第百八十三話 エースナンバー発表な件
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「背番号、一番……」
――ドキドキドキドキ……!!!
守の胸はものすごい鼓動を打っていた。
「千河君。君に託しました」
「……は、はいっ!!」
守は一瞬固まってしまったが、すぐに小走りで瑞穂の元へ向かった。
途中、守は物凄い視線を感じた。東雲からこれでもかと言うくらいの鋭い睨みが守を突き刺していた。
守はなんとか気がつかないフリをして瑞穂の前に立ち、背番号を受け取った。
背番号一、間違いない。去年からつけている自分の背番号だと守は実感していた。
そして明来全選手の背番号が発表された。
一番 千河
二番 不破
三番 青山
四番 東雲
五番 氷室
六番 山神
七番 松本
八番 兵藤
九番 風見
十番 駄覇
駄覇は恐らく一年生という事で唯一の二桁番号を背負うことになったが、本人はまるで気にしていない様子だ。
彼にとっては背番号は飾りでしかないと考えているのかもしれない。それほど彼は、己の実力には自信を持っているのだろう。
背番号発表が終わり、そのまま休憩時間となった。
特に緊張していた守は、緊張の糸が切れたかのように、その場にしゃがみ込んだ。
「はあああああ……良かったぁ〜」
守は大きく息を吐いて安堵していた。
「ヒカルが投げている試合は計算できる、大きく崩れることがないからって言うのが決め手だったみたいだよ」
瑞穂は守の頭を撫でながら真相を話した。
「東雲君は確かにハマった時のピッチングは圧倒的だけど、負けたらおしまいのトーナメントではどうしても不安があるみたい。だからヒカルみたいなゲームを作れるピッチャーが明来のエースなんだよ」
「そ……そっか。へへへ……頑張ってきて良かった」
守は笑顔で瑞穂に応えた。
……その一方で東雲は不満タラタラな様子だった。
「何でだよ!! どう考えたってエースは俺だろうが!!」
東雲は上杉監督に食ってかかっていた。
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