第百十話 ご好意に甘える件
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「どうだ、ここなら全体がしっかり見えるだろ」
ユニフォーム姿の大学生に誘われた守と瑞穂は、バックネット裏にある監督室の中にいた。
監督室からはガラス越しにグランド全体が見渡せる様になっている。
「ここならグランドからは少し高い位置だから、義経にもバレにくいと思うぜ」
「ありがとうございます。ただ、監督さんの許可も貰わずにいいのでしょうか?」
瑞穂が念のため確認する。
「ああ、勿論良いよ。監督の俺がオッケーしたんだし」
「そうですか、それなら……ってえぇ!? 監督!?」
「そうそう。こう見えて一応三十手前なんだけど……」
……パクパク
二人は空いた口が塞がらなかった。目の前の監督を自称する彼は、どっからどう見ても現役大学生。というか高校の制服を着ても違和感は無いほど若く見える。
「轟大学監督の若井だ。改めて宜しくな、明来野球部さん」
――その後、若井監督が用意してくれたお茶を飲みながら、監督室で練習を見学しながら野球談義に花を咲かせていた。
「そうか、君が千河君か! 噂は聞いてるよ。一年生にして高校生離れしたコントロールを武器に、皇帝学院を相手に互角で戦ったピッチャー!」
「あはは……それほどでも」
「あと明来だと……山神君ってショートもかなり野球センスあるんだよな。兵藤君は内野フライでタッチアップを決める俊足だし……ああ、あと去年シニア全国大会に出てた東雲君もいるし、他にも良い選手が沢山で……すごいな明来」
若井監督は高校野球、シニア界にも詳しい様で、どんな野球の話題にも対応していた。
「す、凄いですね。そんなにお詳しいなんて」
瑞穂がお世辞では無く、本音を呟いた。
「ははは、ここまでしないと大学野球の監督なんてできないよ。有力な選手を沢山知ってて悪いことはないしな」
「なるほど……」
瑞穂が納得する様に頷いた。
「それで、駄覇はなんで大学で練習を……」
守が本題を切り出した。
「ふふ、当然知りたいよね」
二人はしっかりと頷いた。
「オッケー話すよ。それは彼の、自分以上の選手ばかりの環境でいち早く成長したいという希望からなんだ」
若井監督は過去を思い出す様に、ゆっくりと話し始めた。
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