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508話

今回の冬では雪が降るのでしょうか。

本編後くらいにそんな感じの話書きたいなぁとか思ってます

その戦いは、戦いと言うより踊りの様だった。


フミから見た感想だ。

お互いがお互いの動きを見て、その動きに合わせて動くからだ。

相手を出し抜こうって感じじゃないから、見ていて綺麗なのだ。


「・・・いやそれにしてもはっやいわ」

「ただいま~」

「あ、おかえり。いまええところやで」

「うん?・・・・え、なんで吸収まで出来てるの?」

「人型が教えて、あっという間に覚えたで」

「成長速度上がってない?」


つい数時間までとは偉い違いだとはフミも思っている。


フミ自身。恭輔と戦う時は全力ではない。

花と戦う恭輔にダメージを残すわけにはいかないというのもあるが、なるべく守られたいが隣には立ちたいという複雑な乙女心もあったりするのだが。

だが、今の状態の恭輔だと・・・戦うのならそれなりに覚悟がいるのだろう。


「うちの魔力取り込んでから、めっちゃ調子ええんよ」

「・・・も、もしかして・・・いや流石にそんな・・・でも恭輔ちゃんだし」

「え?原因わかったん?」

「・・・いやぁ」

「いやなんなんよ」


軽く引いてないか?そう女神に対して思っていると、強い衝撃がこちらに襲い掛かってくる。


「あら」

「おっと」


だがそこはフミと女神。ただの衝撃ならどうにでもなる。

女神はほほ笑むだけ、フミは衝撃波を足の一振りで相殺した。


「うーん・・・ちょっと結界張るわね」

「女神も出来るんか」

「まぁ正確には分けているだけなのだけれど」


領域の区別・・・それを行うために仕切りを作る。

女神が地球の管理を行うのに重宝している力だそうだ。

地味に研究家だった時代から持っている力だそうで、一番上手く使えると胸を張っている。


仕切りを作ったのは、当然恭輔と人型の為だ。

正確には2人のぶつかり合いで周囲に被害が出ないようにするためだ。

最初の段階から、またペースが上がっている。


一発一発が、最下層のモンスター達ですら耐えられないような威力をしている。

元々の人型のスペックを把握している女神から見ても、それだけ恭輔がこの短期間で力を上げてきているというのは脅威的であると言える。

・・・まぁその理由があれなのであんまり口に出したくないのだが。


「そんな理由で強くなるのなら苦労しないのだわ」

「ん?どしたん?」

「なんでもないのだわ~」


まぁ別に恭輔が急激に強くなったのはフミの魔力を取り込んだからというだけが理由ではない。

元々持っていたポテンシャルに、正しいやり方を教えた結果伸びていると言うのが大きい。

そしてもう一つ理由がある。


「ひーちゃんと恭輔ちゃん・・・やっぱり相性いいのよねぇ」

「相性?」

「うん。というか、恭輔ちゃんの力を伸ばすのが一番うまいのがひーちゃん・・・ってことかしらね」

「・・・確かに、そうやな」


恭輔は今まで何度か急激にその実力を伸ばしたことがある。

スキルを・・・『昇華』が関係しているのだが、それ以上に人型が関わっている。

恭輔の力が伸びる時には、必ず人型が関わっているのだ。

これは、そういう風に仕向けたのが人型であるというのもあるが、それ以上に相性がいいのだ。


「これも、ニホリちゃんのおかげかしらね」

「・・・何かしら影響を与えとるって?」

「ええ。まぁ本当は未来の恭輔ちゃんが原因なんでしょうけど」


未来のニホリは、当然ながら未来の恭輔との繋がりが未だある。

薄く、遠くなってしまったが間違いなく存在している繋がりだ。

その繋がりが、ニホリを通じて恭輔に影響を与えているのだ。

未来の自分・・・これ以上ないほどの教科書だろう。なにせ、自分が強くなる為の道筋がすべて書いてあるのだから。

後は、それを真面目に追えばいいだけだ。こんなに簡単な話はないだろう。


ほら、また上がった。


「なるほどなぁ。見て聞いて感じた物をそのまま出せばええってわけやな」


だからこそ、その成長は止まらない・・・流石に時間が足りないから、未来の恭輔自身は届かないだろうが。


「1つ心配なのは、急激に上昇した力の制御が出来ないんじゃないかって事なのだけれど」

「え?大丈夫なんか?」

「・・・大丈夫そうなのよねぇ。『真化』が良い感じに働いているし」

「ああ、そういえば成長促進なんてもんもあるんやったな」

「本来は技能を上げる為の物だけれど・・・まぁ恭輔ちゃんだしね」

「何でもありやな」


















そんな2人の会話を、人型と戦いながらも恭輔はすべて聞いていた。


「勝手に言ってくれるな!」

「よそ見」

「聞いてるだけだわ!!」


右の蹴りを、同じく右の蹴りで相殺された。

そして注意もされるが、こればっかりは勘弁してくれ。


「地味に制御できないんですよね!?」

「・・・がんばれ」

「言うだけなら簡単だな!!」


実の所、女神達が思っているほど制御が出来ているわけではない。

人型との戦い・・・拳が交わり、蹴りの応酬を行う度に自分の中で何かが進むのが分かる。

それの原因が、未来の俺にあるのは分かった。

分かったが、だからと言って何か変わるわけではない。

五感が、今までにないほどに研ぎ澄まされている。鋭くなりすぎて、若干迷惑だ。


それに、身体能力も上がっている。

動くだけで、無駄に力が出るからやりにくいったらありゃしない。

幸いなのは、魔力の量は変わっていないことか。

それだけで、その面での制御はまだ出来ている。


「そら!!」

「ん」


もはや何度目か分からない程の衝突。

そして、自分でも分かるくらいにまた上がった。


踏み込みが深くなりすぎる、勢いが想定より出てくる。

まだ戦えるが・・・


「・・・止める?」

「・・・いや、限界までやってみよう」

「いいの?」

「構わんよ。伸びてくれるなら伸ばしておきたいしな」


確かに制御は難しい。だが、難しいだけだ。

出来ないわけではないし、少し練習すればあっという間に出来るようになるだろう。

これに確証はないが・・・恐らく。未来の俺の力であるという点が、俺に合っているからだろう。

勘でしかないが、これまた間違いないと思えるのだ。不思議な物だ。


「・・・魔法戦する?」

「する」

「わかった・・・形状を変える」


人型の姿が、また小さくなる。

魔法を使うなら、その姿の方がいいのか・・・?何基準なのだろうか。


変化が終わって、いつも通りの人型に戻る。


「私は、無属性を使う」

「ん?俺も合わせた方がいいか?」

「好きにする」

「りょーかい」


なら使い慣れた物の方がいいだろう。

自分の体から離れた場所で魔法を使う場合には、また感覚が違うから・・・それを合わせて考えておきたい。

周囲に魔力を浸透させるのも、魔力を汚染するのも感覚は似ているそうじゃないか。

だったら、今の方が上手くできる自信がある。試してみるべきだろう。


「じゃあ『土魔法』だけでいくわ」

「・・・名は違うのでは」

「ん?ああ。いや、なんとなく『ガイア』とか言われてもピンと来なくてさ」


魔法ならわかりやすくていいじゃないの。


「後名前なんて何でも良くね?」

「・・・そうでもない」

「うん?」

「何でもない・・・始める」

「OK」


人型の魔力が高まる。

どうやら自分の体からのみの魔法で使うようだ。


うんまぁ俺はゆっくりやるか。

大地に魔力を浸透させ、体の魔力も増幅させる。


人型の手の先に、白い光が出る。

俺の周囲に、土から鉄に変化した槍が10本生まれる。


「んじゃ」

「・・・」

「「勝負」」


光と槍がぶつかりあった。

















「・・・いや、やから訓練」

「あら~・・・お互いに張り切ってるのだわ~」

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