81話
本当は昨日は一話だったけど予約投稿の日付間違えるって言うね。だから昨日も今日も二話投稿
次の日にユニコーンがいてお母さまびっくり・・・ってわけにもいかない。
流石に次の日で連れてくるわけにはいかないのだ。馬だからってわけじゃないが、こちらにも準備がある。
まぁ小型の動物なら即日引き取りで問題ないんだが。ある程度の物はあるわけだし。
「それで、ユニコーンを見たご感想は?」
「やばい」
「うん?」
「マジやばい」
親父の語彙力がお亡くなりになっているだと・・・?
確かに空想上の生物の中でもかなり有名な存在ではあるが・・・
「うちのすらっぴだって負けてないぞ!」
「ぴぴ!」
「・・・すらっぴは・・・なぁ?」
「わからんでもない」
「ぴ!?」
だって初対面って確か、母さんにすぐに餌付けされてた姿ですよ。そらなんかいろいろ台無しですわ。
俺とだってなんか後ろについてきた子犬みたいなものだったし。てかそれどころじゃなかったけどさ。むっちゃ遅かったすらっぴが懐かしい。
「こんなにも早く動けるようになっちゃって」
「ぴぴ!」(シュンシュン
「これは反復横跳びか?」
「いや、横に転がってるだけ」
「わかりにくい!!」
すらっぴは進化しても水まんじゅう。要するに、どっちが顔とかわかんない。むしろ上下も分からない。
転がられると俺も一瞬どっちかわかんないし。
「お前も大きく・・・はなってないか」
「ぴ?」
「そういやさ、今更なんだけど、進化って何?」
「ぴー?」
「そらお前は知らなさそうだしな」
「そもそも、この子のは進化じゃないんじゃないか?」
「どういう意味で?」
「言葉の意味的な話だ」
「ああー。なんだっけ。環境に適応するために時間をかけて変わることとかだっけ?」
「正確には違うが、まぁそんなものだ」
「確かにこいつら一瞬で変わっちゃうしな」
前回とか俺が寝てるときには終わってたし・・・。
なんなら本人も気がついていなかったみたいだし。自分の体のことだろうに・・・。
「ええ・・・」
「いや、自分の体が液体ならワンチャン・・・?」
「ぴー」
「いやないだろ」
「うー!」
「ご飯だそうです」
「行くかー」
「ぴぴー!!!」(コロコロ
なぜ俺の上からわざわざ飛び降りて転がる?運んだ方が楽だろうに・・・
「まさか、ニホリがグラタンまで作れるようになってるとは・・・」
「すごかったわよ~。まな板とか浮いてたもの」
「んん?」
なにか料理において衝撃的なことが聞こえてきたがまぁいいだろう。多分スキルだろうし。
・・・そっか『浮遊』ってそういう使い方もできるのか。
「あ、これって料理に関して抜かれた?」
「あら?恭輔グラタン作れなかったの?」
「作れるけど・・・浮かないしな」
「それもそうねぇ~」
「いや料理にそれは・・・」
なにか親父が言っているが、料理にも芸術点が必要だと思うんだ。
火を噴く、見えない速度で切り刻む、水洗いが美しいとか。あれ、全部できそう。
「あ、そうだ。ユニコーンちゃんの話だけどさ」
「・・・うちに呼ぶのは来週以降だぞ」
「それはわかってるよ」
流石にいろいろ準備が追いつかないわ。
「ええー。どうせならすぐに来てもらいましょうよ~」
「母さん・・・」
「流石マイマザー」
いろいろぶっ飛んでるだけあるぜ・・・。
よく考えなくても、ふーちゃんもいきなりだったし。みんな知らないだろうけどコロちゃんも来たときはいきなりだったな・・・。
「そういえばそうだったな・・・」
「思い出すと、あの時からコロちゃんは大人だったような」
「恭輔はすぐにべったりになったわね~」
「まだ子犬・・・子狼だったしなー」
コロコロしててまさにコロちゃんだったな。可愛かった。
「あ、今もコロちゃんは可愛いぞ!」
「ワン!」
「恥ずかしいって~」
「・・・今のはあってるのか?」
「あってた」
「なんでわかるんだ・・・?」
これ何回言ったかわからないけど、母さんだからとしか言えないなぁ。
コロちゃんが来たときは・・・もう何年だ?
俺はまだ中学生だったはずだけど・・・まぁそれくらいだった。
あの時期にちょうどうちにいたペットがいろいろあってみんないなくなり、俺はかなりさみしかった。
そんな時に来たコロちゃん。当初子犬と勘違いしていたが、それはまぁ可愛がった。なんなら休みの日とかはずっと一緒にいたレベル。
散歩もご飯も何もかもを俺が世話してたからな。常に一緒にいたといっても過言ではない。
「今も一緒じゃないか?」
「そりゃな!」
「ワン」
「おお、珍しくコロが自慢げだ」
ある程度大きくなってからは寝るときも一緒だった。小さいときは潰しちゃうかと思ったから流石に辞めといた。寝相はいい方なんだけどね。
「あ、お皿片づけた?」
「ワフー」
「そうかそうか」
「うー?」
「ワン」
「う!」
「ぴ?」
「ううー!」
「ぴぴ!!」
「「「ちゅちゅ」」」
皆はもう食べ終わったようだ。お皿をみんなで手分けして片している。
ピッちゃんは皿洗い担当なのでキッチンからちらっと顔を出してきた。呼ばれたと思ったのだろう。
「みんないい子だよなぁ」
「そらね!」
「すごいどや顔」
私が育てました。
「・・・でもこれが普通ではないんだよなぁ」
「まぁ普通は自分の使った皿片さないでしょ」
「そこなんだ」
「うん」
「なんで出来るようになったんだ?」
「・・・え、今更」
「ちゃんと聞いたことなかっただろう」
確かにちゃんと話してことはなかったが・・・
「そんな大したことないよ?」
「そうなのか?」
「だって教えただけだし・・・」
「それで出来るのか」
「まぁ俺の場合はだけど」
俺はみんなの声を聴きとれるだけでなく、俺の意思を伝えることもできる。
だから教えるのもだいぶ簡単だ。これをやってくれと言えば伝わるし、やり方を教えるのも簡単簡単。
躾もなんならやっちゃだめなことを教えるだけだし、怒ることもあんまりないなぁ。
「ほらね?」
「言われてみればお前もおかしかったな・・・」
「おかしいて」
自分の息子をおかしいて。
「失礼しちゃうよなー」
「ワッフ」
首下をすりすり、耳もすりすり、おなかもなでなで。
そうするとコロちゃんはあっという間に寝転んでリラックス~。
「ハッハッハッハ」
「・・・・このまま寝ていい?」
「いいわよ~」
「ウイ」
コロちゃんを撫でるのは決して辞めないが俺も寝転ぶ。
こうしてみると、大きくなったなぁ。
来た頃に比べたら本当に成長してるよ。いろんな意味で。
「今じゃみんなのリーダーだ」
「・・・ワフ?」
「ふへへ。これからもよろしく」
「ワン!」
「じゃおやしみー」
「ワン!?」
コロちゃんを抱き枕にしてるけど、まぁいいよね!




