512話
地味にやりたいこととやるべきこととやろうかなってことがあって微妙に時間が足りてない!!
「あれ?ロラちゃんどこいった?」
「あれ?・・・ほんまやどこに・・・」
「」(タダイマ
「む。いつのまに外に・・・何かいたか?」
「」(フルフル
「・・・まぁいいか」
ふらっと散歩に行きたくなる時はあるよな。
それにしても、女神達・・・気を使われたということでいいのだろうか。
お昼の時間を節目に、あれらとは別れた。
というか、ダンジョン内の家に帰ったのだろう。
体を休めろとは言われたが・・・まぁな。
負ける気何てかけらもないが、もしかしたら、もうあまり時間がないのかもしれないからな。
今のうちに、甘えておけ・・・ってことでいいのかな?
「うーう」
「ん?どうした」
「う」
「・・・いいのか?」
「う!」
「ワン」
「コロちゃんまでか・・・じゃあお言葉に甘えて。フミ」
「うん?どしたん?」
「お部屋に行きましょう」
「・・・ほあ!?」
お誘いです・・・あ、何もしないからね?
恭輔が、フミを連れて部屋に戻った。
それを確認した瞬間に、ポヨネが音と力の感知を遮断する結界を張る。
中の音を遮断するのではなく、外からの音を入れない為の物だ。
「・・・う?」
「大丈夫です。これで何をして、部屋なの中には聞こえません」
「ワン」
「き!」
「クゥ~」
「・・・めぇ」
ふーちゃんが開けた窓からしーちゃんも顔をのぞかせる。
これから、秘密の特訓を開始するのだ。
とは言っても、そこまで音が出る物でもないが・・・
「それで?誰がやるかは・・・まぁ決まってますよね」
「ぴっぴ」
「るる」
「ちゅ」
「まぁコロちゃんですよね・・・後で怒られるだろうなぁ」
「うーうー」
「はぁ・・・そうですね。未来の私たちとは?」
「ワン」
「そうですか。準備は万端と言うわけですね」
これから、ある技の準備をするのだ。
その技は、文字通りの切り札。
想定通りになるのなら、未来過去関係なくどんな敵とも戦える、まさに最後の切り札。
問題は、使えるのは1匹だけ。
それはコロちゃんになったようだ・・・全員で、考えて決めたことだ。
ポヨネが、恭輔に怒られるかなと言ったのは・・・コロちゃんが作ったラインの件と同じだ。
使用者は大きな危険を伴いながら戦うことになると言うことだ。
コロちゃんだろうと誰であろうと、自分達がそんな危ない橋を渡ることを良しとはしないだろう。
技1つを使うのに、未来の彼らと言う存在も必要になると言うのがポイントなのだが。
それがないと、まだ出来ないのだ。
器が足りず、使うことすら出来ない。
未来の彼らがいても、危険な事には変わらない・・・
「まぁやらないって選択はないんですけどね」
「ワン」
「どうします?ハクコちゃん達は・・・」
「ワフ」
「そうですか」
この技に、ハクコちゃんとフィニちゃんは関わっていない。
力を共有するためのラインこそ形勢しているが、これだけは関係ないのだ。
これの理由をポヨネがコロちゃんに聞くとこう答えた。
彼らには、彼らの役目がある・・・と。
それが何のことか、ポヨネには分からなかったが・・・そう言うことなのだろう。
「ワン」
「わかりました。危なかったら止めますからね?」
「・・・ワン」
「無茶する気満々・・・誰に似たのやら」
恭輔とコロちゃんは、根っこの部分で非常に似ているが・・・全く似ていない部分がある。
恭輔は、自分の好きに。思うがままに行動することがもっとも力を発揮できる。
それに対してコロちゃんは違う。
コロちゃんが1番強くなるのは・・・ただ、自分の傍にいた家族の為に。
兄弟のように育ってきた彼の未来の為に、全身全霊でぶった切る時だ。
「・・・」
「・・・」
恭輔の部屋で、恭輔とフミが2人でいる。
フミの膝に頭を置いて、恭輔が寝ているのだ。
いきなり2人きりで部屋に呼ばれたから、もしかして・・・?と少しの期待と羞恥があったが、蓋を開ければこうだった。
ちょっとほっとしつつも、ムッとしてしまうのは仕方のないことだろう。
こういう瞬間に、自分が人間を好きになっているのだと実感する。
そんな瞬間が、フミは好きだった。
「・・・」(zzz
「・・・うへへ」
疲れているはずだ。
毎日訓練と言うわけではないが、1日1日の密度は濃い。
間に1日休んだだけで、疲れが取れるわけがない。
地球の未来とか、人類の問題がーとか色々あるが・・・まぁ恭輔には関係のないことなのだろう。
初めて出会った時からそうだった。
どこか、今まで見てきた人間とは違うところを見ている人。
最初は力が強かっただけで、興味を持ったのだ。
人間にしてはという言葉が付いてくるが・・・気が付いたら、目を離せなくなっていた。
そしてあの山で、手慰みに動物達をダンジョンにかくまっていると・・・彼が来たのだ。
直接見た時、思ったのは・・・脅威だということだ。
魔力も、身体能力も自分に比べたら大したことはない存在のはずだった。
だが、目の前にした時の存在の濃さとの乖離が、自分に脅威だと認識させていた。
後になって思うと、あれは彼の才能があってこその認識なのだと思う。
・・・いや、その先の力の形を、本能的に見たのがあれなのだろう。
だから知ろうと思って・・・知った結果離れたくなくなった。
どうしても隣に居たくて・・・その思いに気が付いてもらって。
今も、自分の為にこんなに頑張ってくれている。
「はじめは結構心苦しかったんやで?・・・まぁ知っとったやろうけど」
「・・・うみ~」
「はいはい・・・うちはここやで~」
未来の恭輔を見て、自分のせいでああなるのかと思うと・・・心が痛かった。
今の恭輔が、その見たいを回避するために焦っている様子を見て・・・どうしようもなくなってしまった。
離れるべきだと思った。でも、それをしても意味がないとも分かっていた。
恭輔が、その程度で離れてくれるわけないし・・・そこがいいところではあるのだが。
どこまでも探して、見つけ出してくれるのだろう。
だから・・・思い切って背中を押してみた。
するとどうか。あの一言がきっかけで、恭輔は明らかにいい方向に変わった。
実力も伸びたし、何よりあの焦った感じがなくなった。
余裕も持っているし・・・
「約束も・・・したしなぁ///」
子供を作る・・・それも本格的に。
モンスターである自分が、そこまで望めるとは思ってもみなかった。
恭輔と、女神の協力あってこその物だ。
それを聞いて、結局自分も離れたくなくなってしまった。
我儘なのかもしれない。でも、それでも・・・欲しくなってしまった。
まぁ、当日は一緒には入れないが・・・心は常に、彼と共に。
「ふふ・・・あれももう完成やしな~」
「・・・ぁぃ?」
「ん?起きてもうた?」
「・・・ああ、寝てたか。悪い」
「ええってええって。むしろどんどん寝た方がええねん」
「なんだそれ・・・」
声が聞こえたのか、恭輔が起きてしまった。
今度は、自分から体を預けてみる。
少し驚いた顔をするが、すぐに背中に腕を回して抱きしめるように抱えてくれる。
「・・・うちやっぱこれがええわ」
「そうか?・・・まぁ俺もこうがいいな」
「そうなん?」
「この方が、フミが近いし温かいし柔らかいし」
「・・・エッチや」
「そう言う意味じゃないわ」
そんなことを言ってしまうが・・・自分もこの方が温かくて好きなのだ。
よろしければ評価やブクマ登録お願いします




