60話
我が家でもっとも食べ物の物まねが上手い子。すらっぴ。持ちネタは水まんじゅう(水色)
種族はハイスライム。最初はただのスライムだったが、突然進化。能力的に強化され、より魔法の凶悪さが増した。
性格は無邪気。食いしん坊。子供と言って差し支えない精神年齢だろう。
うちのメンバーの中でもっとも古株。一日二日の差ではあるが、ダンジョンで限定すれば、俺ともっとも付き合いの長い子であるのは間違い。
まぁ何が言いたいかというと、俺もかなりすらっぴについてわかってきたなってことなんだ。
「ぴ」
すらっぴ Lv45
種族 メガスライム
「・・・・」
「ぴ?」
「・・・・君いつ進化した!?」
訂正、やっぱりまだわかってないかも。
「うー」
「ええ~。先週ってマジ?」
「ぴ!」
「マジかよ・・・」
なんか寝てたら進化してたらしい。そんなのありか。
いや、進化してるのなら強くなってるってことだよな?。そんな感じは・・・
「ああ、コロちゃんか」
「ぴ」
「ここ一週間ほど無双してたしな」
そりゃ戦闘を見る機会はないわな。
あの蛇との戦いでの悔しさをバネに、コロちゃん大奮起。近寄る敵をばっさばっさと切り倒す。最終的に影も追えないくらいには速くなってたが。
リベンジは今度でいいやとのこと。まぁ23層行けば嫌でも会うだろうし。戦うだけならわざわざボスのところまで行く意味ないしな。
ああ、あれがいっぱいいるかもしれないのか。面倒な
「まぁすらっぴは今度確認するか」
「ぴ~!」
「うーう」
「まぁニホリも今度は教えてね」
進化してるって気づかないのもあれかもしれないけど、すらっぴ進化しても見た目に変化ないし。
前の時は中にあった核みたいなやつがなくなったからわかりやすかったけど。今回本当になんも変わってないんだよね。
「そういや、なんですらっぴしか進化しないんだ?」
「う?」
「あ、ピっちゃんも進化するのね・・・するの!?」
するのか。まぁしてもおかしくなさそうだけど。
あれ?しないのはバトちゃんだっけ?ねっさんもそうだった気が・・・
てかピッちゃんは聞いたことなかったのか?
「何基準で進化するしないって決まってるんだ?」
「う~」
「流石に知らないか。うちの面子だとピっちゃんとすらっぴ以外は進化しない?」
「う!」
「しないと。うーん。動物に似てる奴は進化しないのかな」
すらっぴもピッちゃんもザ・ファンタジーみたいな感じだし。その辺が基準か?。
その理屈で行くと、ゴブリンとかあのあたりも進化しそうだな。進化先のモンスターなんて見たことないけど。もっと下?
「そうなると、種族的にはむっちゃ強いってことになるのか」
気になるな。テイムしてまで確認する気はないけど。
あ、でも進化ってレベルじゃないっぽいんだよな。ニホリはそうじゃないって言ってたし。
詳しいことは聞かなかった。別に進化させたいわけじゃないし。したい子がいるのならさせたいけど。
バトちゃんは一応取ってあるスクロールに『悪魔化』があるから使おうと思えば使える。意思次第だ。
「でも絶対にコロちゃん達とかは進化しないしな」
「うー」
「そうだよなぁ。コロちゃんとか必要なさそうだけど」
「ぴ~」
「ふーちゃんもいらないって?・・・ああ、何気に魔法のスキル一番育ってるか」
コロちゃんは見事なまでに戦闘大好き狼ちゃんになってるけど。ふーちゃんは別にそういうわけじゃない。
じゃあなんで火魔法が育っているか。簡単な話だ。遊びで使ってるから。
今も庭の方ではふーちゃんの周りに火の球が5個浮いている。・・・あれはあったまってるだけか。周りに鳥も集まってる。あ、カラスだ。
「なんで鳥があんなに集まってるの?」
「う」
「ぴ」
「元々いた?」
え、そんなにいたっけ。スズメは何匹かいたの知ってるけど。
あ、カラスもいたか。あんまり数はいないし。ゴミあさらないから何してんだって近所で有名なあのカラス一家・・・
「ああ、あれか!」
「ぴ?」
「知り合いってわけじゃないけど。なんか前からいた」
別に餌あげたわけじゃないんだけどなぁ・・・。
「どこに住んでるんだか」
「ぴ?ぴ」
「山?・・・あ、ダンジョンの?」
「ぴ!」
「アハー。そこか・・・」
見つからないわけだ。あの山何気にちゃんと探したことないし。入ってもすぐにてっぺん行っちゃうからな。
ダンジョン出来る前からそこにいたって感じか。まぁダンジョンできてからもこっちに時々来てるってことは問題なかったみたいだけど。
「ご飯も山の中にいっぱいあるだろうしな」
あの山本当になんなんだろうね。熊とかいても驚かないけど。
「ま、ふーちゃんと仲いいなら何でもいいか」
「う?」
「まぁゴミあさったり、いっぱい仲間呼ばれたら困るけど。そうなったらどうにかするか」
かれこれ8年くらい問題ないけど。
「ずいぶん前に鷹がいた時あったけど、まったく争わなかったし」
「うー?」
「理由は知らんのよなー。聞かなかったし。仲いいんだなってくらいでながしちゃった」
あの時は聞いても完全に理解できなかっただろうけど。
確か、小学生くらいだったか。あの時はまだ感覚的にしか理解できなかったからな。
「・・・なんの話してたっけ?」
「ぴ!」
「ああ、進化か」
ぽよんぽよんって感じの効果音が流れそうな飛び方をしている。
「えっと?進化する子としない子。必要ない子の話だったな」
それでふーちゃんを見たんだった。鳥の話しちゃったよ。
「うちの子たちだと・・・あとはねっさんか」
「ぴ?」
「いや、ねっさんって、正直進化しなくてもこのまま順当に強くなれるじゃない?」
種族的なスペックは低いのだろう。速度以外はあまり強化された感じがないのだ。
そのかわり、スキルが異常に強化されてきている。
『分身』と『爆発』この二つだ。
『分身』使えば使うほど増やせるねっさんの数が増えていく。『爆発』は体力に比例して火力が上がるが、この倍率が上がっている。
最大数42体。これが全員でまとわりついて爆発とかすると大変なことになる。目の前がみえねぇ。
「それに、スペック低いって言っても、速いから問題ないし」
「うー」
「そうねぇ。ぶっちゃけ、進化してもすらっぴじゃ勝てないでしょ?」
「ぴー」
「相性最悪だしね」
バトちゃんは飛んでるから勝てるか?微妙なラインだ。
すらっぴとねっさんの相性の悪さ。なにより速度差がでかいのだ。
うちの最速は問答無用でコロちゃんだが、二番手はねっさんだ。なんと、『風魔法』で加速するバトちゃんより速いのだ。
まぁこれはバトちゃんが元々そこまで速くないって言うのがあるんだけど。実際、飛行速度は21層の鷹と同じくらいなわけだし。
とりあえず、ねっさんは速いのだ。その速度があるせいで、すらっぴの攻撃がほとんど当たらない。
当たったと思うっても分身だったり。一点集中の一撃必殺タイプのすらっぴとは相性最悪なのだ。
「まぁ身内で戦うことはないと思うからいいんだけど」
「ぴ?」
「そうそう、別に身内で順位を決めなくてもいいのよ。コロちゃんはわかりやすく強いってだけで」
「ぴ~」
「でしょ?あれだけ別格だよねー」
どうあがいても勝てないって思えるよな!。
「本当に、スキル相性って大事よな・・・」
「ぴー・・・」
「う?」
「わりと俺らもいいの持ってると思うんだけどなぁ・・・」
マジで勝てないと思いますはい・・・
これだけ書いた時期が他のと違うので話が微妙に違うかも?




