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488話

両脇にきつねとたぬきのぬいぐるみを抱えて書いていますが非常にいい。

本物ならなお良かった

「実際瞬間移動って難しいのか?」

「チュン?」

『そんなセリフが出てくるとは思わなかったかな!?』


何でも瞬間移動は非常に難易度・・・とうか、思いつくのが難しいらしい。

技の発想はともかく、それをどうやって行うかを考えるのが難しいそうだ。


これは、それぞれが持つ神力の質にも影響されるらしい。


『例えば、僕の神力は水そのものと言ってもいいんだ』

「フィニちゃんは炎だよな」


ハクコちゃんは・・・なんだ煙?


『あれは風なんじゃよ』

「あー」

『まぁともかくそういう性質によって技のやり方が違うんだよ』

「結果は同じでもってことか?」

『条件も違うし、なんなら本当に結果以外違うなんてこともなるよ』


俺の『飛行』とニホリの『浮遊』が良い例えらしい。

結果だけ見れば、俺もニホリも宙に浮いている。

だけど、中身はまるで別物だ。

俺は飛んでいる、ニホリは浮いているのだ。この差は結構大きい。

やれることに差は全くなくても、別物と言う扱いになるのだ。


これが、神力を用いた技でも同じことが言えるらしい。


『爺の場合、自分自身を大地そのものであるっていう認識でやってる・・・だっけ?』

『そうじゃよ。お主もそれで出来るだろうに』

『自分の形を無くすって普通出来ないから』

「チュン?」

『お主はちと違うのぉ』


亀爺は自分自身を大地と見立てている。その結果、地中に潜りさえすれば地球のどこにでもいるということにも出来る・・・ってことみたいだ。

いや何言ってるんだろうかこの亀は・・・


対してフィニちゃん。

フィニちゃんは炎で穴を作って、その中を移動するイメージ。

炎の道の中は、非常に短い。

出発地点Aから到着店Bまでの距離を焼き切って距離を殺しているんだ。

ハクコちゃんは、煙・・・いや風か。風がどこにでもあるからってところから連想したんだろう。


「・・・ん?なんで出来ないの?」

『自分の形を曖昧にするってそんな簡単に出来るか!?』


ああそういうことか。

なんかフミがいる関係でそういうところはよくわからないわ。

俺自身もフミみたいに自由に変身できるようになっちゃたしな。


『というか、距離を焼くって時点で結構あれだと思うんだけど』

「チュン」

『何言ってんの?』


だって遠いんだもんって理由であれが生れたのか・・・


「・・・じゃあ何が出来るのお前」

『水を操れるよ』

「具体的には?」

『・・・一瞬で日本くらいなら波に飲み込めるかな』

「コワ!?」


そうだこいつら基本的な能力がえぐいんだった。


ちなみに亀爺も似たような範囲で大地を操れるらしい。何だこの規格外。


『いやお主が言うのか』

「お前らの比べれば地味じゃない?」

『そら今はね?・・・いや、君今他の生物の力も使えるよね』

「他の生物っていうか、まぁ家族内なら」

『それ、もっと深めれば地球上に存在するすべての生物・・・僕たちも含めてすべての力が使えるよ』

「え」

『え・・・あ、知らなかったの?』

「初耳です」


え、そんな規模のデカい話だったのこれ。


話しを聞くと、確かに納得のいく話だった。


先ず俺の持っている才能・・・『テイム』の元になった才能は非常に範囲が広い。

さらに地球とまだ浅くとは言え繋がっているから、理屈の上では地球そのものに干渉出来る。

ここまでは、未来の俺にも言われたことだったな。


この繋がりを通じて、世界中の動物たちと繋がることが出来るというのだ。


『やってることは同じだよ。君から地球に、地球から他の生き物にってね』

『まぁ流石に後数日で出来ることではないがの』

『それに、完全にコントロールするにはまだ君の器が足りないしね』

「暴走するってことか」

『そういうこと。だから無理にやらない方がいいよ』

「・・・器って、大きくしたり出来ないのか?」

『出来るけど・・・こればっかりは慣れだからなぁ』


器と言うが、正確にはどれだけ地球の力を自分の中に上手にとどめて置けるかってことらしい。

俺はそのコントロールが下手くそだから、すぐに溢れて暴走する。


『そもそも地球の力なんて一生物が受け止められるわけないしね』

『上手い事制御し、力を回せば扱うことは出来るということじゃ』

「むー・・・」


それは確かに、すぐには出来そうにないな。

ワンチャン暴走の危険がある状態で訓練も出来ないしな。


『まぁあるとすれば、自分が複数いるとかかな』

「自分が複数?」

『君の場合は未来の君と力を合わせれば出来るってこと』

「どうして自分が複数で出来るんだ?」

『単純に、自分の器が2つあるってことだからね。その分許容量が多いんだよ』

『完全に息が合うと言うのが条件じゃがな』

「ほー・・・なんで知ってんだそんなこと」

『未来の君から植えられたんだよ』

『強引じゃったな』

「何してんだ俺」


成長させる時に、一緒に必要そうな知識も与えたらしい。


『・・・あ、でももう一個あった』

「お、何だ?」

『暴走を繰り返せばそのうち器が大きくなる』

「却下で」

『だろうね』

『というか、そんなことされたらこちらも危ないからのぉ。流石に止めるしかなくなるな』


暴走は繰り返すたびに一応強くなるにはなるらしい。

ただ、俺の場合は受け止められる力と成長率。そして才能が相まって大変なことになるそうだ。

具体的には、亀と龍が死ぬ気になって止めても3回くらいしか止められないそうだ。


「フミだと?」

『・・・具合によるかな』

『本気で戦う気で暴走させたら無理じゃ』

『訓練って気分でなら・・・君がどれくらいで正気に戻るか次第かな』

『30分・・・いや、20分以上戦うのは危険じゃろ』

「・・・まぁだよな」


じゃなきゃ死んでないわな・・・ん?そういえば。


「お前らって、あの花と戦わないのか?」

『戦っても勝てないし』

『倒せないんじゃよ』

「お前らでも変わらんのか」

『というか、あの状態だとどうやっても逃げられるよ』

「逃げる?」

『ん?これも聞いてないの?』

『あやつ・・・何を考えておる』

『まぁいいや。教えてあげるよ』


俺が花と呼んでいるあのモンスター。

正確には精霊の類らしい。花が開くことでその姿が現れる。


だが、今の蕾の状態ではそもそも形が出来ていないらしい。

今の時点で大ダメージを与えると、地球に張った根を通じて精霊の核と言うべき部分がその場から消える。

そうなると、地球のもっと中心部に近い場所で魔力を吸収し始める恐れがある。

その場合、完全に開花して地球がダメになるまで手が出せなくなるそうだ。


流石に、そこまでになってしまうとどうしようもないと言うことらしい。

だからこそ、俺達は待っている・・・という状況らしい。


「てか勝てるのか」

『今ならね』

『開花したら流石に無理じゃ』

『魔力が完全に満ち足りた状態は・・・多分だけど想像を超える強さだろうね』

「そこまでか」

『未来の君が・・・僕たちの生みの親で、あの化け物みたいに強い君が暴走しないと倒せなかったやつだよ?』

『まぁ戦った時は今ほどではないだろうが・・・それでも、かなり強かったはずじゃ』

『中途半端な力と、完全な力じゃ差があるのは当然だしね』


うむなるほど。それはそうだわ。

完成度って考えればいいのだろうな。


というか、倒せないってのはどういうことだったのか。

逃げる前に倒しきることは・・・出来ないんだろうな。


『そもそも倒しきれるくらいの実力差がない』

『もっと前に気が付いていれば話しは別じゃが・・・』

「出来なかったのか?」

『無理じゃな』

『僕たちが生れた時にはもういたし』

『未来のお主が干渉を始めた時にはすでにいたらしいからの』

「・・・マジでいつからいたんだあれ」


遠くに感じる花。考えれば考えるほど謎な存在だ。


だが、生まれたきっかけは分かる。

恐らくダンジョンだ。

あれから外に出てきた魔力が、地球を満たした。

それがきっかけで、寄生型精霊が生れた。

その寄生型が、何かしらが原因で地球に寄生し始めたのだろう。


「・・・まぁ考えても仕方ないか」

『そうじゃの』

『だね。今の君が考えるのは、あれを倒すことだよ』

『可能性と言う点でも、未来のお主がいるという点でも、それが確実じゃからな』

「わかってるよ」


とは言っても、彼らも戦いになったら助けてくれるらしい。

ありがたいことだ。


と、もう少し話を聞こうと思ったら電話が来た。

フミからだ。


「ん?・・・もしもし?」

『おー恭輔。今どこおるん?』

「今?海の近くだけど・・・亀爺たちと一緒」

『あ、せやったか。なんや用件あったんか?』

「いいや。暇だったから」

『そんな理由で呼ばれたの僕・・・?』

『ほっほ。まぁそういう時もあるじゃろ』

『せやったら帰って来てくれへん?みーちゃんが毛づくろいしてーいうとるんよ』

「りょーかい。すぐ戻るわ・・・んなわけで帰るわ」

『はいはい・・・ちゃんと、休んでおくんだよ』

『後、楽しむことも忘れずにな。何が起きるかわからんからの』

「わーってるよ」

「チュン!」

「見張るって何よ」


フィニちゃんすぐ寝ちゃうからなー

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