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第百十八話 新球をお披露目する件

 前回の続きです!

 今回もよろしくお願いします♫


●初めての読者様●

 この度はアクセス頂きありがとうございます!

 少しでも楽しんで頂ける様、一生懸命書いております!


 よろしければ第一話から読んで頂けると、より楽しめると思います。ぜひご覧下さい!

「ストライク!」


 バッテリーの予想通り、駄覇は初球から手を出してきた。ストレートに絞ったスイングだった。


「初球からチェンジアップ……先輩方、マジメすぎ」


「一打席目から振ってきたからな。警戒して当然だろ」


 不破はボールを返球しながら答えた。


『あれだけフルスイングしても、顔の位置は変わらない。地道な努力の賜物だろうな』


『――だが冬の間、僕たちは課題を考え、一つずつ潰していった。これがその一つだ』


 不破と守の考えは一致していた。守はサインに頷き、投球フォームに入った。


『チェンジアップの後――恐らく緩急を活かした力強いストレート。インコースに来たら強く叩く』


 駄覇の狙い通り、ボールはインコースに投げ込まれていた。


『前で――捌く!』


 駄覇のバットがボールへ振りこまれる。


 ――ギュンッ!


「なッ!?」


 ボールは駄覇の手元で、バットの芯から逃げるように僅かに曲がった。


 ――キィンッ!


 打球は一、二塁間に転がっている。青山は横っ飛びをするも打球に追いつけなかった。

 

「東雲頼む!」


 守は一塁へカバーに行きながら声を出した。


「誰に物申してるんだッ!」


 東雲は左手を目一杯伸ばし、なんとか打球に追いつき、回転しながら一塁へ送球した。


 守は少しそれた送球をしっかり捕球し、駄覇より僅かに早く一塁ベースを踏んだ。


「アウト!!」


「っしゃあ!!!」


「ナイスピッチ千河!!」


「はぁ!? 今のは俺様のファインプレーだろうが!! また助けられやがって、このヘボが!!」

 

 明来守備陣に視線を向けながら、駄覇はベンチへ歩いていた。


「義経、アウトになったのに嬉しそうだね」


 若井監督がベンチへ戻った駄覇に声をかけた。


「カットボールっす」


「ほう……去年まで無かった球種だね。そんな良いボールだったのかな」


「直前までストレートと見分けがつかなかったっす。手元でほんのちょっとだけ曲がりました」


 駄覇は再度、マウンドに目を向けた。


「千河、不破……おもしれぇ先輩だな」


 三回表 途中


 轟大学 ゼロ対ゼロ 明来

 ちなみに若井監督は上下関係には厳しいので、駄覇が守と不破のことを呼び捨てにした時、お叱りしていましたとさ。



 今日もご覧頂きありがとうございました。


 毎週土日に更新しております。


 もし少しでもこの作品が面白ければ、ブックマークして頂けると励みになります。


 高評価やコメントなども、絶賛募集中です……!

 

 初めてご覧頂いた方は、宜しければ第一話からお読み頂けるとより楽しめます!

 

 この作品が、少しでも皆様の楽しみになれますように。

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