表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/567

76話

夜分の二話です。

最近ちょくちょく感想もらえてうれしいです

「森を燃やせー!!」


「クゥオ!!!」


「燃えてるのはトレントだけど!!」


「クゥ!!!」


「メェ・・・」


「ワン・・・」



今日も今日とてトレントを燃やす毎日。敵が尽きず、しかも勝手に向かってくる。逃げるときも足が遅いから安全。近距離で戦えば苦戦するからいい感じに経験値も入るぞ!。



「でもふーちゃんは大しておいしくないよな」


「クゥ?」


「例えただけね?。食べないでね?」



絶対体に悪いから。コロちゃんでも爪で攻撃するだけで噛みつかないし。


ちなみに、おいしくないのは経験値的な話な。魔法だと一方的に倒せちゃうし。大した魔力を込めなくてもふーちゃんの『火魔法』で倒せちゃうから・・・。



「ていうか俺のでも一発なんだよなぁ・・・」



地味に家から遠いんだよ・・・。まぁ新宿行くよりは近いんだけどさ。家のに比べたらどうしてもなぁ。

歩いて徒歩ゼロ秒とかマジでなんだあの良物件。


あ、ボスのビッグトレントに関しては一定距離まで近づかなければ反応しないのだ。

昨日とか20分で倒せたから今は戦ってもかなり余裕を残せるんだけど。


倒し方は簡単。

トレント本体のどこかにあるコア部分。まぁ魔石だったんだけど、その部分を上手い具合に攻撃できればすぐに終わる。

ただ毎回位置がバラバラなせいでどうしても探す時間がかかるのだ。運が良ければ5分で倒せるぞ。

魔石部分も木で覆われているのでそこは削る。バトちゃんとコロちゃんの攻撃だといい感じに削れるのだ。ていうか、えぐれる?。

すらっぴの『溶解液』でも問題なく溶ける。ちょっと時間がかかるが消費が少なくていい。



「ちょっと休憩!!しーちゃん!!!」


「・・・めぇ」



しーちゃんが落とした雷が広範囲でトレントを焼き払う。最大範囲の攻撃で俺達を巻き込むが、そこは俺の魔法でカバー。周囲を土で覆てしまえばオールオッケー。

黒こげの状態でまだ形が残っているが、芯の部分から焼かれているのでこれで倒せている。まぁ焼いた判定なんで何も落とさないのがちょっとあれだけど。



「これ以上持って帰れねぇよ」


「めぇ?」


「いや、もういいかな。すでに今日だけで30本近く持って帰ってるし」



一本あたりが3メートルくらいの丸太でドロップするトレントのアイテム。

これが持てるんだが、でかいからかさばっていっぺんに運べない。だからコロちゃんとしーちゃん、俺が台に乗せて引っ張って行っている。

入口までもっていけば後は担当の人が勝手に持ってってくれるからそこはいいんだが。



「でも面倒な物は面倒じゃない」


「ワン?」


「何度も言うが辛さはゼロ」



だって所詮木だし。



ああ、そういえば。前に貰った防具品一式なんだが。まぁサラマンダーの防具。正式に作られた物は耐火性防護服。

火に強いのはもちろん。服としても耐久性に優れ、動きやすい。将来的に消防や警察にも提供したいと考えているそうなそんな服。

俺が貰ったのはもっとアーマー的と言うかなんというか。ちょっとゴツイやつだったんだけど。今はその服になっている。

ちなみにゴツイやつはなぜ没になったか。簡単に言うと着心地最悪だったから。蒸れるし。


後はゴーレムの籠手か。

あっちはあれでいい。ていうか、完璧だった。一度魔力を通してしまえばずっと固定化が続く性質。魔石の魔力効果増幅の性質が非常に相性がよかったのだ。

どれだけ雑に使っても壊れない。そもそもメンテナンスも最低限でいい。欠点としてはちょっと重いかもしれないことだが、レベル持ちにとっては問題ないだろう。

既に俺の魔力を込めた籠手を藤岡さんたちも使っている。

身体能力が足りてればゴーレムはおろか、さらに上の相手でも殴り勝てる。丸山さんと姉ちゃんはかなり気に入っているようだ。



「クゥ~」


「はいはい。抱っこ?」


「クゥ!」


「な~る。これか」


「クゥ~」



トレントがしーちゃんの魔法で 周囲30メートルくらいは何もいない。

この状態だと遊んでいいと学習してしまったのか、大体これくらいにジャーキーを欲しがる。

完全に油断だからよくないんだけど・・・



「・・・」


「お前がいるとなぁ」


「ワン?」


「頼りになるなぁって話だよ」



案の定コロちゃんの索敵能力の高さがそれに一役買っているのだ。

俺もレベルが上がって五感が鋭くなってきたが、コロちゃんは俺の比じゃないくらい成長してる。

元々鼻も耳もよかったんだが、最初じゃトレントの事が匂いなどでわからなかった。

しかし今は違う。トレントの数や出現位置。なんならどこを攻撃すれば一撃で倒せるかも分かるようになった。

弱点に関しては五感じゃなくて野生の勘的な何かだと思うけども。



「しーちゃんも食べる?」


「めぇ」


「うーんあんまりお肉好きじゃないよねぇ」


「ワン?」


「そりゃ生態的な話なんだろうけどさ、一応モンスターなわけだし」



大体俺はしーちゃんを羊扱いしてるけど、やっぱりモンスターだなって思う時もある。


そもそも見た目も微妙に羊じゃないしな。

どの辺がというと、まずこの子毛玉っぽいんだよね。丸まるしてる感じ?。普通の羊も十分モフモフなんだがそれ以上だ。

だってもっと丸いんだもん。足がちょこっとだけ出てるからなんかゆるキャラ感強いんだよねぇ。


漫画だったらふわふわ~とか効果音付きそうな感じ



「なのに攻撃はえげつないしな・・・」



なんか前もこんなこと考えてた気がするが、しーちゃんの攻撃は基本は魔法だ。『雷魔法』。

雷という性質上、非常に攻撃力が高い。ふーちゃんの『火魔法』と遜色ないレベル。範囲では圧倒的にしーちゃんのほうが強いんだ。

おそらく、しーちゃん自体が特殊って点が大きいんだと思うんだが、それを引いてもうちじゃあトップの火力持ちだろう。

コロちゃんとねっさん、ふーちゃん以外は火力と言うよりは、工夫で殺傷力を上げてる感じ。

そんなことしなくても火力が出るタイプに比べるとやっぱり見劣りするしな。



「こんなにもふいのに」


「めぇ」


「ええでしょう。さして重くないでしょ?」


「・・・めぇ」


「連れてってー」


「めぇ・・・」



うーん癖になるこの感触。あったかくて寝そう。



「ワン」


「めぇ」


「・・・君ら仲いいね」



年長組は仲いいらしい。年長というか大人組?。

精神年齢的な高さなんだけど、この二匹は本当に大人だ。コロちゃんは面倒見のいい狼。しーちゃんは一歩引いて見守ってくれるタイプの羊。

ただし、俺がべったりくっつくと引きはがそうとしてくる。



「俺にもやさしさプリーズ」


「めぇ?」


「ワフ」


「めぇめぇ」


「ワン」


「・・・めぇ」


「なんだ今の会話ぁ!!」



今完全に手のかかる子供に対する対応みたいな反応だったぞ!!。

クソ。こうなったらこうしてやるぜ。

サッと背後に周り、お腹に手を回して・・・



「・・・ワン?」(プラーン


「秘儀:抱えコロちゃん」


「・・・」


「・・・」


「クゥ?」


「コロちゃんからいい匂いがします」



お日様の香り



「あ、このまま運ぶわ」


「ワフ!?」


「・・・めぇ」


「ワン!」


「めぇ?」


「・・・クゥーン」


「照れるな照れるな」



コロちゃんが人間だったら赤面間違いなしだな。

でもしっぽブンブンだから喜びを隠せてないぞ。


あ、後でしーちゃんも抱えようそうしよう。



「めぇ!?!?!?」


「クゥ?」


「めぇ・・・」



しーちゃんが何かを感じ取ったようだが、気にしない方向で行こう。

後で絶対に抱っこする。



「クゥ!」


「ふーちゃんも後でな!」


「むる!」


「ふーりんちゃんも後で!」


「むふー」



ふむふむ。俺モテるな・・・。うん?



「・・・ふーりんちゃんいつからいたの?」


「うぃる」


「あ、ピッちゃん達待ってるのね」



遊びすぎたか・・・



「じゃあちょっと走るか。よっこいしょっと」


「・・・・ワフ?」


「いや放しませんけど」



走るんならお腹抱えるやり方だと走りにくい。だからお姫様抱っこ形式に変更する。

これで問題なく走れる。コロちゃんは放す選択肢は?と聞いてくるがそんなものは存在しない。



「あ、ふーちゃんはしーちゃんに乗って。ふーりんは・・・」


「あー」(ピュー


「・・・速いのね」



流石精霊・・・物理現象関係ない子はいろいろ不思議だねぇ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ