500話
ガールフレンド(仮)ガチャUR手に入ったんでもう今年のクリスマスはいいかな!!
「でも、なんでニホリは人型の中から出てこないんだ?」
人型の中に未来の人型の力を得たニホリがいるのは分かった。
だがそれなら、なんでずっと人型の中にいる状態なのか。
「合体しなくても、今みたいにニホリの中に入るとかは出来るんだろ?」
「まぁ出来るでしょうね。全く同じだと出来ないけど、今は違うわけだし」
「何か理由があるのか?」
「うーん。まぁ考えられるのは、ニホリちゃんの体だと都合が悪いとかね」
それは俺も考えた。
ニホリと人型では力に耐えられる量・・・肉体の器の大きさが違う。
人型には勝てないから、そういう点ではそっちにいた方がいいのかもしれないってことだ。
「後は知らないんじゃないかしら」
「知らない?」
「未来から来たって言っても、来たのは大分早いと思うの」
「・・・そういえば、未来の俺がこっちに来始めるもっと前から動かなくなってたらしいな」
「じゃあそういうことなんじゃない?知らないから合体もしない」
「今の俺たちが知っていることを知らない・・・まさか、意識がないのか?」
「可能性は大きいわね。元々未来で一度パンクを起こしているのなら猶更ね」
なるほど、人型の中で眠っているってことか。
それなら知らないし、知ってても動けない。
「人型は、未来のニホリと話してるのか?」
「恐らくだけどね」
「そうか・・・」
何時人型の中に未来のニホリが入ってきたのかは分からない。
ニホリと仲良くなってからなのか・・・ああいや待てよ?
「人型は既に合体している可能性はないか?」
「え?」
「いや、ニホリと一緒に来たって可能性は?」
「・・・いやでも、何も変化なんて」
「隠すことは出来るんじゃないか?
「・・・否定は出来ないわね。少し見てみましょうか」
「え」
いやそれって・・・いいのか?
人型は俺に対してニホリの事を隠している。
なのにそれを暴くようなことは・・・
女神はそんな俺を余所に家の中に入っていく。
慌てて追いかけるが、既に女神は人型に話しかけていた。
「ひーちゃん?」
「ん?」(モグモグ
「う!」
「あらおはよニホリちゃん・・・ひーちゃん。何か隠し事してない?」
「してる」
「あっさり!?」
「それって、未来のあなたの事?」
「肯定」
「答えるんかい!!」
何もなく普通に答えやがっただと!?
それにニホリいつ起きてきた。寝たのさっきじゃないのか?
「う」
「ああうん。さよか」
人型の気配で起きてきたらしい。眠気も吹き飛んだってさ。
・・・これが若さか?
「未来のあなたは、もういないのね」
「肯定。否定」
「うん?・・・ああ、記録は残っていると」
「肯定。記録があるのなら、彼女は私の中に存在している」
「なるほど。確かにそういう考えもあるわね」
ああうん。なんだ。俺の事は無視ですか。
そしてついでの言わんばかりに、女神は人型にさらに質問する。
「じゃあ。ニホリちゃんもいるのね?」
「う?」
「ニホリは静かに。ほら、髪梳いてあげるから」
「うー!」
俺が答えてくれなかったというのは教えた。
自分なら聞かせてくれると思ったのだろうか?
・・・いや、何か考えがある顔だな。ん?違うな。今既に話している?
「・・・そういうことね。ありがとうね」
「内密に」
「わかってるわ。これは言えないわね」
「・・・俺、聞いちゃダメなやつ?」
「ダメね」
「ダメ」
「うー?」
私ここにいるよ~っとニホリが言っているが、そう言うことじゃないのね?
俺が聞いてはいけないニホリの事・・・?
いや、俺と言うかこれは未来の俺ってことか。
俺が知れば、その流れで未来の俺も知ってしまう可能性が高い。それを防ぐために、俺にも聞かせないのか。
「・・・ニホリが危ないのか?」
「そういうことじゃないわ。ただ、教えられないの」
「黙秘する」
駄目だこりゃ。完全に教えてくれないって感じだな。
・・・はぁ。仕方ないか。
教えてくれないってことは、俺が知らなくてもいい・・・知らなくても問題はないってことだ。
何かあっても、女神と人型が気を付けてくれるだろう。
なら、俺は信じて待つべきだろうな。
・・・そんなわけで、別の事を聞こう。
ニホリを一端膝に乗せてっと。
「う」
「はいはい・・・さっきのテレパシーみたいなのは、2人の能力?」
「げ。聞けてたの?」
「内容はわかんなかったよ。ただ、2人の間で意思の疎通があったのだけはわかった」
「えぇ・・・」
「・・・」(ヒキ
何やら人型にも引かれている気がするぞ。
「え。何。やらかした?」
「ああうん・・・普通じゃないなって思っただけよ?」
「異常」
「それは乏してるよな?」
「説明すると、まぁあれはテレパシーで正解よ。私とこの子の間だけだけどね?」
「十分じゃないか?」
俺とニホリでも、気持ちを読み取るくらいしか出来ないんだからな。
ちゃんと伝えたいことを確実に伝えられるのは便利だろうよ。
「もしかして、人型ってさ」
「あ、わかった?」
「う?」
「??」
「貴方は、ニホリちゃん達の原型なの」
「う!?」
「・・・???」
「わかってないぞこいつ」
「あれ~・・・?」
ニホリはわかったようだけど。あれ、こいつこんなポンコツ・・・ポンではあったな前から。
つまり、ニホリ達人形の姉といったところだな。
「把握」
「うー!」
「ニホリちゃん達は、魔法人形っていうモンスターとは別の存在として作ったのよ」
「へぇ。完全にモンスターとは違うのか」
「当然よ。まぁ条件を厳しくしすぎたなとは思っているけど」
「『テイム』必須だしな」
「いいえ?別に『テイム』じゃなくてもいいのよ」
「あ?そうなのか?」
「ええ。この子達と魔力のラインを繋げられるならなんでもいいのよ」
「スキルなしでも?」
「なしでもいけるわね。恭輔ちゃんなら、なくても問題なさそうだけど」
そういうことだったか。
俺達は『テイム』以外に繋がりを作るスキルを知らないからそう思ってただけか。
てか、日本内だと俺と三崎さんしか人形達を養っているのいないし。
「海外には、人形を持っている人はいるわよ」
「いるんだ!?」
「う!?」
「でもまぁ・・・あの様子だと何年かかるのかしらって感じかしらね」
「えぇ・・・」
「うー?」
「ラインを繋げる方法を知らないから、なーんにも出来ないのよね~」
「ダメじゃねぇかそれ」
「才能だけで出来ちゃう貴方みたいなのは稀有なのよ?」
「異常」
「人型はさっきから辛辣じゃね?」
何々。俺って変なの?
「変っちゅうか・・・何ちゅうか」
「フミまで言うのか・・・」
「普通の人間が恭輔みたいんやったら・・・あかんな」
「いかんでしょうね」
「脅威」
「う」
「なんだお前ら」
評価どうなってんだ俺。
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