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57話

「あらよっと!」


「シャァァァァ!」


「ガウ!」


「クォーン!」



22層フロアボス。それは大きな蛇であった。バジリスクでいいのかな?

主な攻撃方法は突進と噛みつき。それらを蛇特有の動きと俊敏さでおこなう。これだけでも十分脅威だが。



「シュー」


「う!」


「視界から外れろ!」



この攻撃だ。蛇の目が光始めたら。すぐさま相手の視界から隠れなければいけない。

詳細はわからないが、ニホリが言うには、あれに見られると固まってしまうのだとか。

今は後ろにいるしーちゃんに乗っているニホリが相手の動きを見て俺たちに教えてくれている。

ねっさんの分身には効果がないようで、その間にも近づいて爆発しているが。


回避方法としては、コロちゃんをはじめとした機動力が高い子は相手の前からすぐさまいなくなる。

俺やすらっぴはその方法はつかえないので、俺が魔法で壁を生み出して視界を防いでいる。


ただこの方法は一つ欠点があって・・・。



「シャァ!」


「おいきたぁ!」


「ぴー!!!」



こっちの視界もふさいでしまうので、こっちに向かってこられると反応が遅れるのだ。

なんとか避けられるが、食らったら俺はともかくすらっぴはまずい。一発で倒されるだろう。

それに、相手のサイズから考えて、俺を丸のみにできるだろう。そうされたらどっちにしろおしまいだ。



「ああ、クッソが!」


「ガァァァ!」


「シャァァ!」




俺やすらっぴが回避した後に、コロちゃんが攻撃するが魔刃もろくに入らない

何より厄介なのは、この防御力だ。

この蛇、全身が筋肉にでもなってるのか。コロちゃんの魔刃では鱗しか切れない。肉体はほとんど切れないのだ。

俺の持っている剣ならなんとかなるかもしれないが、そもそもスピードが違いすぎて攻撃が届かない。



「魔法も避けられるってどんな速度だよ」


「ぴ~」


「攻撃できてるのはコロちゃんとバトちゃんのみ。しーちゃんの雷なら届きそうだけど・・・」



しーちゃんはニホリの護衛がある。雷魔法は速度と殺傷性は間違いなくうちの魔法の中でもトップクラスだ。

速度においてはふーちゃんの火魔法を大きく超えている分。かなりの強さだ。


いっそ俺が護衛を変わるか?いや、その場合確実に守る方法が周囲を壁で覆うしかなくなる。壁を厚くすれば突進を止められるんだが・・・。

うん?厚くすれば?



「ああ!。そうすりゃいいじゃん!」


「ぴ?」


「いい案があるぜ!」


「うー!」


「その前に避けろぉ!」



地面に手を叩きつけて壁を出現させる。

通常の壁の厚さは大体速度重視で10cm。まぁ薄いわな。視界を防ぐだけならこれでいいんだ。

ただ、今回は厚さを2メートルほどにする。出現する速度は遅くなるが、下から徐々に出現させるようにして、俺らがかがめば視界から外れることは出来る。

そうすれば?



「ブシュ!?」


「ほほ~。変な声だ事。ついでに囲んじまえ」



こちらに突進してきたところに激突。急に壁が出現して、避けられずに顔面からぶつかった。

かなりいい感じに行ったな・・・。むっちゃ痛そう・・・。


まぁ動きが止まったので、その隙に勝手に動かれないように壁で取り囲む。

これで準備万端・・・!?



「復帰早!。一気にやるぞ!」


「ぴぴ!」「きー!」「る!」「めぇ!」「クゥ!」


「「「ちゅちゅちゅ!!!」」」



頭を強く打って悶えていたのだが、すぐに元の状態に戻ってしまった。

全身を使い、壁を上ってくる。


そうはさせないと、魔法か遠距離攻撃のできる子たちと一緒に攻撃しまくる。

水と風の刃が、火の球が、雷の一撃が、土の大槍が、ねっさんの分身×20が一気に蛇に向かっていく。

いくら意識が戻ったからといって、動ける範囲を狭くされた状態では回避はできない。


切り裂かれ、打ち抜かれ、焼かれる。

それでもまだ動き続ける。



「ああもう!。コロちゃん!」


「ワォォォォン!!!」



ワイバーン戦でも見せた高速スピンと全身魔刃纏い。これらを加速をつけた状態で突撃し、全身を切り刻む。

いくらやっても切ることのできなかった蛇の肉体は、ダメージの加算と勢いの付いた攻撃によってボロボロになっていく。



「これで終われぇぇ!!!」



コロちゃんが攻撃している間に、蛇の上空に、10メートルある蛇の全身を押しつぶせる巨大な岩の塊を作り出す。

コロちゃんが離脱し、蛇がもうほとんど動けなくなったのを確認し、それを落とす。


抵抗する力を完全に奪われ、死にかけていたところに落とされた巨大な岩に、蛇はあっさりと押しつぶされた。


押しつぶして数秒後、次の階層の扉の前に宝箱が出てきた。

倒せたようだ。



「ああ~。疲れたー」


「うー!」


「おおよしよし。今回はお前も大活躍だったな~」


「うーうー!」


「めぇ?」


「うー?。う!」


「めぇ」


「しーちゃんもありがとうな」


「めぇめぇ」


「グゥゥ」


「あら、コロちゃんは悔しかったか」


「ワン!」


「期待してるよ」



コロちゃんはどうも自分の攻撃がほとんど効かなかったのが悔しかったようだ。

まぁそうだろうな。今までコロちゃんの攻撃が効かなかったモンスターはほとんどいなかったのだ。

いたにはいたが、訳ありで効かなかったりとかそういうやつ。後は弱かった時の敵だ。

最近はそういうのに出会わなかっだので久々に苦戦していたな。

それが本犬的にはくやしいらしく、レベル上げ頑張ると言っていた。


こいつが頑張ると、俺たちに敵が回ってこなくなるんだけど。まぁいいか。



「さぁて、今日は帰るか~。さすがに下の階層であれとは戦いたくないし」


「めぇ?」


「行かないよ。さすがに苦戦しすぎた。こりゃ真剣にワイバーン周回を考えるべきか・・・」



現状、一回の戦闘で一番経験値が入るのは間違いなくワイバーンだろう。

一日一回だけだが、今までは戦ってこなかった。

安定して倒せるわけじゃないしな。すらっぴの攻撃が当たらないと時間かかるし。一回苦戦して以降は敬遠してた。



「そうも言ってられんかぁ・・・」


「う!」


「そうだな。がんばるかー」


「ぴ!」


「え。腹減った?・・・帰っか」


「ぴー!」

































「ういー。ただいまー」


「あ、おかえりー」


「ただいまー・・・?」


「おかえりなさーい」


「・・・なんでいんの?」


「いや、ここ実家だから」


「藤岡さんと三崎さんはなぜ?」


「お母さんにお呼ばれしまして~」


「ああ、そういう。丸山さんは・・・親父と買い物か」


「荷物持ちってわけよ!」


「クル?」


「バン君!」


「きゅ!?」


「相変わらずね・・・」



三崎さんのテイムモンスターのカーバンクル。バン君。命名俺。

ちょっと前までうちにいたんだが、用事も終わり帰ってしまっていた。

このうちの子たちにない可愛さは実にいい。持ち帰りたい。


・・・あ、うちここだ。



「あ、三崎さんこんにちは」


「お邪魔してますね。バン君も楽しみにしてましたよ」


「へぇ~。お前もそうなのか~」


「クル~♪」


「あれ?私といるより楽しそう・・・?」


「まぁ恭輔君ですしね」


「恭輔だもんな~。動物と仲良くなることにおいては最強よね」


「いえい」


「クル!」



まぁこんな風にうちにいない子にばっか構ってると、大体来るんだが。

そろそろか?



「ちゅー!」「ぴー!」」「クゥー!」「るー!」


「四匹いっぺんに来るのは不味くない!!??」



コロちゃんが来ていないから受け止められるけど!。


あれ。コロちゃん?



「ワフ」


「うー」(ペコリ


「お久しぶりですね~」


「なんていい子なの・・・」



なんか、藤岡さんに挨拶してた。ニホリと一緒にしてた。

姉ちゃんはニホリのいい子具合に驚愕してるし。



「あら~恭輔帰ってたの~?」


「あ、ただいまーおかえりー」


「おかえりーただいまー」



母さんも帰ってきた。親父と丸山さんは外で車から荷物を出しているのだろう。



「手伝うか。コロちゃんねっさん」


「ワン」「ちゅー」


「荷物運ぶぞー」


「お願いねー」


「・・・いいなぁ」


「・・・あれは見習わなくていいと思うけど」



姉ちゃんが三崎さんに何か言ってるが、まぁいいだろう。

動物に囲まれている俺をうらやましがるのは仕方のないことだしな!。


さっさと荷物運んでメシだメシ。

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