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58話

お昼分。1話だけ

「げっぷ」


「クゥワップ」


「げふー」


「ぴ~」


「ワフ」


「きき?」


「ちゅ」


「るる~」



俺のげっぷがうつったみたいだ・・・。



「あんたたち緩いわよね~」


「何を今更」



藤岡さんたちがうちに来た歓迎会として行われた我が家での夕ご飯。

明日には研究所の面子が似たようなのやるけど、親父が参加できないそうだからその代わりに今日やってたわけだ。

俺はみんなを連れて明日も行くけど。


今は食べ終わってみんなでぐだぐだ。寝転がってるのは俺とニホリとかだけだけど。



「クル~」


「バン君もいっぱい食ったか~?」


「クル」


「そうかそうか~」


「・・・あの~」


「なんですか~三崎さん~」


「ちょっとアドバイスが欲しくってですね」


「あ、まじめな奴か」



寝転がっては失礼か。ニホリが俺の上に乗っかろうとしてるし、今のうちにあぐらで座って・・・脚の間にニホリを置いて・・・。



「さぁどうぞ!」


「うー!」


「流れるように・・・」


「まぁいつもの事なので。あ、ふーちゃんはあとでね」


「クゥ~」


「見なくても分かるんですね・・・」


「いつものことなので」



大体、食後で俺がだらだらしてると来るしな。毎日それだからなれたものですよ。



「それで、聞きたいのはバン君の事なんですけど・・・」


「はい。なんかまた言うこと聞かないとか?」


「クル!」


「お前元気っ子だからなぁ」



俺のところにいたときも最初はいろいろ動き回ってたくせに。



「バン君はいい子なんですけど・・・問題は私で・・・」


「三崎さんの方?」


「実は、この子が何を言ってるのかわからないんです」


「ん?」


「恭輔君みたいに、『テイム』を持ってたらわかるかと思ったんですけど」


「あ~ね~」



そうきたかぁ・・・。なんとなく力になれそうにないの来たー。



「そういうの来ましたか・・・」


「なんとなくはわかるんですけど、細かいところまでわからなくて」


「例えば?」


「その日の食べたいものとか・・・」


「ああ、そういう。バン君や、明日は何食べたい?」


「クル~・・・クル!」


「さぁなんて言ってますか?」


「え!。えっと~・・・。卵焼き?」


「惜しい、ゆで卵でした」


「クル~♪」


「・・・まぁ毎回こんな感じで」


「なるほど?」



そこまでわかってればいいんじゃないだろうか。

確かに俺はちゃんとわかることは出来るけど、別に全部わかる必要はない。その都度聞きなおせばいいだけだからな。



「でも、恭輔君を見てたらうらやましくって」


「うらやましい?」


「この子たちとちゃんとお話しできるのっていいなぁって」


「んん~。そういうもんですかね~」


「恭輔君は、『テイム』を取ってから最初からわかってたんですか?。それとも、もっとレベルが上がってからですか?」


「ん?。別に『テイム』なしでもわかってましたよ?」


「・・・え?」



三崎さんは何を勘違いしていらっしゃるのだか。



「大体物心ついた時から大体はわかってましたよ?」


「え・・・え!?」


「ああ~。そういや。あんたそうだったわね~」


「あ、飲んだくれだ」


「だぁれが飲んだくれよ」



酒の匂いってコロちゃんが嫌いだから近づかないで



「弟がひどい・・・」


「知ってて飲むんだもん。たいして強くもないのに」


「いいじゃない・・・好きなんだから・・・」


「えっと、翔子さん?」


「ん~何~?」


「酔っぱらってるから大したこと答えませんよ?」


「んふ~。なんでも聞いて!」


「さっきの恭輔君の話って・・・」


「ああ!あれね!こいつったら昔っから動物と仲良かったからね~」


「・・・それだけ?」


「酔ってるから・・・」



確かに俺が昔から動物と仲がいいのは確かだ。

そのおかげか知らんが、昔からよく話してた・・・気がする。

自分でちゃんと動物の言うことがわかることを理解した時にはもう結構な少年でしたし?。

周りもそれを別におかしいとも言ってこなかったからそういうものだと思ってたし。



「・・・ごめんね」


「なんで謝られた!?」


「つらかったよね」


「待って三崎さん。頭撫でようとするな酔っぱらいか」


「はっはっは」


「笑ってんじゃないよアホ姉ぇ!!」



違うから、友達いたから!友達も変わってただけだから!!!













「恥ずかしいぃ・・・」


「ようやく誤解が解ける・・・」


「よく考えるとよく友達出来たわよねぇ」


「うるさいわ」



まぁ動物と会話してる子供ってかわいいかもしれないけど、同世代から見たら不気味だよな。

周りの連中はそれに構わず話しかけてきたけど。なんだあいつら。



「とりあえず話を戻して。動物の言うことの話ですけど」


「はいぃ・・・」


「とりあえず、恥ずかしがるのやめてくれます?」



いや、早とちりだし。確かに恥ずかしいかもだけれど。



「とりあえず!。何度も話してみてください」


「それだけでいいんですか・・・」


「ん~若干戻ってないけど。ええ。話すだけでいいです」



『テイム』のスキルを強くするって大体そういうものだと俺は思ってる。

毎回、テイムを使わないと強化できないとか不親切にもほどがある。だから、テイムしたモンスター、動物とのコミュニケーションでも十分だと俺は思ってる。

『テイム』は強くなろうが目に見えてわからないから確証はないけど。



「そういう意味では、俺は初めからそういう能力を持ってたって言えますし。『テイム』でその能力がよりはっきりしたものになった。ってことだと思ってますよ」


「なるほど・・・」


「クル?」


「お前もこれから、三崎さんにガンガン話しかけてけ~」


「クルル!」


「その意気だ。でもわがままはダメ」


「クル」


「よろしい」


「・・・出来る気がしない」


「え、そうです?」


「クル?」



そのうちできますよ。多分。

少なくともバン君は楽しみにしてるんで。がんばってください。



「それは自分で伝えろよ?」


「クル」


「今はなんて・・・」


「おしえませーん」


「クル~」



もっとお話ししたい!なんて、俺からはいってあげませんよ

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