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77話

この話を書いてて、いい加減前に書き直すとか言ったやつ書こうかなとか思いました。

「嫌でござる」


「まぁそうだよなぁ・・・」



何故いきなり拒否から入るのか。


ものすごく簡単に、いろんなものを端折って言うとテレビの取材が研究所に来るから出てくれない?とのこと。



「絶対に嫌でござる」


「なんだその口調」


「侍」


「ええ・・・」



大体、出るのだったら俺じゃなくてもいいだろう。

姉ちゃんたちのチームは基本キレイどころの集まりと言ってもいい。テレビ映えもいいだろう。

自衛隊から来てる人たちっていう点も含めてそっちの方が適していると思うんだけど。



「まぁそうなんだが・・・」


「何が目的ー?」


「うー?」


「ニホリもこう言うておる」


「んー。まぁそこまで深い理由はないんだが」



そもそも今回の取材も、世間の声が大きいというかなんというか。

魔石の研究に関してはちょくちょく発表が行われている。そんな中で、その恩恵を受けたい人間は後を絶たない。

中には研究所に直接来る人もいるくらいには多い。

特に美容、医療にも使えるとわかった時はえらいことになってた。マジで暴動になりかけたしな。


まぁそんなこんながあった。

それから少し時間が経ち、再びその熱が再発した。それを少しでも逸らそうと今回の取材になったわけだ。



「ていうか、大丈夫なのか?」


「別に知られて困るようなことはしてないしな」


「まぁそれもそうか・・・」



やってることっていえばダンジョンの中から俺や姉ちゃんたちが持ち帰った物の研究がメインだ。

魔石もやってはいるが、それは別の場所でも行われている。

ここでやってる魔石の研究は主にダンジョン内での使用を想定している。まぁ俺とかの補助装備の開発になるな。この間のゴーレム籠手がいい例だな。



「もう一個の方とか俺も知らないしな」


「それはそうだ。うちだと俺しか知らないぞ」


「うー?」


「ああ・・・。トップシークレットってやつ」


「うー」



でも世間の人が知りたいのは魔石のことだ。うちのじゃ違う気もするんだが。



「言っただろ、逸らすためだって」


「・・・あ、はぐらかすのか」


「そういうことだ」


「ふーん・・・。で、なんで俺が出るって話に」


「・・・魔石の量が問題なんだ」


「量?」



魔石はダンジョンでとれる。今となっては誰でも知ってる常識だ。

だが、ボスを倒して宝箱を得るといったことまで知っている人はいない。

多くの量が取れないことは説明しているが、それを信じていない人も多い。

ようするに、政府や関係者が、自分たちの都合のいい人間に回しているから我々に魔石が来ないと、そう本気で言っているのがいるってのが問題なわけで。



「実際に、何個かはそうやって流れてるわけだしな」


「うわ」


「引くな引くな。俺のせいじゃない」


「それはもちろん」



そんなことはわかっている。そんなことする親父ならもっと前に殴ってる。



「うん!?」


「それでもまだ取材に受ける理由にしては弱くね?」


「実はな、もう一つ取材が決まった理由がある」


「ほう?」


「魔石の情報が一部マスコミにバレた」


「・・・はぁ!?」


「一日の量と、その魔石の大きさはバレたな」


「マジで何やってんだ!!」


「俺のせいじゃない!!」



どうも研究所のメンバーではないが、関係者の一人がうっかり漏らしたそうだ。



「そいつは既に処罰されたがな」


「・・・大きさって、どの階層?」


「・・・22層」


「俺の最高到達層!?」



本当にやらかしてくれたようだ。



「お前、最近テレビは?」


「見てない。てか、元からあんまり見てないし」


「うん?そうだったか。まぁ最近じゃそれのニュースばっかりだ」



しかも、そのニュースを受けて他の国でも動きアリ。

魔石のサイズから、おおよその階層も推定されているそうだ。その情報が日本に伝わりさらにヒートアップ。

それだけ大きなものを何に使っているんだ!と、そんな感じらしい。



「ちなみに、22層到達は今のところお前だけみたいだぞ」


「その情報はどこから」


「まぁどこの国にも口が軽いのはいるわな」


「最低だな」



どこにもいるもんなんだな、そういうのって。



「ん?それでなんで俺?」


「いや、純粋に出てみないかってだけなんだが」


「絶対に嫌でござる」


「戻ってる戻ってる」



俺はもうそういうのはしないって決めたんです(固い決意)



「じゃあ予定通り、藤岡さんたちに頼むか」


「最初からそうしなさいよ」


「んー。まぁあとはお前の顔を売ることで余計なちょっかいを減らせないかとも思ったんだがな」


「ええー。別にいいよわざわざそんなことしなくて」



大体そんなにちょっかい掛けられてるわけじゃないし。来ても俺を直接どうこうすることはできない。不可能なわけで。



「そういえば、ちょっかいかけてくるくせに俺がどれくらい強いのかって知らなかったの?」


「みたいだな。自分のところよりは強いのは知ってたみたいだが」


「へぇー。そこはバレてないんだ」


「そもそも、お前の到達階層は基本的に本当に上の人間にしか報告してない」


「おん?」


「あっちとしても、魔石があればいいわけだからな。すべてを知るのはごく一部ってわけだ」



なるほど、そういうからくりだったか。

道理であの連中の護衛は弱いわけだ。数ばっかりでどうしたいんだと思っていたが。



「あんなのいくらいても無駄なのになー」


「うー」


「ちなみにどれくらいのがいた?」


「うーん。オーガよりは強くなってたかな。それでも確実に10層は超えてない」


「・・・なんか、お前と比べると嫌に弱く聞こえるな」


「普通に考えたら、弱くないんだけどな」



オーガだって普通の人間なら何人いようと殺せるだろうし。銃も禄に効かないし。そう考えると、あのレベルを護衛に出来るんだからまぁまぁすごいんだろうな。



「戦車とかが護衛にいるみたいなもんだし」


「・・・お前の場合は?」


「ええーわかんないよ。・・・ああ、でも戦車とかだったら100いても負けないかも」



戦闘機は機動力的に無理か・・・?爆撃されても壁で止められるだろうからダメージはなさそうだけど。



「藤岡さんたちなら100人はいける・・・?」


「どんだけ強くなってんだお前」


「無限に出てくる敵を2時間くらい倒し続けるくらいには?」


「わかんないねぇ」



自分の強さって例えにくい・・・。ていうか既存の敵でもわかりやすく伝えるのは難しいわ。

兵器でもミサイルとかだとわかりやすいかもしれないけど、その程度ならどうにでもなるからあまり適さない。

そうなると俺の知識ないで例えるのはむり~。



「藤岡さんに聞いた方がいいかも?」


「そうするか」


「俺の戦力把握も仕事でしょ?」


「・・・そうなんだがな」



あんまり乗り気じゃないらしい



「それはそうだろ。なんで自分の息子を危険物扱いされねばいけないんだ」


「実際危険物だしなぁ」


「うー?」



しかたのないことだ。俺の希望通りに強くなるってことは、俺の危険度が上がるってことだ。

今でさえすでに誰にも止められないのではないかと言うところまで来ている。

どうにもならないにしても、どうにかいろいろ考えなければいけない人もいる。ただそれだけだ。



「銃を持ってるなんてレベルじゃないしな」


「それでも、不愉快なものは不愉快だ」



これは俺が親じゃないからわからない感情なんだろう。自分の子供がそう思われる大人の感情は。



「俺もいつかわかるんかねぇ」


「・・・できれば早く孫は見たいな」


「ほれ、孫」


「うー!」


「・・・心配だ」


「結婚とかマジで想像できねぇ」



そもそも彼女ができることすら想像できないんだが?

今はみんながいれば十分だしなぁ・・・



「う?」


「愛い愛い」


「・・・本気で大丈夫か?」



まぁそのうちな。そのうち。

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