46話
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「マジで対策思いつかないなぁ」
「き~」
「る~」
「思い返せば、俺たち力づくでいろいろ突破してきたしなぁ」
こういう感じに、何かの敵に対する対応策って考えたことないなぁ。
苦戦したのってそれこそ10層ボスの狂化個体のオーガだけなわけだし。あの時もむりやり突破したから作戦はないしな。
何だろうか、考える力がなくなってきたか、純粋に手こずったことがあんまりないせいなのか。
いずれにしても、何も思いつかないことに変わりはないんだけど。
「飛んでる敵はいるにはいたけど、あんなに高く飛び上がってなかったから参考にならん」
「る」
「そもそも、動く的に当てるってことがあまりない」
「る?」
「だって、今まではコロちゃんとかねっさんがかく乱してから狙ってたでしょ?。
それなしで狙うって経験もないんだよな、俺たち」
「る~」
「ない事ずくしじゃん。このタイミングでしれてよかったというべきか。
そもそも、そんなんで悩みたくなかったと思うべきか」
「る」
「まぁ、マズイことになる前に気づけて良かったか」
こうなったら、新しい魔法でも作るか?。自由度は増えてるから、何かしら作れるかもしれん。
もしくは、新しい有用なスキルを手に入れるまで後回しとか。これもありっちゃありなんだよな。どうせ時間制限があるわけじゃないし。魔石さえ手に入れれば時間はゆっくりかけられる。
「なんにせよ、今の手札じゃ無理そうなので魔法を作りましょう」
「る?」
「むしろ、ピッちゃんの『無属性魔法』が一番期待できるし」
「るる!?」
「俺たちが持ってる魔法って、結局自分たちの属性にとらわれているんだよ」
火なら火をおこす。水は水を生み出す。土は土を生み出す。風は風を生み出す。そこから細かい事を決めて魔法を使うわけだ。
だから、込める魔力量はあくまでも生み出すための魔力がほとんどだ。そこから槍状にしたりと形状を決定。その後に発射って感じだ。
だから、できることは全部属性に関わる。土魔法は結局物理攻撃と変わらないし、風魔法は物理的な効果がほとんどない。
「でもピッちゃんの魔法はそこにとらわれないわけで」
「る~」
「だからこそ、俺たちより自由な魔法を作れるってわけだ!」
「るるる!」
「今はまだ、球状と槍しかないけど。こっから増やせるわけだ。俺たちの魔法みたいなオリジナリティあふれる感じで」
「るる?」
「ゴーレムは作らなくてもいいよ?。てかあれは無理じゃない?」
流石に無理じゃないかな?。魔力で全身を構成するってことは、その分魔力の消費が大きくなるわけだし。
俺のは一回その質量分生み出して動かすだけだけど、魔力だけだとどうなるか。
「コントロールむずかしそうじゃない?」
「るー」(ショボーン
「魔法でお揃いは誰もいないから。好きなの作りな?」
「る!」
「ええ、好きでやりたいの?。・・・うーん。一回試す?」
「る!」
「じゃあ行ってみるか」
庭
「とりあえずは、俺のを出すか。ほれ」
「るるー」
最近は慣れたもので、一体出現させるのなら一秒も要らない。初めは一体で数秒かかっていたが、ここまで来れば緊急事態でも使えるかもしれないな。
そのためにはもっと使って慣れていかないとな。
あ、話それた。
「どう?。形状はこれでいいとして、全身を魔力で構成して、その状態をキープってとこからやるべきかな?」
「るるる~!」
「消費し続けるか、一回作ったらしばらく大丈夫なのか。後者だったら言えよ?」
「るるるー」
「すでに集中している・・・」
でも、魔力が固まる様子がないな。形を決めるだけなら普通の魔法と変わらないはずだけど。
「もしかして、魔力量が足りてない?」
「るる?」
「もっと込められる?」
「る!」
「じゃあ量を増やしてみようか。もしかして、想像している物を作るのに魔力量がたりないのかもしれない」
「るるー」
「とりあえず、倍くらい?」
「る!」
込める量を変えたからか、さっきより実体に近づいている気がする。無属性の魔力は白色だから見にくいけど。
でもまだ足りてない?。今の時点で俺のゴーレムの使用魔力を大きく上回っている。このままだと、戦闘じゃ使えそうにないな。消耗がでかすぎるわ。
魔力を込めまくれば行けそうだけど、どうなんだろうか。イメージを固めるのにも俺のゴーレムは隣にいるからそれはないだろう。
他に考えられる理由は・・・
「もしかして、スキルの成長不足?」
「るる?」
「でも、そこそこ使ってるよな?」
「るー」
「レベルも追いついては来てるわけだし」
「るるー」
「うーん・・・・」
俺が初めてゴーレム作った日の俺ってどんな時だっけ?。
レベルもスキルも今のピッちゃんより強かったと思うけど、そこまで差はなかっただろう。
他の原因・・・
「『精密操作』か?」
「る?」
「初めてゴーレムを作った時に手に入れたスキルなんだけど、これがないといけないのかなっと」
「るるー!」
「欲しいってもなぁ。あれ以来見たことないしい。いや、そもそもスキル自体被ったことないんだけど」
「る」
「別のやろうか。元々そっちが目的だし。今度もゴーレム見せてあげるから」
「る?。るるー!」
「じゃあまずは・・・」
ある日の午後は、こうして魔法の制作で過ぎていった。




