89話
お昼一話に夜一話です。
そして、開いたからコロナ対策で勤務時間が変わるのでちょっと投稿期間ペースが変わるかもしれません。まぁ明日働いてみて様子見ます。
田舎と言えばの風景。
一面畑のみ。奥には山。以上。
「ただし雪に覆われていると」
「冬だしな」
全く気にしなかったけど、そういやそろそろ年末じゃん。そら雪も積もるわ。
コロちゃんは慣れたもので・・・いや歩きづらそう。
バトちゃんとねっさんは寒くて移動用のゲージの中で二匹一緒に固まってるし。ピッちゃんは俺のシャツの胸ポケット。
ふーちゃんとすらっぴは元気に跳ね回ってる。ニホリも割と普通に歩いてる・・・いや、ちょっと浮いてね?
「浮いてますよね」
「・・・う」
「はぁ。抱っこしてあげるから来な」
「う!」
歩きづらいならもっと早く言えばいいのに。コロちゃんも流石にこの量はあんまり見ないだろうからな。無理そうなら言えよー。
「ぴ!!」
「クゥゥゥ!!!」
「テンションたっか」
「楽しいって方が強い感じだな」
「流石子供・・・」
まるで小学生男子のような無邪気さだ・・・
「きー・・・」(ブルブル
「ちゅー」(ブルブル
「ほれ、かいろで温まれー」
ちょっとキツイか。何かしらブランケット的な物をもっと用意した方がよかったな。
「代わりのクッション投入」
「・・・狭くないのかそれ」
「どうよ」
「き!」
「クゥ!」
「よいとのこと」
「・・・まぁ狭いのは好きでおかしくないか」
狭くて暗い所に住むコウモリはもちろん。狐だってこの方が落ち着くのか。
あ、そろそろ着くか。
「じいちゃーん」
「・・・おお?恭輔かー!」
「あ、耳遠くないね」
「まだまだ現役だよ」
整えられた白髪にぱっと見でわかる、あ、この人はあの人のお父さんなんだなってわかる体格の良さ。
大門越朗
わかる通り、親父の父親にあたる人だ。
「あれ。ばあちゃんは?」
「ばあさんは今温泉旅行だよ。明日帰ってくる」
「あらま。先に連絡入れるべきだったか」
「どうせ二泊くらいしてくんだろ?なぁら大丈夫よ」
俺や親父も大概大雑把なところがあると思うんだが、じいちゃんはそれを上回る。
田舎に住みたい理由だって、老後は田舎だろう、とかわけのわからん理由だしな。趣味の囲碁もそういやそんな理由で始めてたような・・・。まぁ楽しそうならいいか。
とにかく、俺の周囲にはよくいる元気老人の一人だ。ガハハハとか笑うタイプ。
「それにしてもまた変わったのが増えたな!」
「ぴ?」
「る?」
「おまけに娘までこさえたか!」
「うー?」
「間違ってないけど違うからな!?」
別に誰かを妊娠させたとかそういうのじゃないわ!
てか、いまだに彼女もいたこともないんだが!?
「なんだい。まだいないのか」
「いないねぇ」
「そういやお前できたことないな」
「まぁ別になぁ」
「ワン」
後方正妻面コロちゃん
「みんなもいるし」
「そうみてぇだな」
「それで、親父はどうよ」
「それを聞かれて、元気以外の返事をしたことはねぇな」
「だろうと思ったよ」
「あ、吉助どこ」
「吉助なら、庭で遊んでるぞ」
「元気だな」
コロちゃんよりちょっと年上なはずなんだが・・・
そう思いながら庭に出る。
そしたら吉助一匹が寝るにしては大きい犬小屋が。あれ、増築されてね?とか思うが。まぁ古くなったのを直したときにいろいろやったんだろう。俺もよくやる。
「おーい。吉助~」
「ワンワン!!」
・・・・あれ。いなくね?
「においするか?」
「クゥゥン」(フルフル
「んん??どこ行った?」
「・・・ワン?」(ボフ
「うお!?吉助!?なんでそんなところいるんだ!?」
「ワン!?」
きょろきょろあたりを見渡してたら雪の下から急に吉助出現。
頭にちょこんと雪ものってるけど、寒くないん?
「そしてその子たちは何?」
「ワン」(ドヤ
「「キャン!」」」
「見りゃわかるわ」
狸だよじゃないんだよ。
「田舎じゃ害獣でしょうよ」
農作物を荒らすしな
「こいつらは偉い聞き分けが良くてな。ちゃーんと言い聞かせりゃ可愛いもんよ」
「近所の人知ってるんだろうな」
「そらもちろんよ。ここじゃご近所付き合いは大事だからな」
知らせりゃいいってもんじゃないんだろうけどさ。
それにしても、言い聞かせるって普通出来るか?
コロちゃんや吉助みたいに俺と昔から知り合いとか、ダンジョンでレベル上がったから頭よくなってるとかそういうんじゃないならすごいことだぞ。
特に野生の動物は人間を見たら基本逃げるし。あ、イノシシとか熊とかはこっちが逃げなきゃいけないんだけど。
「でも最初っから頭はいいみたいだぞ?」
「・・・まぁそういう子もいるのか?」
「いやいないだろう」
「そうなのかい?」
「ちょっとは頭が回るやつも時々いるにはいるが、ここまではなぁ」
今だって大人しくじいちゃんの周りに座ってるし。うーん。モグ三兄弟を見てるみたい。
「・・・まさかな」
「流石にあれは例外だろう・・・」
「ん?何かあったのかい」
「試しに聴くけど、ダンジョンってこの辺にあったりする?」
「ダンジョン?・・・ああ、あの噂の。聞いたことはねぇな」
「山のなか探したことは?」
「あるわけないだろ」
「だよねー」
「これもしかするな」
「ニホリー。ダンジョンってこの周辺にあったりするー?」
「う!」
「なんだって?」
「わかんない!」
「マジかー」
流石のニホリもそこまではな・・・。元々ダンジョン内の知識って話だったし当然っちゃ当然だけど。
「はぁ。しょうがない。探すか」
「頼めるか?」
「あったらダメなのかい?」
「一応、ダンジョンがあったら報告しなきゃいけないしな」
中にさえ入らなければ危険性はないに等しいが、万が一があっては遅い。すでにダンジョン発見から半年くらい経つけど、その辺を断定するのはまだ早いだろう。
それにしても、ここまで来てまたダンジョンとは。
しかも、中で戦うわけでもなく、ダンジョン自体を探す羽目になるとは。さすがに勘弁してくんないかねぇ




