482話
予約投稿出来てなかった・・・
「・・・明らかにさっきより気を使うよなこれ」
「き!」
「早速ですか!?」
今日は本当に良く動いてるな俺。
飛んでいるとえげつない勢いの強風に煽られる。
めっちゃくちゃ強風だ。その範囲から『高速移動』で逃れる。飛びながらだ。
だが、それでも強風は意思を持っているかのように俺を追いかけてくる。
魔法の風として色が付いてなかったら逃れるのすら面倒だぞこれ。
地味に捕まったら一発でアウトだし。
皆の魔法を使って気分転換をした後。
今度は飛んだ場合での『高速移動』を使って動くってのを試している。
バトちゃんに魔法を使ってもらっているのはちゃんと動けるかを試したかったんだよね。
「きー?」
「さらっと俺に追いつくのやめてくれます?」
おかしいな完全に置いてったはずなんだけど・・・?
何故かバトちゃんに追いつかれるっていうね。
『高速移動』込みで動いたからめっちゃ速いはずなんだけどなぁ。
恐らく俺の直線移動より完全に軌道をコントロールして動くバトちゃんとの差なんだろうけどさ。
ここまであっさり追いつかれるんすね。
「これはこれで悔しいな・・・」
「きー?」
「・・・まぁあの花と戦うなら飛んでるのが基本になるだろうからな」
「き!」
「にゃー」
「あらふーりんちゃん。もう遊ぶのはいいの?」
「にゃ」
「カルちゃんは?」
「にー」
「あーね」
結局俺からおやつ分けてもらってご満悦なふーちゃんを抱っこしてたら寝たと。
んで召喚主のピッちゃんは羊達と走り回ってて来ないってか。
おかしいな、俺が飛ぶ時の参考にしたかったんだけどな。
「まぁいいか。速く動くのはお前らだし」
「き♪」
「にゃ~」
自分で風を起こして加速するバトちゃん。
自分の体を自由自在に操ることでよくわからん加速を行うふーりんちゃん。
正直参考になるのはバトちゃんだけなんだけど、何か掴めるかもしれないしね。
今回みたいのは、空中での高機動だ。
地上ではそれこそスキルの持ち主のコロちゃんを見てればよかったんだけど、空中ではそうもいかない。
なにせ全方向に動けるからな。後手足を動かして移動するわけではないから、走るってイメージだと普通に失敗する。
てかさっき失敗したんだよ。
だから今やってるっていうのもある。おもいっきり地面に激突しそうになったよね。
いや埋まっても大丈夫なんだけどさ。
「んじゃ頼める?」
「き~?」
「にゃ~」
ついでに他の事も試したいからな。俺はここで待っているだけだ。
バトちゃんとふーりんちゃんが俺から離れていく。
ある程度ゆっくり離れたところで、同時に加速した。
「んーやっぱり速いな」
俺の速さとは違う速さだ。
今回障害物として、空中に土の塊をいくつか配置している。
これを避けて、事前に決められたコースを辿って俺のところに戻ってくるっていう感じだ。
やっぱり最高速度ではバトちゃんが上だ。
だが、軌道変更などでふーりんちゃんは減速が起きないから、そこまで距離が離されずにいる。
それどころか追いつきそうな場面もある。
これは・・・どういうことなのだろうか。
「バトちゃんは直線番長やから」
「ん?」
「やっほー」
「フミ?え、何そのホバリング」
「割と楽なんよこれ?」
「嘘だろ」
バフンバフン言ってるけど。
フミの飛行・・・飛行じゃないな。これジャンプなんだよな多分。
落ちる前に空気を蹴ってさらに跳ぶ。俺も似たようなことはさっきやったけど、あれは一瞬だったから出来たってがある。
フミみたいにずっとは、普通にスタミナが足りないんだよな。
能力的には問題ないと思うんだけど。
「ほれ、バトちゃん見てみ」
「いや見るけど」
「曲がる時とかわかりやすいで」
曲がる時?
大体コースの半分くらうに差し掛かっていた。
そこには細かい岩を無数に浮かせているから、そのまま突っ込んじゃうと激突してしまう。
その場所をバトちゃんは・・・急停止と急加速の繰り返しで突破した。
「は?」
「あれ、今の恭輔の強化版みたいな動きになっとるやろ」
「・・・止まってもいいの?」
「ええっちゅうか・・・止まっても最高速まで一瞬やから出来るってだけやけど」
あーそういうこと?
俺も『高速移動』を使えば最高速までは一瞬でたどり着ける。
だけど、どうしても動く時に俺自身が踏み込んだりしないといけないのだ。
だからその分俺が力む待ち時間が発生する。
だけどバトちゃんはそれがない。
止まっているのだけど止まってないって言うのか・・・
説明しにくいな。
「止まっても、それが隙にならんのやな」
「んー?」
「恭輔の場合、泊まって動こうとするとどうしてもその動こうとする動作を中断するのが難しいやろ?」
「・・・え、バトちゃん出来んの?」
「出来るどころかバトちゃん急に向きも変えられるで」
「知らなかったんですけど」
「まぁ普段使わんしなあんな曲芸みたいな動き」
バトちゃん自身は魔法で後方から攻撃することが多いから。
それに基本空中から地上の敵に向かって攻撃するのが多いから、使うことが基本的にない動きなんだそうだ。
そら見たことないわ。
うん。確かによく見ると前を向きながら横に動くとかしている。
完全に俺向けのパフォーマンスだけど、そういう動きもあるのか。
「恭輔もあれが出来るんなら、止まってもええんやけどね」
「無理無理無理」
「まぁやろな」
地味にバトちゃんがコウモリだってのも大きいのだろう。
恐らく耳で障害物の位置を把握して見ずに動いている。
だから視界で捉えなきゃいけない分のロスがないし、どっちの方向に動くのかも悩まずに済むってわけだ。
完全にバトちゃんが自分の特性を活かしているって感じだ。
それに対して、ふーりんちゃんはどうだろうか。
障害物何て精霊だから通り抜けて躱せるんだけど、まぁ今回は無しで。
ふーりんちゃんの移動を例えるのなら・・・ものすごく速い紙かな・・・
「え?何その例え」
「そうとした言いようがなくない?」
ひらひらしてるんだよふーりんちゃん。
岩を掠めるようにしているが、その実余裕があるように見える。
クルクルと回転しながら動き、止まることがない。
曲がる時も一回かるーく曲がるのだ。質量がないってのがわかりやすく見れる。
コロちゃんの動き方とも違うんだよな・・・
コロちゃんのカクンカクンカクンみたいな動きなんだけど、ふーりんちゃんはひらひらふわって感じ。
「なんや変なこと考えてへん?」
「気のせいです」
変な例えはしてるけど。
とにかく、ふーりんちゃんにはバトちゃんにすらある一瞬のタイムロスが存在しない。
最高速度で負けている分、こういう部分で差が埋まるのだろう。
だからこその割といい勝負なのか。うん、普通に見てて面白いなこれ。
競馬にハマる人ってこういう感じか?
「・・・フミがやったらどうなる?」
「え?岩事ぶち抜くで」
「避けろ」
障害物走知らんのか?
「・・・障害物槍?」
「なんだその怖い槍」
いやそら知らんわな。
「きー♪!!」
「にゃ~」
「きき」
「あ、お疲れさん」
「きーき」
「んにゃ」
「はいはい」
褒めて褒めてと擦り寄ってくる。
バトちゃんは手のひらに乗せて、ふーりんちゃんは肩に乗せながら撫でる。
「緑のマフラーみたいなっとる」
「にゃ?」
ふーりんちゃん体伸ばしてるのね・・・ん?もしかしてこれも原因か?
「もしかして曲がる時とか一瞬縮んでる?」
「き?」
「え?そんなことしてたん?」
「・・・にゃ?」
わからんのかい。
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