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505話

そろそろ最後が本当に近くなってきてる実感が俺にも湧いてきました。

「魔力って、体のどこにあると思う?」

「へ?・・・魂とかやないの?」

「じゃあ魂はどこにあるのかしら?」

「いや知らんよそんなの・・・」

「そうね。それはある意味での正解なのだわ」

「知らんのが正解なん?」

「正確には、どこかと言った具体的な答えがない・・・が正しいのだわ」

「まぁ・・・せやろな」

「魂は、肉体のどこかにはあるのは確実なのに、その場所は分からない」

「・・・んー?体全体にあるっていうのはどうなん?」

「そうね。それが答えを無理やり出すなら正しいわね」

「お」

「だからね・・・魔力もどこにでもあるの」


魔力のスタート地点・・・俺は所謂丹田にあたる場所にあると思っていた。

それはある意味正解で、不正解だった。

スタート地点から、体のあちこちに移動させる・・・魔力の大催部分を変えるってイメージだな。

これが間違いだった。ああいや、正解ではあるんだけどさ。


魔力のスタート地点は、どこでも良かったのだ。

源となる物は俺の魂・・・体全体に宿っているものだ。

だから、魔力を動かすのではなく、その場所にある物を使うってイメージなら・・・


「もっと早く。もっと楽に。そして効率よく魔力を使えるでしょ?」

「ほぇ~」


お腹から腕まで魔力を移動させ、魔法を使う。

それだと、腕まで動かしている分がロスになる。

それを、いきなり腕から大量の魔力を発生させたらどうなるか。

移動分のロスがなくなるから、その分を節約できる。

移動距離がなくなるから、その分は速く魔法を発動できる。


「・・・でも、それって結構無茶やない?」

「そうねぇ・・・だって」

「「魔力がその部分から急に出てくるってことになるから」」

「・・・なんで出来るん?」

「こればっかりは感覚だからねぇ・・・正直私も、説明しろって言われても出来ないのだわ」


女神たちがやってたのはこれか。

あんまりにも部分部分の増減が速くてスムーズだから、動いているように見えてただけだ。

なるほど、これは効率悪いと言われたのも納得だ。

動かす分のリソースを別の事に使えるから、後は増減を行う際に量を間違えなければいい。


「まぁ、最初の目的とは違っちゃったけど・・・結果オーライなのだわ!」

「明らかに何段階か飛んどるやんかこれ」

「まぁ期日までに間に合えばって思ってはいたけれど、速攻で終わるあたり流石ね」

「どこまで伸びるんやろ」

「どこまでも・・・かしらねぇ」


慣れてないと、増やすのと減らすのに手間取って普通に動かした方が早いってことにもなりかねない。

だが、幸いにも目の前にお手本が2人もいたからな。すぐに学べた。


「加速する」

「うい」

「えぇ。どこまで早なるんよ~」

「理論上はどこまもかしらねぇ~」

















「あ”あ”あ”~・・・流石に疲れた」

「うーうー」

「ほれおいで恭輔~」(ポンポン

「うぇーい」


フミのお膝やわっこーい


魔力運用訓練開始から1時間。

俺の方が集中力切れでギブアップしたので休憩になった。

移動するより気は使わないけど、その分体に来る。

女神曰く、魔力がその部分で急に増えることに慣れてないからってことらしいがな。

同じことを繰り返してれば大丈夫になるらしい。


「下手な筋肉痛よりキツイ」

「まぁあんだけやったらそうなるわな」

「うー?」

「あー・・・その部分だけ何度も力ませた感じ」


めっちゃ来てる。筋肉痛の痛みではないのがまたな。

引き攣るというか、固まっていると言うか・・・とにかくつらい。

痛いではなくツライ。


「恭輔ちゃんなら20分もあれば回復できるわ」

「早いのかそれ・・・?」

「私は最初は5分でギブアップで、治るのに1時間かかったわね」

「それは体力なさすぎやないの・・・?」

「貧弱」

「ひどい!?」


人型は最初から数時間は余裕。休憩もほとんどいらなかったそうだ。

これは元からそれを行う前提で作られているから、魔力を操る感覚を覚えた後は休憩も要らなくなったそうだ。

そこに追いつくのは難しそうだな・・・


「後は、その感覚を戦闘中でも出来るように出来ればOKね」

「まぁ戦えなきゃ意味ないよな」

「でも、この様子ならすぐにそれも出来ちゃいそうね・・・今日中で終わったりして」

「流石にそれはどうかね」


まぁまだ今日は始まったばかりだ。何故か調子もいいみたいだし、出来るだけやってみよう。


「訓練相手はフミでいいのか?」

「いいけど・・・偶には変えた方がいいわね。ひーちゃんいい?」

「問題ない」(シュッシュ

「やる気満々ね」

「拳振ってやる気見せるって」


分かりやすい表現しやがってからに・・・


「さぁて。じゃあ私はコロちゃん達を見にいこうかしら」

「邪魔すんなよ」

「しないわよ・・・ちなみに、コロちゃん達が何をしているかは知っているの?」

「知らない。聞いてないし聞く気もない」

「どうして?」

「んー・・・コロちゃん達、多分だけど結構な無茶してると思うんだよ」

「そうね」

「でもそれって、結局俺の為だろ?」

「当然ねぇ」

「危ないからって・・・俺が好きにやってんのに止めるのはなぁと・・・最近思った次第」

「ふぅーん・・・じゃあ止めないわね」

「ん?何やってるか知ってんのか?」

「ええ。大体分かっているわ。まぁ危ないと言うか、結構すごいことしてるのは確かね」


ああ、やっぱりか。そんなことだろうとは思ってはいたけど。


実は、止めない理由はもう一つある。

コロちゃん達を信頼しているってのは当然として、別にあるのだ。

それは、コロちゃん達の目だ。

ある種の覚悟を決めた目だ。ある時を境に、コロちゃんはそんな目をするようになった。

それは、未来の俺がこちらに干渉し始めることを決めた時の目に似ている。


・・・地味にだ、俺にじゃなくて未来の俺に似ているって点はむかつく。

だけどまぁ・・・いや、本当に変なところ似ちゃったなぁ・・・


「・・・なんで頭抱えとるん?」

「うー」


いつもの事でしょもう。















「捗ってるかしら~?」

「ワウ?」

「わぁ・・・随分と安定してきたのね」

「ワフ」

「うんうん。それに自分で気が付いたのは驚いたけど・・・間に合いそうなの?」

「・・・ワフ」

「でしょうね。力の中継点がないから、今のままだと皆に合わないのでしょ?」

「ワン」

「大丈夫大丈夫・・・そこはちゃんと助けてあげるのだわ・・・まぁ」


助けるのは、私じゃないのだけれど

女神は、その言葉を人型のいる方角に向けて発した。


コロちゃんは、その意味を既に理解した。

やはり、鍵は彼女であると改めて実感したのだ。


「さて、時間はないのだわ。もう1回見てアドバイスしてあげる」

「ワン!!」

「ふふ・・・どこまで出来るかしらね。コロちゃん提案の無限回路」

「ワフ」

「その意気なのだわ!!・・・恭輔ちゃんも仕上がれば、本当に敵なしになるのだわ」




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