67話
この短さは久しぶりな気がする。
2話投稿です
さてさて、久しぶりに研究所と思いきや?
「珍しい珍客。お?意味がかぶってるな」
「る?」
「いや?。どっちかというとピッちゃんがお世話になってるかな?」
「るる?」
「そうそう、その人の親。何しに来たんだか」
ほいほい動ける人でもないだろうに。フットワークの軽い人だこと。
会議室にいるっぽいな。気配の強さから判断して藤岡さんもいる。こりゃなんかあったか?。
「いやー、行きたくないねぇ。行かないと怒られるけど。・・・しゃーない行くか」
「うー!」
「ノリノリだね~」
俺は若干逃げたいが
「おお、来たか!」
「ドーモ。お久しぶりデース」
「そっちのお嬢ちゃんは初めましてだな!」
「うー?」
「わしか?わしの事はせんじぃでよいぞ!」
「うー!」
「わっはっは!。なんと言っとるんじゃ?」
「ニホリです。って自己紹介してるよ」
「そうかそうか、よろしくのぉ」
「うー!」
この人が我らがスポンサー様だ。せんじぃと呼んでと言っているが、俺もその名前以外知らない。
なんせ初対面でそういわれたしな。とりあえずそう呼んでる。
親父はちゃんと名前を知っているみたいだが、まぁいつものことながら聞く気がないのでそのままだ。
だって本人の希望だし。
「それで、大人が雁首揃えて、せんじぃまでいて。なんかあったの?」
「いんや、なんもないぞ?」
「ただ、顔を見に来たそうだ。近くに来たからと」
「なんてややこしい真似を」
気配で察知できる分、前もってわかっちゃうからいろいろ考えたというのに。
「ほほぉ。そんなことまでできるんか・・・」
「割と前からできてた・・・って、報告書とか読んでないの?」
「実際に聴くのと読むのじゃ違うじゃろ。読んではいたが、実感わかんし」
「ああ~なんとなくわかるかも」
「じゃろ~?」
「でも誰もお付きの人とかいないけど、大丈夫なの?」
「・・・まぁいいじゃろ」
「ダメな奴かこれ」
「連絡はしてあるから大丈夫ですよ」
「おお!さすが大門君じゃ!」
自由か。・・・自由だわ。
この自由なお年寄り、俺たちのスポンサーをやるだけあって金は持っている。
だが、何をしているか教えてくれない。聞いたところで詰まらんぞ?とか言って逸らされるのだ。
ネットで調べれば出てくるんだろうが、まぁ話したくない物かと判断して調べてない。
今回は興味あったけど、思いやりでやめただけだから(震え声
「それで、いい加減そっちの子も紹介してくれんか?」
「ん?・・・ああ、ピッちゃんか」
「るる!」
「おお、本物の妖精とは!」
「まぁ驚くわな」
「死ぬ前にやりたいことの一つが埋まったわい・・・」
「死ぬ前に妖精に会いたかったの!?」
「そりゃ会いたいじゃろ!」
「ちなみに他にやりたいことは?」
「エベレスト登頂」
なんなら明日にもできそうな気配あるんだが?。
元気もりもり爺さん。御年85歳。ちょーげんき。
「最近は魔石のおかげでさらに若返った気分でなぁ」
「え、使ったの?」
「おう。ちょっと腰をやった時にの。あるなら使おうと」
「一応貴重品なんだけど?」
「ええじゃないか。安全なのはわかったわけだし」
「いや、それって若い人が使った結果で・・・」
「わし若いもん」
「もんって・・・」
いい年こいたじじいが、もん。なんて言うなよ。
「まぁそれでこっちも研究が進んだって話だからあんまり強くも言えないだよな」
「それでいいのか親父」
「本人がいいならいいじゃろ」
「問題があったら遅いって話なんだが?」
「わかっとるわい」
本当にわかってるのか怪しいもんだけど。
「それで?。本当に何してきてたの?」
「本当に会いに来ただけなんだと」
「マジでよく簡単に動けるな」
あの人偉いんじゃないの?。
既にせんじぃは帰ってる。帰る際にニホリに羊羹をあげてたが。
「うぐうぐ」
「おいしい?」
「う」
「これマジなやつだ」
「高いんだろうなー」
俺も今は結構高給取りだと思うけど、流石にこれ買う気には・・・。ああ、でもピッちゃんとかも気にいるかも。
うーん・・・。
「そういえばなんで藤岡さん喋んなかったの?」
「・・・」(ポカーン
「あ、これ現実にいないやつか」
「どうも、知ってたみたいでな」
「ほー。藤岡さんがこうなるくらいの有名人・・・え、なんで俺知らないの」
「俺に言われても」
「・・・う!」
ニホリが手に持っていた羊羹を藤岡さんの口に叩き込んだ。口空きっぱなしだったしな。
「・・・おいしい」
「戻った」
「戻ったな」
「ハッ!。私、何かしてませんでした!」
「何もしてませんでしたよ?。立ってました」
「そうだな、立ってたな」
そういいながら親父も羊羹を頬張っている。いつのまに。
「うー!」
「あらくれるの。・・・あ、こういうことか」
「うー!」
「あ、え。ありがとうございます」
まぁ羊羹食えば落ち着くでしょう。