523話
この小説の一話目が投稿されたのだ22日なのでそこで一年目になります。
流石にそこできっかり終わらせるは出来ないですはい
「試したのか」
「はい。研究所の根っこをお借りしました」
「あれか」
『結果的には、あのくらいなら完全に枯らすまで出来ます』
「でも、大きくなればその分結界は大きなものを用意せないかんやろ?」
「はい。そこはこちらの私が」
『フンスフンス』
鼻息荒く胸を張る未来のヨミ。
既に準備は終わったのか?
『あ、範囲の把握が出来てるだけなので・・・』
「まだなんかい」
『仕上げが残ってるだけだから・・・』(震え声
だからこいつらも時間が必要ってことか。
まぁその様子なら、さっきいったタイミングくらいには問題なく行動を起こせるのだろう。
「あ。じゃあ私からも質問です」
「ん?俺か?」
「はい。恭輔さんの準備って、実際どれくらいで終わるんですか?」
「さぁ」
「はい?知らないんですか?」
「知らない・・・っていうか、予想がつかないんだよ」
これは未来の俺が何かやってるのが原因なんだけど。
当日やる事・・・未来の俺との融合なんだが、何やら未来の俺がボロボロになっている。
何かしらの無茶をして、明日に備えてるってわけなんだろう。
だが、それがどれくらい影響が出るか分からないのだ。
多分、あいつも分からないんだろう。
「だから、時間稼ぎは出来る限り長くが望ましい」
「・・・なるほど。でしたら」
『ええ。そうですね。増やしますか』
「おん?」
俺の話を聞いて、ヨミが分身を出して立ち上がる。
未来のヨミもそうだ。
「どこか行くのか?」
「はい。恭輔さんがそうなら、こちらもそれなりに備えておこうかと」
『まぁ今から出来る範囲でって感じですけど』
「出来るん?」
「まぁ正直大したことは出来ないんですけど」
『今の時点で完成形・・・というか、私たちの限界に近いので』
「だったら、今は休んだ方がよくないか?」
「ん~・・・まぁ当日どちらにせよ使い物にならなくなるので」
『はい。私たちが今休む意味ってないんです』
「・・・あんま無茶せんようにな?」
「わかってますよ。というか、こちらのセリフなんですけど」
「え」
「いや、お姉様。絶対に恭輔さんが危なくなったら飛び出すでしょ」
『そうですね。100%飛び出しますね』
「・・・それはまぁ」
「止める用の結界も用意しておきましょうか」
『頑丈なのにしましょうね』
「どこまで信頼されて・・・いや、信頼されとるんか?」
微妙な判断だ・・・
だが、その判断は正しいだろう。
フミがもし、現場に来た場合だが・・・俺に影響があるかもしれない。
未来を変えようとすると、元の結果に戻そうと反動が起きる。
その結果が、今の花の成長になっている。
だが、もし当日その場所にフミが現れた場合どうなるか。
未来では、フミが死んで地球が生物の住める場所ではなくなる。
その結果に無理やりするために・・・俺が無条件で暴走しかねない。
地球との繋がりがある限り、俺に対してそういったことが起きない可能性は否定できない。
いや、これは別にフミが来なくてもあり得る話か。
それが起きる前に、終わらせたいところだが。
「まぁそのための私たちなので」
『結局。問題が起きそうなのは私たちじゃなくて恭輔さんの出番なので』
「わかってるよ」
「だから。一番休まないといけないのは恭輔さんですよ?」
『ええ。だから今すぐその妙な魔力移動辞めてくださいね?』
「うえ。分かるのかよ」
『ええまぁ。というか、未来のあなたもそれやってますし』
「え?・・・あ、本当ですね。何ですその気持ち悪いの」
『何もない所から急に魔力が増えるとか今見てもちゃんとよくわからない』
「一歩間違えればキモ画像・・・」
「そこまでか!?」
「というか何しとるん恭輔?」
「・・・スゥー」
いかん
ヨミは分身を残してどこかに跳んでいった。
分身が雪ちゃんの送り迎えをするそうだ。まぁあの感じだと、まだしばらく遊んでいることだろう。
「人型も呼ぶか?」
「呼べるん?」
「俺も最近メルアドを聞いたから・・・あ、来れないのか」
というか返信速いな。
何やら取り込んでいるご様子。内容は聞いていい奴か?
「・・・はい?未来の俺が来てる?」
「え?女神たちの所おるん?」
「らしいけど・・・何か教わってるって・・・何を?」
未来の俺がわざわざこのタイミングで聞くことなんかあるのか?
いや。あるから来てるんだろうけどさ。
地球の記録を俺と違ってちゃんと見れるだろうに。
「そこを恭輔が知れたりせんの?」
「無理・・・かなぁ」
あれはあくまでも起きた現象とかを見る物だしなぁ。
なんでもってわけにはいかないのだ。
後なんか女神とかの事を知ろうとすると未だにノイズが入るから禄に見れないと言う。
「そもそも繋げるのも不安定ですし?」
「結局安定せんかったねぇ」
「あれはなぁ」
ある意味暴走に近いことを繰り返す必要があるしな。
俺が地球との繋がりをちゃんと認識・・・ああいや。繋げ方を知らないのが問題だしな。
正確には、繋げた時の加減が効かないってことなんだけど。
暴走すれば、そのあたりを無理やり知れるからな。まぁそこまでして使う気ないんだけど。
「そもそもの話。ダンジョンのことだって自分で知りたいくらいなのに」
「あー・・・そういえばそんなんあったな」
「最近ぱったり攻略も出来ないないけどな!!」
悲しいくらいに潜れてない。
何も考えずに未知を探してたあの時が懐かしいよ全く。
「まぁ全部終われば出来るんやから」
「その前にお前との約束が先だけどな」
「え?うち?・・・何かしとったっけ?」
「・・・子供」
「・・・あー」
照れてるのか、頬をぽりぽりと掻いて視線を逸らされる。
忘れてたというよりは、他の事があるから抜けてたのだろう。
「忘れてないからな?」
「うちも忘れてはないけど・・・//」
「けど?」
「こ、戸籍とか・・・」
「あ、その辺は大丈夫だぞ?」
「え?」
「既に手を打ってある」
花を倒すってことは、世界を救うってことになるからね。
だから俺のやる気の為に戸籍用意する程度なら簡単にやってくれるのよ。
「前払い報酬で」
「はい!?じゃあ・・・うち戸籍あるん?」
「あるある。というか、もう戸籍上でも俺と結婚してる扱いになってるぞ」
今までは俺が観察者兼保護者って扱いになっていた。
研究所に勤めているって形にはなっているから、その流れで俺は研究者としての身分も持っているのだ。
それを使って、もとい乱用してフミ達を俺だけの管轄にしていた。
まぁ強さって時点で俺を止められないから、ある意味でご機嫌取りみたいな部分も含んでいたのだろうが。
それが、今回正式にフミが世界で初めてモンスターとして日本国籍を手に入れたという形になる。
これは実は前から少しずつ話が進んでいたことではあるのだ。
フミやヨミのように、知性を持ち人間以上に賢いモンスターの存在がきっかけだ。
こういったモンスター達に対して、人間と同じ扱いをという主張を・・・なんと、うちの研究所のトップの人間がしてくれたのだ。
「・・・そういやそれで聞きたかったんやけど」
「ん?」
「その上の人て誰なん?」
まぁ基本会わないしな。俺も直接の面識はないくらいだ。
親父の上司に当たる人で、人柄は聞いているのだが。
「えーっとな・・・ああ、この人この人」
「ほぇ・・・ん?大臣さんって人なん?」
「それは役職だな」
鏡拓三
俺も詳しくは知らないが、現在環境大臣を務めている大物だ。
環境大臣の管轄なのかって話なのだが、どうも親父は前から知り合いだったそうだ。
その繋がりで、この人主導して自分の下に持ってきたらしい。
「なんとも頭が上がらないよ・・・いやマジで」
「あらまぁ・・・そんな偉い人やったんやなぁ」
いや本当にね・・・マジで俺好き勝手やってたからな。
まぁそれなりに恩返しじゃないけど。
真面目に色々発見とかはしてたけど・・・終わったらこっち方面でも少し頑張った方がいいのかまさか。
・・・あれだな。俺はダンジョン関連で頑張っていこう。
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