85話
なんと来週から勤務時間が変更に。一時間後ろになるんですけど、投稿的な問題はないと思います。
あ、お昼一話。夜一話です。
普段の俺の生活として、朝は・・・そこそこ普通の時間に起きて、朝ごはんを食べる。
てかまぁみんなと触れ合ってるか、ダンジョン関係の何かをしてるかの二択だな。
そこで、俺が普段どんな感じでみんなと触れ合っているか。
コロちゃんの場合は、散歩したり庭でボール遊びしたり、今ならちょっとした戦闘訓練したりって感じが多い。
体を使って遊ぶ場合はこんなんだな。
体を使わない場合、基本寝てる時は俺がコロちゃんの近くにすり寄って寝転んだり、コロちゃんが俺の隣に来て寝そべったりと寝てる場合が多い。
個人的に好きなのは、コロちゃんの手を後ろから持って俺の膝の上に座らせること。うちに来た当初は割とすぐに逃げちゃったが、最近はもうあきらめたのか抵抗しない。
嫌なら辞めるが、恥ずかしくて逃げるだけでうれしいらしい。実際、しばらくやらないとせがまれる。
まぁコロちゃんはそんな感じ。他の子も暇があれば伝えよう。
さて、なぜこんな感じの事を言ったのかと申しますと。
「・・・」
「・・・ワフ」
コロちゃんオン俺。
後ろから肩に手を乗せて顔を頭の上にプットオン。俺は胡坐の状態で固定。
そしてそんな状況の俺たちを見ている三崎さん。
「・・・逆でね?」
「・・・ワフ」
「落ち着くそうですね」
「正解だ・・・」
三崎さんもなかなかわかるようになってきたなぁ・・・ってそうじゃない。
さっき言ったのと逆じゃない?なんで俺が前?
「てか立ってて疲れないんですか」
「ワフ」
「いい眺めって言ってます」
「正解」
元々三崎さんの今の成果を確認するためにうちに来てもらったんだが、なぜかこんな風に。
最初は普通に座ってたのにいきなり立ち上がりこうなった。
「この状態はいつまで続くご予定で?」
「・・・ワフ?」
「いや別にいいんだけどさ」
「・・・ワン」
「ならこっち来なさい」
「あれ。最初は嫌なの?で・・・うーん?」
「二回目は普段のがいい、ですよ」
「ああ~」
セリフ解説をしながらコロちゃんを俺の膝に移動。
器用に俺の脚の間に座る。そしてそこを俺が後ろからお腹を見せるように持ち上げてコロちゃんはお尻で着席。
今度は俺の頭がコロちゃんの頭の上に乗った形になっている。腕は腕の下。おなかの部分に回して固定。コロちゃんは完全に俺に体重をかけているので楽そうだ。
「その恰好が?」
「はい。俺とコロちゃんのフェイバリットポーズ」
「バン君達にもあるんでしょうか」
「バン君は仰向けで寝てるときにお腹の上に乗せると喜びますよ」
「へぇー。・・・あれ?」
モグ三兄弟はみんなで固まって寝るのがお好み。猫饅頭ならぬモグラ饅頭。
「それにしても、三崎さんも結構わかるようになりましたね」
「そうですか!!」
「はい。あれくらいわかれば日常生活には支障ないと思いますよ」
「生活には?」
「戦闘中なら完璧な理解があった方がいいでしょう?」
「まぁ・・・たしかに・・・」
「あと、早口の時とかいろいろあるんで先はまだ長いっす」
「そうですよね~」
普通に英語覚えるようなもんですし。まぁ難易度ははるかにこっちの方が高いけど。
これに比べれば外国語なんてお茶の子さいさいよ。実際俺は英語そこそこできるぞ。
「文法もクソもないですし」
「ワン」
「なんなら大体多くて5個くらいしか発声しませんしね」
「不思議ですよね」
「なんなら野生の狼はもっと高い音出すんで人間には聞こえませんよ」
「コロちゃんは出せないんですか?」
「出せますよ?三崎さんがいるからそっちで話さないだけで」
「え?」
「実演してもいいですけど、俺とコロちゃんが無言で見つめあうだけなんで」
「あれ?恭輔君も話せる・・・?」
「ちょっと前から耳もよくなってまして」
「ええ・・・」
ご近所迷惑にならなくて便利ってわけですね。
あら、この話したのは・・・親父か?
「ほら、レベル上がれば出来るようになりますよ」
「いや、それは何か違う気が・・・」
「そうでもないですよ?」
「そうなんですか?」
「ええっとですね」
レベルが上がって強くなるには経験を多く詰まなきゃいけない。
苦労した分報われるって言うのが最近わかりやすく伝わるって気がついた。
それで、俺の聴力なんだが、別に最初から上昇してたわけじゃない。
事の始まりはバトちゃんがうちに来てから3週間くらいの時。
その時ふと思った
あれ?コウモリって超音波使えるよな、バトちゃんも使えんじゃね?
あれ?それを俺が使えれば戦闘で便利でね?と・・・
「そんな感じで聞けないかなって毎日ちょっとずついろいろやってたら出来るように」
「ええ・・・」
「最初はバトちゃんに鳴いてもらったり、コロちゃんに鳴いてもらったり」
「基本鳴いてもらったり・・・」
「モスキート音もどうかと思いましたけど、あれ関係ないなって思って辞めました」
「本当にいろいろやったんですね」
「まぁつまり。聴力だって身体能力なんですからやれば伸びる」
「言われてみれば確かに」
「五感だって伸びるんですよ」
俺はやってないけど、たぶん視力だって伸びるんじゃないだろうか。何したらいいかはわかんないけどさ。なんだろう、遠くのものを見るとか?ブルーベリー食べるとか?
でも別に、攻撃食らっても痛覚というか、触覚?は変わらないんだよなぁ。また別の方法じゃないといけないのか。判定基準がわからん。
「視力と聴力、あと第六感は伸ばしたいっすね」
「いや六感はちょっと・・・」
「あとは霊感」
「どこまで行く気ですか?」
「行けるとこまで行こうかと。この際」
人間の身体能力は総合面では基本的に他の動物に劣る。狼には俊敏性で劣るし、鳥に対してはそもそも飛べない時点で負けてる。ん?別にいいのか?
あとはゴリラとかには筋力で負けてるし、人間に近いって言われてる猿にだって速さで負けている。
そういう面で言えば、人間はダンジョンに潜るうえで他の動物より不利と言える。
コロちゃんとか見てるとよく実感する。スキルの効果もあるのだろうが、『高速化』がなくてもコロちゃんは俺より強いだろう。基礎の素早さの時点で大きな差があるのだから。
最悪『魔刃』さえあれば何相手でも戦えるだろう。
「だからその分は埋めたいなって」
「・・・でもそれってコロちゃん達も強くなりますよね」
「・・・」
「・・・」
「・・・さ。次はユニちゃんのところ行きましょうか」
「流された!?」
「・・・」
「・・・」
「あの・・・・」
「はい?」
「話してます?」
「・・・話してるじゃないですか」
「まったくわからないです・・・」
うーん?ユニちゃんは梅子の言葉。馬の言葉がわからないし話せないけど。俺の言葉は普通に伝わる。
三崎さんの自己紹介も聞こえてたし、返事もしてた。
なのに今は聞こえない?
「じゃ、じゃあもう一回」
「・・・」
「・・・?」
「・・・あ!ちょっと聞こえました!」
「・・・お前、声小さかったのか」
「・・・」
「ああ、確かにねっさんとかは声大きいかも」
「そうなんですか?」
「順番で言うとねっさん、すらっぴ、ふーちゃんって感じですかね」
なるほど、俺は耳がいいから聞こえてただけか・・・。
ああ、ここで変化を感じるとは。
「とりあえず三崎さんは明日から聴力トレーニング開始で」
「うわぁ・・・」
やること増えましたけど、大丈夫ですよ。そのうちできます。そのうち。
おまけ
三崎さん帰宅後、再びコロちゃんを俺の足の間において座る。
ようするにさっきのやつ。俺の好きなポーズ。
「ところでコロちゃんや」
「ワフ?」
「なんでこれが好きなの?」
「・・・ワン」
「ほほう・・・」
暖かいからってさ。
「俺もあったかくていいぞ」
「ワン・・・」
「あと匂いもいい」
「ワフ!?」




