段は大きく上げる足を上げず、摺り足打法に切り替えていた。

 コンパクトなスイングにして、ミート力をあげるためだ。


 ――スパァァァァン!


 山神の対策も虚しく、ボールを捉えることができなかった。

 物凄いストレートだった。

 神崎の絶対に打たせない、という気迫を感じる一球だった。


「っしゃあああ!」


 神崎が声を出して喜んでいる。

 それに合わせて皇帝の守備陣も神崎にたくさんの声をかけている。

 ――東雲の時とは雲泥の差だった。


 山神は次のバッターである不破の側へ歩いていった。


「不破氏、打つならスローカーブ。ストレートは難易度ナイトメアモードでござる」


 バッターボックスに向かう不破に助言をし、山神はベンチに戻っていった。


 ベンチではメンバーのほとんどが青ざめた顔をしていた。

 このチームは表情に出るプレーヤーが多いなと山神は思っていた。


「山神」


 その中でポーカーフェイスを保つ兵藤が、冷静な声で話しかけてきた。


「最後のボール、とんでもなかったな」


「確かに速かったでござるが、スローカーブの後だからそう見えただけでは?」


「……これ見ろよ。多分お前に見せつける為の、とっておきの一球だったんだぜ」


 そう言いながら兵藤はスピードガンを山神に見せつけた。


「ひ……百五十キロ!?」


「驚いたぜ。一年生最速じゃねーかこれ。俺の時より格段に気合入ってたみたいだからな。神崎のやつ」

 

 山神は神崎の方に視線を移した。

 神崎が躍動感あふれるフォームで不破をねじ伏せようとしている。


「神崎氏……拙者が()()()()()()()()()()()()()()()()で覚醒したのでござるな」


 山神がボソッと独り言を呟いた。


 同時に凄まじい捕球音が響き渡った。

 不破が打席に立ち尽くしている。

 見逃し三振だった。


 山神はドリンクを一口飲み、小走りでショートの守備位置まで走り出した。


「あれがプレッシャーを跳ね除け、期待通りに成長できた男の姿でござるか」


 山神はショート守備位置付近の地面をならしながら、独り言を呟いた。


 五回表 終了

 明来 二対五 皇帝


 今日もご覧頂きありがとうございました。


 引き続き頑張っていきますので、是非また守たちの活躍を見に来てくださいね!

 

 初めてご覧頂いた方は、宜しければ第一話からお読み頂けるとより楽しめます!

 

 この作品が、少しでも皆様の楽しみになれますように。

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