522話
本編完結まで行ったら季節外れのクリスマス回を書こうと決意
「まぁ恭輔の事は後で聞くわ」
「おかしい・・・」
別に怒られることはしていないはずなのにどうして・・・
「・・・でも私はちょっと知りたいです」
「ははーん?雪ちゃんいい子だね?」
「何言ってるんですか?」
『当たり前じゃないですか』
そうだなその通りだったわ。後でこっそり教えてあげよう。
「ちなみに母さんも時々やってた」
「えぇ・・・」
「血ですね」
「・・・まさかお義父様も?」
「いややってない」
まぁ気が付いたら本が増えてるくらい?
あ、でも俺が知らない研究室とかに増やしてたりするかも。
・・・いや、実はカブトムシ育ててたりするしな。
「なんで知ってんだ!?」
「あら親父。降りてきたのか」
「お客様だと思ったからな・・・いやそうじゃなくてな?」
「ん?カブトムシの事か?母さんも知ってるぞ」
当然姉ちゃんもな。
それを伝えたら何故か膝から崩れ落ちた。別に隠すようなことでもないだろうに。
「うち見たこと無いで?」
「そらまぁな」
コロちゃん以前の家族のお墓をみんなが知らないように、実はうちの庭は知られていない場所が多い。
というか、ちゃんとした広さって皆知らないんじゃない?
「そんなに広いんですか?」
「広いね・・・ちょっと歩いてみるか?」
「ぜひ!」
「・・・その前に一回掃除してからでいいか」
「あいあい。じゃあまた今度ね」
「はーい!」
「うー!」
む。ニホリも戻って来たか。気が付いたらテーブルには人数分のお茶とお茶菓子が置いてあった。
羊羹だな今日は・・・え、これ作ったの?やばいね。
親父はまじで掃除に行ったみたいだ。
そそくさと庭に出ていった。途中で倉庫の方に行ったから、掃除用具でも取りに行くんだろ。
「んで?そんなに庭広かったん?」
「広いよ。ただうちっぽくないからあんまり行かないだけで」
「ん???」
「雑木林なんだよ奥って」
親父達が計画的に植えた木々とは別に、元からあった雑木林があるのだ。
そこの中に、ちんまりと小屋がある。
親父的には秘密基地なんだろうけど・・・まぁ全員知ってるって言うね。
「って、親父の話はいいんだわ」
ヨミだよヨミ。雪ちゃんがどこまで知ってるのかは聞いたけど、他の事を聞いてない。
具体的には、こいつらが何をするかを聞いてない。
「あ、ニホリ」
「う?」
「雪ちゃんと遊んでていいぞ。後は俺がやるし」
「うー!」
「雪ちゃんも。良かったらニホリと遊んでやってくれ」
「わかりました!」
話を聞く前に、ニホリと雪ちゃんを遊びに生かせる。
その際に視線で頼んで、コロちゃんとねっさんにも付いて行ってもらう。
これで問題ないだろう。
「お前らはデカいことしそうだし知っておきたいんだけど」
「・・・え。誰が何やるか知らないんですか?」
「知らん」
俺は大体の役目は知っているが、そこで何をするかは聞いてない。
未来の俺から聞いた話から、必要な役目があるってことだけは知っているのだ。
・・・まぁ聞いたのはこの間の墓参りの時なんだが。
「未来の俺曰く、俺の・・・あ、俺って俺な?」
「わかってますよ」
「まぁ俺の準備が当日に完全に整うのに時間がかかるそうだ」
そこで、時間稼ぎの役目が必要になる。
そこは、亀と龍。そして他の皆がやることになる。
俺の準備が完全に整えば、花は俺単体でも倒せる。
だから、その準備が出来るまでが勝負なのだ。
「でも。俺も未来の俺もお前らがどのあたりで来るのか知らんし」
『・・・そういえば何も言ってないな私』
「そのせいだよ」
というか、完全に戦力として数えていなかったのだ。
こちらの時代に来ていたのも、個人的な理由で俺達の為ーとかではない・・・ってのが未来の俺の予測。
まぁ実際には違ったんだけど。
それでも、直接当日に何かするって言うのは誰も聞いてない。
だから戦力として数えるわけいかないってのもあるんだけどな。
「だから何するか教えなさい」
「『はーい』」
元気。
「とは言っても、実はすぐに参戦しない方がいいというかなんというか」
「はい?」
『いえ。やろうと思えば頭から参加できるんですよ』
「・・・一番効果が高い時が良いと?」
『その方が効率が良いって話ですね・・・後はまぁ個人的な理由で』
「ん?」
『あ、これは教えません。大事な理由なので』
「・・・雪ちゃん?」
「へ?私??」
『・・・まぁそれも含めてってところですね』
「一番気合が入る理由なので、ここぞって時に使いたいんです」
「・・・タイミング的には、俺より前か」
「はい。それは間違いないです」
『そうですね・・・最初は、あの神獣達ですよね』
「その神獣ってのが亀と龍の事だったらそうだな」
あとはハクコちゃんとフィニちゃんは・・・どうなんだろうな。
勘だけど、あの子らは最初になりそうだけど。
「じゃあその後・・・コロちゃん達は戦うんです?」
「・・・最悪な」
「わかりました。じゃあそのあたりです」
「分かった」
『・・・未来の恭輔さんには伝えないんですか?』
「会えたらな。というか、そのタイミングなら伝えなくてもいいはずだけどな」
これがだ、俺の準備が整った後とかだとちょっと考える必要もあったかも知れない。
「んで?実際何をする気なんだ?」
『花と星を切り離します』
「・・・はい?」
「ん??」
何かとんでもないことを言われたような?
話を聞くと、こいつらがやるのは花の弱体化になるそうだ。
前に言ってた、嫌がらせがしたいと言うのはそれになったか。
「何を・・・というか、出来るのか?」
「はい。ものすごく面倒な上に、ハチャメチャに疲れますけど」
「・・・大丈夫なん?」
『問題ないですよ。本当に危険はないんです』
「ならええけど・・・なんや、珍しい方法でもとるんか?」
「ん?なんでそう思うんだ?」
「いや、ヨミやで?」
「・・・ああ、もっと楽な方法が探さないのかってことか」
「せや」
「うーんこの評価」
まぁ妙だわな。
ヨミなら、効果が低くても楽な方を選ぶと思った。
だけど、今の感じだとものすごく疲れるけど効果は最大って感じに聞こえたぞ。
「それしか方法がないとか考えないんです?」
「「ないな」」」
「本当に私の評価どうなってるんです!?」
そんな感じだよ。
まぁヨミがこんなんってことは・・・その方法を選んだのは未来のヨミだな。
「何でだ?」
『・・・まぁ。あれですよ。私なりの意地ですよ』
「意地?」
『ええ・・・まぁあんまり深くは聞かないでください。キャラじゃないので』
「お前は知ってるのか?」
「はい。納得のいく内容で、確かにそうするだろうなって思いました」
「・・・よっぽどの事なんやな」
『ええ。少なくとも本気になろうってくらいにはマジです』
「・・・OK。なら聞かないよ」
キャラとか言っているが、単純に言いたくないんだろう。
恐らく、こいつにとってはそれだけ大事なことで、戦う理由なのだろう。
そう言うことなら、これ以上は聞くまい。
それに、それだけ大きな理由があるのなら、任せても大丈夫だろう。
「それで。どうやって花を弱体化させるんだ?」
「結界で、花だけを覆って地球との繋がりを断ちます」
「まぁ・・・それになるやろな。でも、出来るんか?」
それが出来るのなら、女神だってその方法をとるはずだ。
だけどしてないってことは、それだけそれを行うのが難しいってことなのだろう。
勝算があるのだろうか・・・?
「ありますよ?ねぇ」
『ええ。当然。自信満々ですよ』
・・・よっぽどの自信。いや、恐らく既に出来ると言う確証があるのだろう。
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