47話
唐突にお昼に投稿してみたり、夜にも2話上げると思います。
「なんかいっそミサイルみたいに誘導する魔法作れないのかな」
「うー?」
「え、こんな感じで」
「・・・うー」
「レベルが足りないのか・・・。足りればできるのか・・・」
ロボットゲームやりながらなんとなく思いついただけなんだけどいけるのか。作れるのか。
・・・作りてぇな。
そもそも、こんなことを言い出したのはあの鷹に対する対策がいまだ何も思いついていないからだ。
あれから三日くらい経つというのにまったく思いつかない。正確には、レベルが足りないのか十分なものができないが正しいな。
そもそも一対一でやれば問題なく勝てる相手ではあるので対策ないでもいいのだろうけど。それでも、確実なのが俺とバトちゃんのみ。他の子は飛べないから何があるかわからない。
なので、何かでるなら出したいのだ。効率的にも、簡単に、手早く倒せる手段は欲しい。今まではそんな敵いなかったから、ここにきて急ブレーキだ。
「ワイバーンの時は時間が解決してくれる問題だしなぁ」
「うー」
「レベル上げればなんとかなりそうだけど・・・なんか違うんだよなぁ」
「う?」
ワイバーンの時は10層のボスの強さを考えて念を入れてただけだ。あってたから10層ごとに何かしら強い敵が出てくるのは間違いないだろう。なんか楽だった気もするけど、あれはすらっぴ達の活躍が大きい。あれなしだと大いに苦戦したことだろう。
ただ、今回の敵は普通のフロアにいる普通の敵。それもそこそこ数のいる敵。
その敵に対して、レベル不足なんてことになるのならそもそも挑むべきじゃないんだろう。
しかしながら、苦戦するのは鷹のみ。同じ階層にいた狼人間はねっさん一人で無双できるほどだった。一種類だけ異常に強いなんてのは考えにくいし、何かしら工夫出来るのだろう。
「スキル不足って言われたらどうしようもないけど」
「うーうー」
「それも分かってるんだけど。どうせ暇だし・・・」
ニホリ曰く、スキルが足りないなんてよくあることらしい。
まぁ、そんなことはわかっている。スキルスクロール自体ランダムでしか手に入らないし。そこから何が手に入るかは使うまでわからない。
そりゃ不足もするだろう。
そして俺が暇な理由だが。
これは完全に自分のせい。ワイバーンの時に手に入れたあれこれの研究やらでそっち方面に新しい物を持って行っても意味なし。
魔石集めも同じく、そこそこ大きいのが宝箱から落ちるようになったので研究用にするには十分らしい。一般の会社が参入すると別だろうけど、その場合は俺がやることはないから関係なし。
自衛隊も前ほどダンジョンに対して脅威を感じなくなっているのでスキルスクロールを集めてもいない。そのおかげで藤岡さんや姉ちゃんがこっちに来ることになったのだからそれはいい事か。
つい先日まで俺が人手不足だって言ってた理由は、俺が先に進めずに新しい発見ができなくなっていたことに起因する。
そもそも俺達の実力不足で進めないのならそこが問題じゃなくなる。
人が増えてくれないと一般の人たちに対してダンジョンの恩恵を与えられないってのはあるから、どっちにしろ増えてたか。
中で手に入る物の一部はすでに有用なのがわかっている。美容やらなんやらで魔石を求めている団体は要るっちゃいるけど、そこは緊急性ゼロだし。
むしろ医療関係者の圧が強くってなぁ・・・。
「そっちには手回せないし。まだ無理だよなぁ」
「う」
「そこは藤岡さんたちに頼むか。それにしても来週だっけか?」
「う」
「違う?。いつだっけ・・・」
「うー?」
「お前も分かんないのかよ。それで否定してきたのはこの口か」(ムニー
「ふー!」
「おおう。ニホリブレスが俺に直撃。てかお前のほっぺ柔らか」
「ふー!」
「嫌がってんの?」
「ふ」
「軽くならいいのか・・・。じゃあ続行」
何の気なしに痛くならない程度に引っ張ってみたけど、柔らかいな。
一応、こいつ人形なんだけど。本当に人間っぽいよな。触ってこれだと、本格的に知らない状態で見極めるの無理じゃないか?俺も自信ないぞ。
「餅みてぇだ」(ムニー
「ふ?」
「そういや食べさせたことないな。まぁ時期じゃないしな」(ムニー
「ふーふー!」
「食べたいって?。んーまぁ、売ってるには売ってるか」
別に今食ってもいいんだけど。今10月だしな。
なんかこう。12月中旬過ぎてからなイメージがあるからなんとなく違和感が・・・。
「家によるもんなんだろうか?。・・・じゃあ今日の昼は餅でなんかか。何がいい?」
「う?」
「あ、そりゃ知らないか。なら、てきとうにいろいろやるか」
餅のレシピのレパートリーなんて持ち合わせそんなにないけど、調べれば出てくるだろう。
じゃあ買い物のメモしとくか。
「・・・いや、今は海苔と醤油しかないぞ」
「う!?」
「最近買い物ろくにしてなかったからな。出前ばっかだったし」
「うー・・・・!。う!っう!」
「え、買い物に行きたい?」
別についてきたって何も面白いことは・・・。
そういえば、ニホリってうちの庭以外で外に出たことあんまりないのか。
せいぜい親父の研究所とか自衛隊の基地とか、別のダンジョンに行くときの移動くらい。
それもだいたい車で外はあんまりよく見えないし。別に誰かに見られちゃいけないってわけじゃないのに割と隠されてたな。わざわざ見せるもんでもないが。
でも近所でも出歩いたことないのはよくないかなぁ・・・。
「外出たら飛んじゃだめだぞ?」
「うー!」
「俺から離れるのもダメ。どっかしら掴んでなさい」
「う!」
「ならよし。ついでにコロちゃん達も連れてくか」
流石にモンスター組はダメだけど。
俺が暴走しかけたあの動画以降、ダンジョンのモンスターが何かしらのメディアに出たことはない。
最初があれだから。関係者は入って撮ろうとしないらしい。許可をとろうとすれば取れるらしいけど。
そんなわけで、すらっぴ達を大勢に見せるのは流石に自重せねば。
「それとは関係なしに着いてこようともしないってなに?」
「うっううー。うっううー」
「楽しそうだねー」
「ワン」
試しに聴いてみたら、行くといったのはコロちゃんだけ。
他の子はみんな遊びに夢中だった。ふーちゃんなんか聞いてもいなかった気がする。
「それにしても、やっぱりたいして見られないな」
「ワン?」
「いや、それはそうなんだけれども」
そう、確かにニホリは見られてない。道行く人に見られるのは俺とコロちゃんだ。
・・・狼だしな!。
「ガウ」
「デスヨネー」
俺も近所では有名な動物博士な一家の子供なわけで。そこそこ顔が売れている。
でか、近所のおばちゃんとか、じいちゃんたちとかみんなに話しかけられるし。
え?ニホリは本当に目立ってないのかって?
「ほぉー。ニホリちゃんはいい子だね~」
「うー?」
「ほら、これ持っていきなぁ」
「うー!」(ピョンピョン
大人気だよ馬鹿野郎。見られてはないけど引っ張りだこだよ。
いや、これは見られてるし目立ってるな・・・。
「ワフ」(ペシ
「そろそろ現実に戻るか」
コロちゃんにしっぽではたかれたので戻ろう。
ニホリは今のところ人形・・・てか、普通の女の子だと思われている。
う、しか言えないが。別に爺様婆様たちは何も聞いてこない。いろいろあるのだろうと勝手に想像しているのだろう。俺にとっては楽でいい。
見かけは幼女。
それもこちらの話をちゃんと聞き、何かあげたらわかりやすく喜ぶ。そりゃ大人気ですわ。
「ほれニホリー。そろそろ行くぞー」
「うー」
「もう行っちゃうのかい」
「ニホリが餅食いたいっていうからな。そもそも今家に何もないし」
「おお、ならちょうどいい。昨日作りすぎた煮物を持っていきな~」
「え」
「たしかうちにもあったな。婆さんに行ってもってこさせるか」
「いや、竹ばあ腰悪いんじゃ」
「なんか動かないのがいけないとかで動きまくっとるわい」
「なぜ一度悪くなってそうなる」
「婆さんだからのぉ」
「竹山さんは元気だからねぇ」
竹山のばあちゃん。略して竹ばあ。御年87歳。元気ばあちゃんだ。
「そういや、佐藤さんちも最近作りすぎるとかいってたねぇ」
「呼んでみるか」
「うちのご飯が貰い物で埋まりそうになってるんだけど」
「いいじゃないか。楽ができて。そういや、お前さん学校辞めたんだって?」
「今聞くのか!?。もう出会って30分は立ってると思うんだけど!?」
「大門さんちだからのぉ。お前の爺さんもそれはそれはいろいろやってたぞぉ」
「あの爺さんは何をしたんだ!?。てか知り合いかよ・・・」
「懐かしいのぉ」
「うー!」
「おお、ニホリちゃんは聞きたいかぁ」
「あ、これはダメだ。買い物いけない」
そして、今日の昼食と夕飯は貰い物で決まったな。
ところで、そうこうしてる間に人増えてるけど?。近所の老人とか主婦とか集まってきてね?
これワンチャン帰れなくね?




