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第百五十一話 科学的根拠に基づかない力の件

 前回の続きです!

 今回もよろしくお願いします♫


●初めての読者様●

 この度はアクセス頂きありがとうございます!

 少しでも楽しんで頂ける様、一生懸命書いております!


 よろしければ第一話から読んで頂けると、より楽しめると思います。ぜひご覧下さい!

「いつまで話してンだよ!! さっさと打席立てよ」


 マウンド上の東雲が神崎に催促した。



「あぁ、すまんな東雲。次も良い勝負をしよう」



「チッ。マジで一々ムカつく奴だぜ」



 神崎との会話で少し落ち着いた不破は腰を落とし、ミットを構えた。しかも東雲の指示通りど真ん中だ。これは不破にも考えがあった。


『どうせボールゾーンに構えても、東雲は無視して投げるだけだ。それならアイツが全力で投げられる様に従ってやるよ』


 不破はチラッとベンチを見た。彼の瞳は精一杯声を出している千河の姿を捉えた。



『俺個人としては……千河のように自分のリード次第で試合をコントロールできるピッチャーの方が好きだ。圧倒的に』



『ただ……信じてやるよ。科学的根拠なんて全くないが、神崎の言う野球選手にとって一番大切な要素って奴を』



 不破はミットを強く叩いた。



「来い東雲!! どんな球でも止めてやるから、もっと出してこいよ!!」



 不破の声を聞いた東雲はニヤリと笑った。



「球威に負けて突き指なんかすんなよ? 秀才クン」



 東雲はセットポジションから投球フォームに移った。


 普段以上に踏み込みが強く、体の開きが遅い。間違いなく良いボールが来ると不破は確信していた。



「オラァァァッ!!!」


 

 ――ギュィィィィィィィッ!!!



 凄まじい回転音を効かせながら、東雲のフォーシームが襲いかかってくる。



 ――キィンッ!!



 神崎の打球はバックネットに突き刺さった。タイミングは合っている。



 ――ただ、東雲はさらに一皮剥けた様だ。



「……監督!! 今のボール、百五十一キロです!!!」



 ベンチにいる千河が叫んでいた。



「……えっげつないな」



 右打席に立つ神崎も、思わず声を漏らした。


 球審からボールを受け取った不破は、すぐさまそれを東雲に投げた。千河や駄覇と違い、彼の場合はボールをこねたり拭いたりせず、さっさと返してあげた方が機嫌がいいことが分かってきた為だ。


 

「まだまだ余裕だ!! もっとエグいの来いよ!!」



 不破が東雲を煽る。



「ミットの紐、ブチ切れても知らねェぞ」



 東雲は更に強く左足を踏み込んだ。



「……ッアアァッ!!!」



 強く蹴り上げた東雲の軸足が、反動によって前方にキックしたかの様になっていた。



 投げられたボールは先程以上の球威があり、まるでホップしているかの様なボールだった。



 予想以上の球の伸びだった様だ。神崎のバットの上をボールは通過した。

 



 ――スパァァァァァァァッ!!!!



「ストライク!! バッターアウト!!」



 今投じられた東雲のストレートは、この日最速の百五十二キロを計測していた。



 四回表 途中 ツーアウト三塁



 皇帝 ゼロ対一 明来

 今日もご覧頂きありがとうございました。


 毎週土日に更新しております。


 もし少しでもこの作品が面白ければ、ブックマークして頂けると励みになります。


 高評価やコメントなども、絶賛募集中です……!

 

 初めてご覧頂いた方は、宜しければ第一話からお読み頂けるとより楽しめます!

 

 この作品が、少しでも皆様の楽しみになれますように。

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