第百一話 夏の祭典
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守たちが練習をしている同刻、東京でもトップクラスの規模を誇る展示場、そこでは超大規模イベントが開催されていた。
コミックマーケット、通称コミケは日本のみならず世界中のオタクが一同に結集される、言わばオタクの祭典だ。
来場者数は年々増加傾向にあり、初の四日間開催となった二千十九年はなんと七十三万人以上で、経済効果は百五十億円にもなると言われており、そのあまりのインパクトから、近頃は一般認知されてきている、日本トップクラスのイベントである。
時期は八月、気温が最高レベルの時期に開催されることもあり、熱中症対策の装備を怠ると、もれなくKOリタイアしてしまう参加者も後をたたない。日頃部屋で過ごす時間の長い勇者たちは特に注意が必要だ。
山神と松本も当然、会場入りをしていた。どの場所も人混みに溢れているが、何とか合流できた様子だ。
「松本氏。今回拙者が狙っていたひよこタソの限定タペストリー、無事確保できたでござる」
「流石ですな山神殿。こちらも狙いの品を確保できたでござる」
「しかし松本氏、徹夜で並べばもっと早く会場入りできたのでは?」
「恐れながら山神殿……徹夜組は本来違反行為でござる。それでも徹夜参加ら毎年後をたたぬが、心優しき同志のスタッフさん方の情けに甘えては、迎え入れることりタソに失礼では?」
「松本氏、拙者の失言でござった。先程の発言は忘れて頂きたい」
山神は深々と頭を下げた。
「山神殿、どうか頭をあげて頂きたい。推しの限定品をなんとしても、自らの手で確保したい気持ちは痛い程共感しているでござる。転売ヤーたる、作品をカネとしか考えていない輩に依頼したくない気持ちは、痛いほどわかります故」
松本はそう言って山神の肩を優しく叩いた。そして山神はゆっくり頭を上げた。
「時に山神殿。同刻、野球部の練習が行われていると推測されるのだが?」
「……心配御無用、許可は降りているでござる」
「左様ですか。しかし、ゴールデンウィークの時もそうでしたが、チームメイトは寝耳に水な様子でしたが?」
「監督から毎回、極秘裏に了承を得ているのでござる」
松本は何かを悟ったのか、それ以上詮索する事はしなかった。
「さて、拙者はコスプレエリアに向かおうと考えているが、松本氏はどうされるか?」
「無論、同行させて頂きたく」
「御意、では共に参ろう」
二人は鞄から立派な一眼レフを取り出し、コスプレエリアに向かっていった。その足取りは軽く、輝かしい未来へ向けて一歩一歩踏み出していた。
チームメイトがグラウンドで汗を流している間、彼らは今という瞬間を謳歌していたのであった。
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