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501話

ここに来て新しい子登場。

「あ、でも恭輔ちゃんもニホリちゃんと同じことできるわよ」

「お、マジか」

「う?」

「えーっとね・・・どうやってるのかしらこれ」

「・・・不明」

「え」

「う」


不明でも出来るような物なのか・・・?




















女神たちは、これからは頻繁に顔を出すらしい。

まぁ負けたからな。一応一番大事な部分・・・女神が用意した冒険者用の力の塊なんかは守ったらしい。

というか、今女神が自分で持っているそうだ。だから、今限定で女神はある程度戦えるそうだ。戦わないだろうけど。


今のところ、それでも世界中の冒険者に影響はない・・・というか、その領域に行くまでの冒険者がまだいないからOKだそうだ。


「いたらどうなるんだ?」

「ん~・・・めっちゃ弱体化?」

「具体的なのはないんだな」

「だってこれ使うのは1人か2人の予定なのよ?分からないのだわ」


割と雑だなおい・・・あ、そういえばなんだが。


「これ聞いていいのか分からないんだけど」

「何?」

「結局お前の目的って、地球の管理が出来る存在を増やすってことで良かったんだよな?」

「・・・あれ?教えたことなかったかしら?」

「あったけど。今の俺でいいのかとかそのあたりは聞いてない」

「あ~。じゃあ教えるわね」


まず、究極的な目的はそれで合っているらしい。

女神がかつてしていた研究で今の状態になってはいるものの、これは出来損ないの研究だったそうだ。

挙句に未完成、手の周らない範囲がここ数百年でかなり出てきたそうだ。

だからこそ、それを解消するために自分のような存在を増やそうとしたらしい。


「その結果、生まれたのがこの子ね」

「あ?そうなの?」

「ダンジョンの管理は、ある意味で地球を管理する力の一部って言えるわね」

「・・・というか、地球の管理って何をするの?」

「えーっと・・・いくつかあるけど、大体は地球を巡っている魔力を見たり、何かあったら弄ったり?」

「大体魔力なのか?」

「そうね。地球の血のようなものだから・・・あ、それ以外も総括すると星のお医者さんみたいなことやってるわね」


そう聞くと、結構大事なことなのか。

さて話を戻そう。


人型を作った女神。だが、これは結果的に失敗だったそうだ。

作り出したはいいが、人型は生まれたばかり。文字通り赤ちゃんのような状態であったそうだ。

しかも、成長がすさまじく遅い。これでは、最初に意図した目的には沿えない。


そして、さらに問題が発生した。

地球内に、魔力が溜まりすぎていたのだ。

循環には支障はなかったが、使用されなくなって久しいのでそれがずっと溜まってしまっていたそうだ。


「気が付かなかったのかよ」

「手が回らなかったのだわ!!」


ここで来るのか。


それを使うだけならまぁすぐに出来たそうなのだが、ここで一つ思いついた。

自分が作るのではなく、育てればいいのだと。


「そして大体100年くらいかけてダンジョンを作って、後は知っての通りなのだわ」

「100年もかけてたんかあれ」

「中に出てくるモンスターの種類だったり、どうしたら入ってくれるのかなーとか考えたりしてたからね」

「その割にはガバかったけどな」

「(´・ω・`)」

「う!」

「すまん」


ダンジョンの目的は、2つ。

魔力の消費と、人材の育成。

そして、後者の目的を達成したのが俺であったというわけだそうだ。


「想像より速かったけどね」

「どれくらいかかると思ってたんだ?」

「・・・10年は見てたわね」

「長いな」

「あ、私が恭輔ちゃんに出会った時の段階で10年ね」

「・・・ん?」

「今の恭輔ちゃんだと・・・ちなみにその気になるともう地球と繋がれるのよね?自分の意思で」

「暴走するけど」

「十分なのだわ。じゃあ、今の段階は50年は見てたのだわ!!」


長丁場の想定だったのか。それを2年くらいで終わらせたのか俺。


「やっば」

「才能の塊・・・私なんかよりよっぽどこっち向きなのだわ」

「でも、なんで女神は管理なんてしよう思たん?」

「ん?私?・・・なんでだったかしらねぇ」

「はい?」

「覚えとらんの?」

「ずーっと前の事だしねぇ。もうほとんどを忘れちゃったのだわ」

「研究以外?」

「そうね。研究と・・・後は結構どうでもいいことは覚えているわ」

「そんなものか?」

「実際覚えてないから・・・そういうものなのだわ」


印象の強い記憶は、結構覚えている物だと思うんだがな。

本当に時間が経って忘れてしまったか、それとも、自分で消したか。

記憶を消すくらいなら、簡単に出来るだろうなこいつは。


今目の前にいる女神の顔を見ても、おかしなところは見当たらない。

本当に覚えてないんだ。

原因は別にしてもな。


「じゃあ研究は何してたん?」

「人間の上位体への進化ね」

「おお・・・?」

「恭輔ちゃんみたいな人になるための研究をしてたのよ」

「俺?」

「そう。才能のある人は、切っ掛けがあれば簡単に進化出来るの」


俺にとっての切っ掛けはダンジョンだな。


「でも、普通の人は出来ないでしょ?それを出来るようにしたかったの」

「どして?」

「・・・難しいと思ったから・・・かしらね」

「おお!研究家っぽい事言うとる!!」

「研究家ですから!!」


親父達とは別のベクトルだな。

親父達はそれ自体に興味を持ったから今の道に進んだ。

女神はそれの高い壁に魅力を感じたからその道を選んだ。


それが、こうして今に至るわけだから・・・世の中分からんな。


「モンスター達は、その時の研究で見たのか?」

「というか、結構その辺にいたのよ?」

「マジで?」

「マジなのだわ。あ、でもいなかった子もいるわよ」

「例えば?」

「フミちゃんとロラちゃん。後はヨミちゃんとかね」

「」(ヨンダ?

「ん~呼んでないけど抱っこしていい?」

「」(イイヨ

「ふわふわ~」


名前が聞こえた途端に現れたロラちゃん。


なるほどね。所謂レア個体と突然変異はいなかったのか。

まぁ後者は当然だよな。あれは想定していないって意味でその名前なわけだし。


でも、レア個体もそうなのは意外だな。

ロラちゃんはまぁ名前すらなかったけど。


「あれわざとなのよ?」

「はい?」

「元から貴方みたいな存在の近くに置くために、何種類か名前が決まってないのがいるの」

「ん?・・・ああ、名前をつけさせるためにか」

「そういうこと。名を与えるってことは、それ自体が大きな意味を持つからね」

「ちなみにバン君は?」

「いたわね。あ、ちょっと言い方が違ったわね。貴方の言うレア個体の一部は私の記憶の通りに設定しているのだわ」

「やっぱり昔でもあんま見ん個体やったん?」

「そうねぇ。とくカーバンクルとかケットシーとかはねぇ」

「お、うちも知らんのが」

「あら?会ったことないのケットシー」

「ケットシーってあの・・・猫?」

「猫ね。でもおかしいわね。恭輔ちゃんの近くにいたような覚えがあるのだけれど」

「はい?」

「う?」

「うん?」

「」(アノコー


・・・んんんんんん?????


「ロラちゃん知ってる・・・?」

「」(ネコネコ

「猫・・・猫・・・!?!?」

「恭輔ちゃん顔がどんでもないことになってるのだわ」

「うー」


ま・・・まさか、あの野良猫たちの中にいるのか!?

何してんだレア個体!?!?


「今いるのか!?」

「え?・・・いるわね」

「見てくる」

「今!?」


女神の声が聞こえたが無視。

庭に出て、野良猫達が溜まっている場所を探す。

庭では他の子達が遊んでいるが、その中に猫はいない。

こういう時は、温かい場所にいると思うから・・・ユニしー小屋か!!


「ユニちゃん!!」

「???」

「ねこどこ」

「??・・・!」(クイ


ユニちゃんが首で刺した方向。暖房の風が当たる場所に猫の塊がいた。

いつも見慣れた猫たちだ。

それを、さらによく観察する。

少しの違いも見落とさないように・・・猫とケットシーを見極める。


・・・埋まりたいなぁ。


「うー」

「ハッ!・・・ありがとうニホリ。後一歩で飛び込んでた」

「うー・・・」


何してんのとニホリが呆れている。

そのまま猫たちの元に近づき・・・猫の塊に手をつっこんだ。


「にゃ?」

「うーうー」

「にゃ~」

「・・・いいなぁ」


ニホリが近づいてきても全く猫たちは動ぜず。

温かい場所から微動だにしないくらいにはうちの家族になれている野良猫達。

・・・もはやこれはうちの子でいいのではぁ?


俺が穴が開くくらいに見つめていると、ニホリが猫たちの中からある子を取り出す。

その子は真っ白な毛並みの小さな猫。

見たことのない種類だから、雑種なのかな?と思った子だな。

目はオッドアイで、赤と緑。うん可愛い。


「う」

「はいすいません・・・この子か?」

「うー」

「ニャー」


・・・え、ごめん全く分かんない

なお出番はない模様


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