498話
残業期間が終わった!!時間が取れる!!!
・・・これで勤務時間が元通りに出来る日が来れば言うこと無しなんですけどねぇ
皆さん気をつけていきましょうね
花の開花まで、後4日。
「おは・・・あれ?ニホリ寝坊?」
「みたいなんよ。だから今日はうち~・・・って言ってもほとんど準備出来てとるんやけど」
今日の朝ごはんはニホリが昨日から仕込んでた野菜スープ。
そしてフミがささっと作ったスクランブルエッグ。後は俺がパンを焼くだけだ。
「食パン?」
「ん~・・・コッペパンやな」
「はいはい」
それにしても、ニホリが寝坊とは。
まぁなんか夜中に起きてるのはわかってたから、動画でも見てたのかな。
生放送とか見ると時間があっというまに経つからな。
コロちゃん達は既に庭にいるな。朝の運動ってところだろう。
・・・まぁやってることは派手だが。
「ワン!」
「ガウ!」
蒼い光と黄色の光が庭中を駆け回りながらぶつかり合っている。
コロちゃんとハクコちゃんだな。
ダンジョンに比べると狭いし、まだ朝だから本気じゃないみたいだけど速い速い。
流石にスキルは使ってないみたいだけどな。
コロちゃんが『高速移動』したらハクコちゃんじゃ追いつけないし。そのぶん防御力はハクコちゃんが上だけど。
「あ、おはようございます」
「おはよ。ニホリはまだ寝てるのか?」
「グッスリですね」
「ふーん。何か動画でも見てたか?」
「あー・・・何かに熱中してたみたいなんですけど、詳しくは」
「あらま・・・ゲームでもしてたのか?」
まぁ、他のこの睡眠の邪魔になってないなら怒る事でもないな。
偶には寝坊も必要だろう。ニホリもニホリで疲れが溜まっていただろうからな。
「お腹減ったら起きてくるだろ」
「そうですね。あ、何か手伝いますか?」
「いや。なんもないかな。フミが張り切ってるから俺もない」
「あー」
ニホリがいないからだろうなぁ・・・
「・・・ポヨネさん?」
「はい?」
「ニホリは危ないってことはないんだな?」
「・・・はい。そこは大丈夫です。
「ならいいよ。何も言わない」
俺相手に隠し事するなら、少しでも隙を見せちゃだめだよ。
特にみんなの事なら、少しの事でも十分に分かる。
だが、ポヨネが何もないと言っているのなら、それを信じよう。
こいつらの隠し事・・恐らくコロちゃんがやろうとしていること関係だろうしな。
「とりあえず、夜は寝ろとだけ言っておく」
「いや言うんかい」
「そこは大事だからな」
「あはははは・・・伝えておきますはい」
「まぁとりあえず準備出来たで!」
「お、りょーかい。ほれお前ら、いったん終了!」
「ワン」
「ガウ」
「早い早い」
戦うのを辞めてすぐに俺の前でお座りする狼と虎。
なんだこいつら・・・
「ご飯の前に一回足洗ってこい」
「ワン!」
「ぴ~!!」
コロちゃんの一言ですらっぴが巨大化し、そのままコロちゃん達を一度一瞬だけ取り込んですぐに外に出す。
そしてバトちゃんが風を吹かし、ふーちゃんが弱い火を起こしてドライヤーに。
あっという間に体のお掃除完了・・・って何してんだ。
「え、いつ覚えたのそれ」
「ぴ」
「最近?なんだその時短技は・・・」
いやまぁ・・・体洗う手間が省けると考えればいいのか?
朝とか運動の後毎回全身洗いたいけど、それだと時間かかりすぎるからって辞めてたし。
これなら一瞬だから出来るよな・・・検討するか。
「でも、随分コンビネーションの質が上がったと言うか・・・なんだ、意思疎通にロスがないな」
「ぴ~♪」
「あーはいはい」
なるほど、コロちゃんのことだなこれ。
「ん~?あら?コロちゃん達綺麗やん。ならはよ入り」
「ぴ~」
「き~」
む、皆のご飯も用意してくれてたのかフミ。
なら俺はしーちゃんユニちゃん達のご飯を
「終わっとるで」
「え」
いつの間に・・・?
「うー・・・」
「おはようニホリ・・・まだ眠いなら寝てていいぞ?」
「う」
「ああ、お腹減ったのね・・・」
俺達が朝ごはんを食べてから30分後。
ニホリが目を擦りながら起きてきた。寝起きのニホリはいつにもまして幼い。
気になるのは、ニホリの魔力が減っていることだな。
俺から流れてる魔力量は変わってないけど、それで間に合わないくらいに魔力を消費したってことだ。
・・・さて、聞いていいのかこれ。
取り合えず腹ペコなニホリにパンとスープを出す。
寒い時期だから、始めにスープを一口飲んでぽけーっとしている。
ああ、パンをむにゃむにゃ食べ始めた。マジで眠いんだなこれ。
「卵食べる?」
「う~」
ああ、食べるのね。
スクランブルエッグはないから・・・適当に卵焼きでもやるか。
ささっとキッチンで卵を割り、かき混ぜてフライパンに。
薄く焼いて巻くから、火はそんなに要らない。
そして巻く時にある物を混ぜれば・・・
「ほれお食べ」
「う・・・う?」
「マヨネーズ入り」
卵を巻く時にマヨネーズを入れてみた。
母さんが昼にお弁当がいる時によく作ってくれたものだ。
思い出の味を言ってもいい。加減をミスるとすぐにしょっぱくなりすぎるのが難しいのだが。
「本当は茹で卵があればなぁ」
「う?」
「ん?ニホリに食べさせたこと・・・なかったかもな。今度作ってやるよ」
茹で卵を潰して、それをマヨネーズと混ぜて塩胡椒で味を調える。
サンドイッチに挟まっている卵みたいな味に簡単になるからお勧めだ。
俺は白身をあまり潰さない方が好き。
あ、一緒にツナマヨを入れてもおいしいぞ。その場合はマヨは入れんでもいい。
うーん・・・それにしても、ニホリの様子を見ると疲れているのは間違いない。
だが、肉体的な疲労と言う感じじゃないな。
もっとこう・・・集中した結果みたいな疲れ方してる。
事実、ニホリから俺に流れてくる感情もそんな感じだ。
頑なに何をしていたかを伝えてこないのはコントロールも出来てるってことで流石だとは思うが。
「はい牛乳」
「う~」
魔力の減り、集中したことによる疲れ。
これから考えられるのは、魔力を使用しての細かい作業。
または、やったことのないことに挑戦した結果だろう。
まぁそれが何なのか分からないんですけどね。
コロちゃん関係だなーっと思ったのはポヨネ達からの反応を見てだ。
ニホリの様子も見ても、何が何だかは分からない。
というか、コロちゃん達のやろうとしてることとニホリは関係ないのではないか?
あの子達はコロちゃんを基点にして何かしているのだ。
前にも見たあの線。あれは俺の『テイム』の線に似てた。だから、内容的には力の分配。或いは俺みたいに他の子の力を使うことなんだけど・・・それは俺との繋がりでも出来るはずだしな。
時間が足りないから、足りない分を補おうとしている?
ニホリはそれの補助で必要なのか?
・・・うーん。なんか違うんだよな。しっくりこない。
「・・・何しようとしてるのかねぇ」
「うー?」
「なんでもないよ~」
まぁ、あの子達が日に日に強くなっているのは事実なのだ。
なら、俺から止めることはしないさ。
俺が好きにやって強くなるんだから、あの子達もそうだろう。
ペットは、飼い主に似るからな。
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