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86話

夜分一話です

「るーるるー」


「うーううー」


「クゥ♪」


「・・・それ何の歌?」


「・・・う?」


「る?」


「クゥ?」


「ええ・・・」



チームのんびり。本来はここにしーちゃんと時々バトちゃんも入るんだけど今日はいません。

我々はお庭で焚火中。ニホリとピッちゃんが枝を集めて、ふーちゃんが火をつける。そこに俺が芋を入れての焚火会。

じゃがいももいれたし、サツマイモももちろん入っている。



「でもジャガイモ食べるの俺だけだしな」


「うー!」


「るー!」


「お前らは焼き芋好きなだけじゃん」


「クゥ!」


「・・・まぁいいけどさ」



ジャガイモまで食べてたらお昼食べれないとのこと。その通りなんだけど、サイズは小さいんだから行けるのでは。

まぁ余るってことはない。なんせうちにはいっぱい食べる子いるし。最悪、すらっぴに任せれば時間をかけて食べてくれるだろう。



「それでも残ったら・・・親父だな」


「う?」


「食べれるだろうよ、親父だし」



母さんは見た目通りの小食・・・いや、女性の平均的な量を食べるだろう。

親父は筋肉だからかなり食う。最近は事務仕事ばっかりでなまったとか言ってるけど、俺は知っている。休みの日にこっそりダンジョンに潜っていたのを。

そんなわけで、見た目通りの大食漢であるから芋食って夕飯食うくらい余裕だろう。



「そもそもコロちゃん達は食べるのだろうか」


「るる?」


「いる・・・てかダンジョンだしな」


「うー」


「だってな・・・ちょっと運動って行くのは違くないか?」


「クゥ・・・」


「元気余ってるってか、持て余してるというか」



危ない階層は行かないだろう。しーちゃんとコロちゃんがいれば危ない階層ってほとんどないんだけど。



「帰ってくるのかねー」


「・・・?」


「あらユニちゃんおはよう」


「うー」


「るー」


「クー」


「・・・」



挨拶の代わりに頭をみんなにこすりつけている。まだ寝ぼけているようだ。



「ご飯は食べたか?」


「・・・?」


「だめだこりゃ。あったまってくか?」


「・・・」(コク


「じゃあこっちな」



普通動物って火は怖がるものだと思ってたんだけどな・・・

ふーちゃんは自分が魔法で使ってる分気にしない、コロちゃんとしーちゃんは気を付ければ危なくないってことがわかってる分大丈夫だ。

でもそうじゃない子、ピッちゃん以外は結構近づくのを嫌がる。俺が近くにいれば問題ないんだけど。


そして、このユニちゃんも例外。

最近初めて見たはずなのに怖がらない。火に関してだけではなく、なんにでもそうなんだが。

鈍いのか、それとも知能が高いが故なのか。理由は不明だが、何を見てもあまり反応がない。

一回聞いてみたが、みんなが平気なら平気だと。俺たちを見て判断しているらしい。周りを見れる分は知能の高さの裏付けなんだろうけど。だからってマジで反応ないのはなぁ。



「まぁいいか。おお。やっぱり暖かい」


「う」


「る」


「クゥ」


「・・・?」



ユニちゃんにみんなでよっかかり。体温が暖かいのと、割と長い毛がいい感じ。



「ユニちゃんも芋食べる?」


「・・・!」


「おう。焼き芋と焼きジャガイモ」


「・・・?」


「あれ、焼いたのって初めてか。ならいい経験だな」


「うー」


「・・・」(コク


「偉い偉い」



なんかこう・・・ユニちゃんくると急にほのぼの勘が増すというか・・・俺の気が抜けるというか・・・



「まだ赤ん坊だもんなぁ」


「う?」


「るる?」


「いや。ユニちゃん生まれて数週間よ」


「う!?」


「お前動物園いたやろがい」



なんで驚いてんねん。



「うー・・・」


「まぁ馬だし?」


「う」


「ユニコーンだけど。親は馬だし」


「う?」


「・・・まぁ普通はもっと小さいわな」



体格的にはすでに大人だしなユニちゃん。



「でも内面は子供だから。ニホリはお姉ちゃんになる」


「う!?」


「るー?」


「クゥ?」


「お前らもそうだぞー」



末っ子組・・・末っ子が複数いるのはおかしいんだけど。まぁとにかく年下組的には気になることのようだ。



「新しく来てもお前らより年上の時多いしな」


「う」


「る」


「クゥ」


「動物って意味ではふーちゃん以降は初めてだったしなぁ」



一番最近来たのはふーりんちゃんなわけだが、あの子はいろいろ特殊だしな。

その前はしーちゃん。すごく大人。

そんなわけで、動物って意味でも、新しい子って意味でも少し久しぶりだったな。

普通に考えたらかなりハイペースでペット増えてるなあの家とか思われそうなものだが、まぁうちだからってことでだーれも気にしない。

おかげでいろいろ都合がいいのはたしかだからな。



「じゃなきゃ狼とかユニコーンとかと一緒に入れないもんな!」


「う!」


「爺様ばあ様もいろいろくれるしな!」


「る~」


「・・・!」


「おろろ。小鳥も寄ってくるとは」



俺の前の火が見えんのか。

あ、ふーちゃん。加減だけ見といてくれ。



「ほーれほれ。こっちこっち」



指と声でこちらに誘導。ユニちゃんの上とかに乗っておけば大丈夫だろう。



「る~」


「大人気やな・・・」



ピッちゃんの周りに鳥がいっぱい。突かれることはない。周囲に鳥が丸まっているってだけなんだが。

なんか最近、こういう風景よく見るな。



「そんなことを考えてたら猫まで来てしまう」


「にゃー」


「にゅー」


「ふーりんちゃんはおかえり」


「に」



のらちゃんたちに紛れてうちの子がいた。いつの間に・・・



「じゃあみんなは・・・俺のニホリの周りでいいか。ふーちゃんはこっちね」


「「「「にゃー」」」」」


「う~」


「クゥ♪」


「おお。意図せずしてモフモフに囲まれてしまった」



天国か何かか。



「・・・」(ジー


「・・・」(ジー


「・・・」(ジー


「・・・ぴ?」


「ききー・・・」


「・・・はっ!!」



コロちゃん達が帰ってきていただと・・・?

しかもあの目は、やっぱりモフモフなら何でもいいのねって目してる!!



「その通りだ!」


「・・・ワフー」


「ぴ!」


「きき!」


「うぼあ」



すらっぴとバトちゃんの体当たり。後ろにユニちゃんがいる分なんとか衝撃を自分だけにとどめるように受け止めるけどイタァイ!!



「微妙に痛いんだぞ!」


「ぴ??」


「いや、ダメージはない」


「ワン」


「・・・コロちゃんも来る?」


「・・・」(プイ


「ガーン」



コロちゃんにそっぽ向かれた・・・

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