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495話

後2週間くらいやすみたいです

「え、マジで何今の」

「きれーにハマっとったなぁ」

「フルコンボでしたねええ」

「うー」


俺を拘束していたフミが消え、動けるようになったのでフミに駆け寄る。

攻撃や動きはほとんど見えていたはずだ。魔力の動きも同じだ。

なのになんで俺はフミが増えていることに気が付かなかった?


「いや正直これ初見殺しやしな」

「そう・・・なのか?」

「まぁ説明されないとわかりませんよね」

「お、ポヨネわかったんか?」

「一応は」

「教えて」

「・・・いいんです?」

「ええで~。どうせ次は意味ないやろうし」

「それでは僭越ながら・・・」


ポヨネの説明を先にかいつまんでいうと、俺が気が付けなかったのは当然だということだ。

それは何故か。


まず、フミが増えたのは別に『分身』とかそういうたぐいのスキルではない。

というか、元々増えるようなスキルではないそうだ。

フミが自分の姿を変えるのに使っているスキル。『変化』だそうだ。


「・・・あれ、戻ってね?」

「えぇ」

「ああ、読み方違うんよ」


最初は『へんげ』だったのが一回進化して、さらにそれが進化して『へんか』になったそうだ。

わかりにくい。


そしてその『変化』で、自分の毛を変えていたらしい。


「ほんまに見えてたんやな」

「明らかに魔力の量が小さかったので、後戻った時に見えたので」

「え・・・あ、もしかしてこの毛か」

「せいかーい」


背中に付いていた一本だけの毛。これがさっきまで俺を拘束していたフミだということらしい。

・・・???


「いや流石に・・・」

「ほれ」

「おお!?」


急に毛がフミに変わる。

なんとかそれを抱き留めた・・・お姫様抱っこみたいになっちゃったけど。


「あ、ずるい!」

「お前がやったんだろ!?」


だがまぁ本当にこの毛だったのか・・・

抱えていたフミはすぐにまた毛に戻った。


「どういうスキルなんだ?」

「ん~・・・まぁあんまり変わらんかな。女神がいじくったみたいやし」

「はい?」


フミの体を変えていたのは、初めのスキルでは見た目だけの変化だった。

そしてスキルが進化して、自分の体を弄れるようになった。

そこにさらに女神が手を加えて、子供が出来る体になった・・・ここで体を固定された。

自分の体を変えるのに使っていたスキルが、その時点で不必要になったのだ。

なので女神がちょろっとスキルに手を加えた。その結果、生まれたのだ『へんげ』だと言うことらしい。


「いや俺にも言えよ」

「変わったん最近やし・・・」

「ん?そうなの?」

「女神には使い続ければこうなるー言われてただけやったしな」


ああそういうことか。なら・・・いや言って欲しかったな。


まぁいいか。

この『変化』と言うスキル。非常に使い勝手がいいらしい。

今までは自分が想像できる姿形。そして自分自身の形を覚えてないといけなかったがそれらが一切なくなったそうだ。

勿論変化対象のイメージは持ってないとちゃんと変われないが、ある程度補正が効くようになったとかなんとか。


何より大きいのは、自分以外の物でも変えることが出来るようになったそうだ。


「ほー・・・だから毛か」

「まぁやっぱり自分の一部がやりやすいんよな」

「石とかでも出来るのか」

「出来るで~ほれ」


足元に生えていた草を引く抜いて、それがペーパーナイフに変わる。

手に持ってみると、完全にプラスチックの感触だ。

ここまで完璧に出来るのか・・・


「・・・触れてなくても出来る?」

「自分の一部だけやけどな」


なるほど、俺の後ろにいきなり現れたのはそれか。

魔力を感じなかったのは・・・スキルの性質かな。元から『変化』も分からなかったし・・・ええいわかりにくい。


「毛をくっつけたのは?」

「くっ付けてはないんよ。雑にその辺に数本撒いただけや」

「じゃあ俺は誘導されてたのか?」

「その通りや」

「マジか・・・」


完全に最初からそれ狙いだったってわけだ。

ある程度俺の動く方向を予測して・・・ああ、あの爆発で毛を散らしたのか。


「いや、小さいうちに変えて走らせてん」

「え?見たい」

「こんなん」

「」(ヤヨー

「可愛い!!」


ミニフミ・・・いや、デフォルメフミだ。一緒だな!可愛い!!


お目目くりくりで動きもどことなく幼い。

後なんかとことこ動いてる可愛い!!


「ジー・・・」

「ハッ!」


フミにジト目で見られたので本題に戻る。


「ごほん・・・地面からの攻撃を防いで飛ばされた時に走らせたのか?」

「あ、ほんまに戻すんやね・・・まぁそれで合っとるで」


ちなみに地面から攻撃もフミの尻尾だったらしい。

また体の一部を変えて、鋭い刃の様にして俺に伸ばしていたらしい。


空中に俺が打ち上げられて、追撃に来た俺に対する攻撃も全部『変化』のおかげらしい。

あれは体全体を切れ味の良いサメ肌のようにして高速回転してただけらしい。

俺が攻撃してた部分は、あまり俺に当たらない部分だったから変化させていなかったらしい。


だから受け止めたのか・・・


「あれは当たるとガードの上から削り取れるでしょうから、逃げで正解ですね」

「頑なっても肌くらいなら削れるんちゃう?」

「こっわ」


ものすごく性能にいいドリルみたいな物か。そりゃ止められないわ。


「んで最後に俺が地上に逃げて、隠れてたフミの偽物が拘束して終わりと」

「そうですね・・・合ってました?」

「うん。完璧やね」


うん・・・確かに初見殺し・・・てか、これ説明聞かないと対策出来ないわ。


「ちなみに変化体達の能力は?」

「うちの半分から4分の1やな」

「・・・俺が動けなくなったのは?」

「関節部分を固めるように拘束させたからやな。後。恭輔に張り付いてたんわ3体やな」

「え」

「後ろの大きいうち1体。触手で2体分やな」

「あれもかよ・・・」


完全に封殺された感じだな・・・これは駄目だなぁ。


「ちょいと、様子見すぎやな」

「先に仕掛けるべきだったか」

「せやね。そうしてたら、少なくともこうも好きにやれんかったし」

「待ちすぎか・・・」


慎重になりすぎた・・・フミの本気という知らない領域の力にビビりすぎてたかな。

攻撃を先にすれば、それこそ槍でもなんでも防ぎながら撃てたはずだ。

其れさえすれば、少なくともどれかしらの攻撃は遅れさせることは出来ただろう。

そうすれば俺に余裕も出来て、もっと周りを見渡せたと・・・


「・・・フミ、もう1回」

「言われると思たわ。まぁええで。ただし・・・」

「・・・回数分か?」

「ん~・・・5回で1回でええで」


5回戦闘で1回お願いということらしい。

いい感じに俺の事をわかっているな本当に。

俺がそれくらいなら軽くやることをわかっている。


「恭輔凝り性やからなぁ」

「はぁ・・・まぁいいか。じゃあ遠慮なく頼むわ」

「へっへ~。全部戦い方変えるからな?」

「そうじゃないと困るわ」


俺の戦いの経験値・・・未知の存在との戦いになれるのが目的だからな。
















再びポヨネに結界を張りなおしてもらう。

先ほどの戦いは、あまり被害はなかったが念のためだ。


さて、肝心のフミだが・・・既に増えている。

数は5体。


「・・・多くね?」

「「「「「えぇ?これくらい余裕やろ~」」」」」

「・・・やってやろうじゃねぇか!!!」

「えぇ・・・」

「うー・・・」



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