6話
「今日もダンジョンだー」
「ワン!」「ぴー!」「きー!」
「まぁその前にもろもろの確認です」
昨日ピザ食ってコロちゃん達洗った後は寝たからな。スクロールも何も見てないぞ。
「まずは・・・レベルか。お、6になってる」
順当にレベルは上がっているようだ。俺が6、すらっぴ5、バトちゃん4、コロちゃん8?
「え、コロちゃんマジ?」
「ワフ」
昨日の高速移動で殲滅が効いたか。てかまた強くなるのか?レベル上がってどれくらい強くなるのか知らんけど。
「そういや、武器とか欲しいな。殴るのはなんかな。魔法も使い放題ってわけじゃないし」
「恭輔?まだいるかー」
「いるでよー」
「おおそこか」
親父も起きていたようだ。一応休み扱いらしいのでまだ寝ててもいいだろうに。7時だけど。
「ほらダンジョン行くならこれ持ってけ」
「・・・鉈?」
「ああ、本当は邪魔な木の枝とかを切るものなんだが、ないよりいいかと思ってな」
「おお、ありがてぇ」
「あと服もこれ着てけ」
「おお、なんかテレビ番組でもジャングルとか行くとき着る奴」
「それでもないよりいいだろう。気をつけろよ」
「昨日母さんにも言われたよ」
「まぁお前ならその辺の見極めは大丈夫だろうが、油断するなよ」
「りょーかい」
思わぬ得物が手に入ったな。・・・でもこれどこから持ってきたんだ。
まぁいいか。とりあえずスクロールスクロール。一個だけ残すか
「今回のはー・・・」
『風魔法』と『硬質化』か。魔法率高くないか?これで三つ目だけど。こいつはバトちゃんでいいか。
もう一個は・・・俺かコロちゃんだけどな。硬質ってことは固くなるんだろうけど・・・スピード落ちたりしないよな?アニメでもそういうのあったよな。
「長所を殺さないって意味なら俺の方がいいか」
よし、取得完了。
・・・ほんとに手が硬くなってる。鉈の側面に手を軽く当てるとガンガン音がする。生身では絶対ならない音だな。力むイメージで硬くなれるな。腕丸ごとだと・・・
「あ、動きにく!コロちゃんにつけなくて正解だな」
「ワフ?」
「なんでもないぞー」
「ぴぴ?」
「ん、そうだな。そろそろ行くか」
サクッと行きますかね。
「どっちが扉だっけ?」
帰りもコロちゃんナビで帰ったから道覚えてない。
「ワンワン!」
「あ、あざーっす」
コロちゃんはわかるようで先に進んでいく。バトちゃんも今日はコロちゃんの上に乗っている。すらっぴは俺の頭の上だから重いけど。
「割と近かったのか」
「ワフ」「きー」
「ネズミは・・・出てくるのね」
広場に入ったとたんまた退路がふさがれ、ネズミが出てくる。何回も戦えるのか、一日一回か。どっちだろうか。
数は昨日と同じ30。相手になりませんな!
「コロちゃん。やっておしまい」
「ワオーン!」
五分後
「今日は少し働けたな!」
「ぴ?」「き?」
「わかってるよチクショー」
今回もコロちゃんがほとんど倒してしまった。しかもまた一匹取っといてくれてるし。
「ワフ?」
「何でもないぞー。強いなーお前は」
「ワン!」
宝箱は・・・出てきたな。中身も同じ・・・?あら、宝石の数が多い。あ、また五分未満のスクロールが。
「なんか実入りがいいな。周回したい」
毎回スクロールもらえるならうまいよな。スキルが増えれば手札が増えて強くなるだろうし。
・・・でも五分未満って簡単だよな?コロちゃんいるからか?
「さてさて、そろそろオープンザドアとしゃれこみますか」
金属でできている扉だが全く重くない。見た目より重くないってだけだが十分軽い。
少しずつ開け、先の状況をチラ見で確認する。・・・下に続く階段のようだ。
「次の階層へってことでよさそうかな?」
行かないって選択肢もあるけど、どうせなら行くかね。新発見を期待されてるし。気になるし。
最初の入り口にあった階段と同じで10段ほど降りると、そこには同じような洞窟が。
「マジか・・・景色変わらず」
「ぴー!」
「まぁ進むか」
少し歩くとさっそく発見が。ネズミが6匹群がっていたのだ。明るいので発見が遅れることがなくていいな。
「よし、コロちゃん」
「ワン」
「一匹残してな」
「ワン!」
コロちゃんが駆ける。相変わらず、すさまじい速さだ。
先ず一番手前にいたネズミを爪で切り裂く。血が飛び散り、そのネズミが絶命する。
他のネズミが動く前にもう一匹同じように始末する。残り四匹。
「ぴー!」
「きー!」
すらっぴとバトちゃんも魔法を使う。水の球と風の塊をうちだしている。風魔法はいまいちよく見えないが、なんとなく球状に見える。
すらっぴと同時に魔法を使ったはずだが、バトちゃんの魔法のほうが早く敵にあたった。
属性によって差がでるのだろうか。威力はどちらともネズミが一撃で倒れてしまうので比較できないが、心なしかすらっぴの魔法のほうがネズミを遠くに吹き飛ばしている気がする。
「ワン」
「終わったか」
コロちゃんも三匹目を倒したようだ。高速移動チートだな。強すぎるわ。
「チュー!」
「なんか想像通りの鳴き声してるな。ネズミらしさというか」
「ギー!」
「え、声変わった・・・」
なんとなくショックを受けるんだが。昨日数が多かったといえ少しやばいかとおもったネズミに対して、ここまで余裕を持てるのは間違いなくコロちゃんの存在のおかげだろう。
まぁ絶賛噛みつかれてるんだけど、『硬質化』の影響でほとんどきいていない、軽く洗濯ばさみで挟まれてる程度かな?
「何気にこのスキルもチートなんじゃね?」
「チュー」
「疲れてる」
いくら噛んでも効かないからか、それとも硬くなっている影響か、ネズミは噛み疲れたようだ。
「ワン?」
「いやどうしよ・・・」
疲れているせいかなんか弱ってる。・・・こういう姿を見ると倒しにくいな。
「連れてく?」
「ぴー」
「きー?」
「ワン」
上から、わかんない、ママに聞く?、いいんじゃねになっている。
なら連れてくか。
ポーン
『ビックラットのテイムに成功しました』
「おっし、成功。4匹目だな」
「ちゅー!」
ところで出会う敵、全部仲間にしてるけどいいのか?
まぁいいか。きっとどうにかなるし、最悪、母さんが面倒みるでしょ。
「ちゅ?」
「とりあえず、お前さんは・・・レベル3か」
コロちゃんのおかげで余裕があるからな。レベルはこっちが高いのか。
そういえばテイム失敗したことないけど、失敗するのか?
「その辺はおいおいかな」
「ワンワン!」
「はいはい、行きますよー」
「はい見つけました扉でーす」
「ぴー!」「きー!」「ちゅー!」
「いや、入りませんけど」
「ぴ?」
「まだ全然回ってないじゃんか。一周してからにしようぜ」
「ワン!」
「そっちか。てかよく道わかるな・・・」
「これで大体一周?」
「ワン」
「OKOK、ありがとさん」
「ワフー」
大体回り切ったところでコロちゃんをわしわししつつなでる。こうやってみると犬だよな。
一通り回ってわかったことがある。この地下二階は一階よりやや広い。敵の数も多かったがそれ以上に移動で時間がかかった気がする。一階の時の時間は見てないから感覚だけどな。1時間で回りきった。
「よし、それじゃあさっそく扉の所に」
「ワン!」
「行きません」
「ワン!?」
「いや、ネズミの名前決めてもらわないと」
「ワンワン!」
「後でもいいって?ダメダメ。拾ったら最後まで面倒みるんだから、名前は大事でしょ」
「(´・ω・`)」
「運動したりないって?まぁ一時間くらい休憩したらまた来るから我慢我慢」
「ワフー」
コロちゃんも納得してくれたので帰りますか。
え?すらっぴとバトちゃん?ネズミと遊んでるので聞いてませんね。
帰りますよー。