82話
今日は休むといったな?
いや、思ったより時間取れたから投稿しただけですはい・・・
あ、一話だけです。
コロちゃん枕の編から一週間後
「ようこそ~」
「う~」
「・・・?」
「こっちはお母さん。俺にとっての梅子的な人」
「・・!!」
「おお、似てるのか」
「何が似てるの?」
「母親の雰囲気だってさ」
「あら~」
「うー!」
「ニホリは前もあってるでしょう」
そう、今日はユニコーンちゃんのお迎えの日。
親父の指定した、というより、いろいろな準備を最短で終わらせてすぐに迎えに行った。
梅子にはちゃんと時々顔を見せることを約束したから定期的に行くことになった。
お迎えには車・・・とはいかない。てか普通の車に入るサイズじゃないのだ。
競馬の馬なんかを近くで見るとわかるが、彼らは大きく筋肉も多い。ちょっとした小型車より大きいんじゃないか?
流石に子どものこの子はそこまではないが、それでも入らないから馬を遠距離に運ぶときの車両を借りてそれに乗せてきた。
運転は親父、俺はこの子と一緒に後ろに乗ってた。
本馬にうちに来る不安はないかを聞いてたんだが、むしろ俺のそばは落ち着くらしい。梅子から離れるのは少し寂しいが、仕方のないことだと理解もしている。
ちゃんと会いに行くことも伝えたが喜んでいた。そうじて、不安などは感じていないらしい。
「・・・?」
「んん~。これからは話せるようにもしていく?」
「???」
「だって今のままじゃ俺しかわからないんじゃ・・・」
「ワン」
「コロちゃん?」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「ワン」
「え・・・え!?」
今コロちゃんは話してなかったよな!?いや、ユニコーンちゃんは確かに伝えようとしてたけど!!
驚いてるから、伝わった!?って驚いてるから!!
「うーん?」
「うー?」
「ええ・・・」
コロちゃんの理解力は53万らしい。なんの数値だそれ。
「ううーうー」
「言われてみれば・・・」
ニホリ曰く、コロちゃんは猫もカンガルーも誰でも話せるじゃん。
確かにそういえば・・・普通だと思ってたけど実は違う・・・?え、どういうことなんだ・・・。
「そこのところはどうなんですか?」
「ワフ?」
「うーんわからん」
「うー」
「・・・・?」
「みんなは俺の『テイム』の影響か・・・それは想像できてたけどさ」
スライムもコウモリもネズミも普通はこんなに会話しないしな。あ、でもネズミはおしゃべり多いかも。
でもコロちゃんはもっとずっと前から話せてたよな。まるで狼版の俺みたいだ。
「・・・長くなりそうだから話変えようか」
「ワン」
「ところで母さんとあの子は?」
「う」
「ワン」
「うん?」
「あら~」
「・・・・///」
「仲良くなるのはやぁい」
「うー」
「ワン」
俺も人の事言えないらしい。
いや待て、俺の場合は話せるからできることであって、母さんはそういうのちゃんとできるわけじゃないんだぞ?
明らかに俺よりすごいでしょ。
・・・ああ、これが血か。
「俺のこれは母さん譲りだった・・・?」
「う?」
「親父は・・・多分身体面に・・・」
あんまり受け継ぎませんでしたけども。その分は姉ちゃんが吸い取ってったから結果的にはOK。
ただ姉ちゃんはもうちょい頭脳面の才能を親父からもらうべきだったと思うんだ。
いや、大学は結構偏差値高いところ出てるから悪いわけじゃないんだけどさ。
「そんなこと言ったら俺高校中退・・・」
「・・・ワン」
「通信制でも出た方がいいのかな」
まぁ出てないよりはいいだろうな。もし将来的に大学入るってなった時には便利だろうし。
あ、でもそれだったら試験受けて高校卒業できる程度の学力を認めてもらった方が速いな。今からでも取れるだろうし。
「今度調べるか・・・」
正式名称すら知らんレベルだしな!実際にどのレベルの試験なのかなんてもっと知らない。
「だが今はあの子の事が優先だ!」
「ワフー」
「うー」
「・・・?」
「お名前どうするの?」
「・・・どうしよ」
一応名前の案はあるんだけどなぁ。どうも俺のセンスも日に日に母さんに似てきた気がする。
「そう考えるとふーりんちゃんはよくできた名前であると自画自賛」
「にゃ?」
「いや、おっふ」
名前を呼んだ瞬間に二階から飛び降りる猫。ふーりんちゃん。跳ぶじゃなくて飛ぶだ。精霊だしね。
「に?」
「・・・?」
「・・・にー」(ピョーン
「・・・!」
「にゃん」
「・・・」
「な・か・よ・し」
頭の上にONしてネコライダー。ちょっとふーりんの顔は誇らしげなのはなんでだ。写メろう。
「お名前は・・・コーンちゃん?」
「それだとふーちゃんが想像されるからなぁ」
「・・・クゥ?」
「呼んでないよー」
「クゥ!」
ほら、狐ってコーンってイメージあるでしょ?あんな正確にコーンとは鳴かないけど似たような声は出すぞ。
てかうちのふーちゃんは「クゥ」だしな。
・・・そういや、あいつ、最近俺に何言っても伝わるからって適当に鳴いてる節あるからそろそろ注意せねば。
「ちな、俺の考えたのはユニちゃん」
「あら~。可愛いわねぇ」
「でもこれだと別の存在が浮かぶ・・・」
でもこれ以上って浮かばない・・・いやね?別にこういう感じの名前にしなきゃいけない縛りはないのよ。
ただ基本的にみんな難しい名前つけて呼んでも、・・・あ、僕?みたいな感じで反応が悪いんだ。
出来れば簡単な名前にした方がすぐ覚えるし、後みんな戸惑うんだよね。
「そういや、うちの子ってラブとか、そういう感じのありがちな名前の子っていたことないような」
「だってみんなわかってくれないんだもの」
「そういう?」
近所にはハッピーってゴールデンレトリバーはいるけどさ。ああいう名前の子っていないなぁ。
「・・・」(クイクイ
「ん?どったの?」
「・・・!!」
「ほほう。ならそれでいいか」
「ユニちゃんでいいの~?」
「らしいわ。わかりやすいって」
「なら決まりね~」
親父が帰ってくる前に決まった。まぁ本馬がそれがいいって言ってるしな。
そんなわけで、梅子の子供の名前はユニちゃんに決定。白い体毛に黄色に光る角。まさにユニコーン。それを示すのにはちょうどいい名前でしょ。
多分親父と姉ちゃんにはまたそのまま・・・とか言われそうだけど。
あ、名前で思い出した。
三崎さんのところにいるモグラ三兄弟。彼らは長男から太郎次郎三郎だ。こっちも十分そのままな気がするけど、姉ちゃん曰く、二人より100倍マシとのこと。解せないねぇ。
「じゃあ名前も決まったところでユニちゃんのお部屋にご案内~」
「うー」
「ワフー」
「・・・♪~」
部屋ってか、ユニちゃん専用の小屋って感じだけどさ。暖房完備のすごい施設だ。
研究所の予算からお金出てるからかなりいい設備にしてやったぜ。
え、なんでお金が研究所から出るのか?
一応、研究目的でうちに来たことになってるし、何ならすらっぴ達もそういう名目だしな。
これだと上から何か言われたらみんなを手放さなきゃいけないと思うだろうがそれはない。それがあったら大暴れして日本から出ていくってあらかじめ伝えてあるし。
戦車どころか、戦闘機すら倒せそうな俺を止めようと思うと周りの被害が大きいだろうしな。そんな無茶はしないだろう。
してきても勝つけどな。あと、外国からはいつでも来てくれって言われてるし。
俺が抜けた場合の損失もかなりの物になるだろうし、代わりを用意できるまでは大丈夫だろう。
「ま、それ以上に強くなればいいだけだな」
「う!」
「ワン!」
「そうだな。よし、明日からはまた頑張るぞ!」
何があっても守る。一番強くならなきゃいけないのなら、なってやる。
まぁそれでも・・・
「楽しくなくちゃ意味ないけどな」
「う」(ガク
「ワフー」
「・・・?」
なんだよお前ら。いいだろう楽しいのは。余裕があるってわけなんだし。




