481話
何だかんだそろそろこの作品も一年が経ちそうです。
その前に終わる・・・と思います多分。
そしたら違うの投稿しようかなー
・・・あ、残業伸びました
「『高速移動』だけやと飽きるやろ?気分転換せん?」
「と、言いますと?」
「他の魔法スキル試せばええんちゃう?」
なるほどおもしろそうだ。
そんなわけでそれぞれ魔法を使う子に傍にいてもらうことに。
先ずは風から行きましょう。
「バトちゃん・・・は羽根だったな」
「き~」
魔法を発動させるイメージの話だ。
先ずはそれを俺に・・・人間に置き換えないとな。
「とは言っても羽根て何に変えるんだよ」
「・・・き?」
「まぁそれくらいか」
足を思いっきり蹴るように振って風を起こすイメージでやるのしかないよな。
手で扇ぐのもいいんだろうけど、それだとあんまりいい風起きなさそうなんだよね。
とりあえずやってみるか。
左半身を前に出す格好で構えて・・・一気に振りぬく。
足に纏われた魔力が風に変わり、大地を切り裂きながら飛んでいった。
「・・・」
「・・・」
「・・・何か違う」
「き」
あれ~・・・?
俺のイメージでは風の塊を撃つイメージでやったんだけどな。
何故か刃が飛んでいった。
これは・・・俺がバトちゃんの使う魔法のイメージに引っ張られたのか?
だけどそれにしったってイメージと違いすぎないかこれ。
「何かあんのかこれ?」
「き~?」
「ん~・・・手のひらだと普通につむじ風っぽいの出来るんだけどな」
足でやるからダメなのか?
「腕振ってみる?」
「き」
「ういうい」
普通に何も考えずに振り下ろす。
すると再びまっすぐに風の刃が飛んでいった。
今度は射出場所が高い場所だったから、地面をぶった切るようばことはしなかったけど。
「・・・俺の動かし方の問題?」
「き~?」
「となると殴る感じか」
そいやっと軽く拳を突き出す。
すると今度はちゃんと拳の形で飛んでいく。
「おおー」
「ききー」
「俺の振り方で変わるのかこれ」
「・・・き?」
「おかしいよねぇ」
今までの魔法の使い方と違くて戸惑うわ。
今までは振り方や出し方が何でも良かった。
自分達の中でのイメージが強固であればそれで使えたのだ。
だけど、今はイメージしても全くその形にならない。
何か、普通の魔法とは違う要素でもあるのだろうか・・・それこそ、スキルの共有を使ってるってことくらいだけどなぁ。
それだったら『高速移動』の時も何かありそうなもんだし。
「お困りの様ですね!!」
「その声はポヨネ・・・何故にそんなに濡れている」
「いえ海に落ちまして・・・」
テンションの上がったゆにちゃんに吹っ飛ばされたそうです。
休憩がてら俺の方に来たらしい。
「とりあえず乾かすぞ」
「お願いします。あ、でもドライヤーない・・・」
「いや大丈夫」
「??」
「こうする」
片手で風、片手で火を起こす。
火は小さめ、本当に温める程度の熱で止める。
風もそこまで強くじゃなくて、ドライヤーくらいでだ。
「おお!そんなことできるようになってたんですか?」
「いや、今考えた」
「き?」
「これくらいならなぁ」
それこそこの程度ならイメージだけで出来るんだよな・・・威力と規模の問題かな。
まぁ一旦ポヨネを乾かすか。
毛を梳かす用の櫛は普通に持ってきているから、バトちゃんに持ってきてもらう。
「それで?何で悩んでたんです?」
「実はな・・・」
ポヨネにさっと説明する。
すると、何やら思い当たることがあるようだ。
「それ、恭輔さんの魔法に引っ張られてるんじゃないですか?」
「俺の?バトちゃんのじゃなくて?」
「はい。あくまでもバトちゃんは許可を出しているだけですし」
「きき~」
「それで何か影響が出るって言うのは・・・何か違う気がするんですよ」
「なるほどな」
まぁ一理あるな。
「じゃあ俺の魔法って?」
「正確には、今まで恭輔さんが使ってきた魔法のやり方が影響しているのかと」
「・・・あー」
なるほどね。
俺は大体・・・というかほぼすべての魔法でそうなのだが、
使う時には動作を入れる。
槍を撃つのなら腕を振ったりだ。
その魔法の動きで俺の体の動かし方も変えていた。
今回は、それが逆に影響しているのだろう。
俺の動かし方で魔法の結果が変わるようになったと。
「そういうことですね」
「魔法を出すってイメージと、魔法を出すための動きが反対になったのか・・・」
「き?」
「多分ですけど、慣れてない魔法だから、イメージ自体が違うんじゃないですか?」
「お?」
「今まで物理的な質量を持つ物を魔法で生み出して使うってイメージでしたけど・・・風は全く違いますから」
「ふむふむ」
俺のイメージってのもあると・・・確かにありそうだ。
よくもまぁ聞いただけでこんな一気に思いつくわ。
「魔法を使うってところだけは合ってるから、結局俺の動きに沿うようになっちゃったのかぁ」
「まぁ練習あるのみかと」
「き!」
「まぁ確かにな。そういう理由ならなんとかなりそうだし」
てか、魔法のイメージもバトちゃんと共有出来たら楽なんだけどなぁ・・・
とりあえず、全種類試してみた。
その中で一番使いやすかったのは・・・何と無属性。ピッちゃんの魔法だ。
決まった形がない無属性魔法だから、俺のイメージでも普通に発動したってのが大きかった。
後は全部どっこどっこいだった。
強いて言うなら、雷が使いにくかったな。めちゃくちゃ速い魔法だから、感覚が違いすぎた。
結論として、俺が今まで使ってきた魔法との差異が少なければ少ないほど違和感なく使える。
「うん。同時に使うのも・・・まぁいけそうかな」
「器用ですよねぇこういうの」
「そうか?考えるだけでいいから楽なんだけど」
体動かさなくていい分『高速移動』より制御しやすいんだよな。
勿論集中力は必要だけどさ。
流石にこれを合わせて合体技ーとかはまだ出来そうにないけど・・・
「これくらいなら片手間でも出来そうだな」
「魔法面才能ありすぎですよ」
「まぁ俺基本そっち向けだったしな」
何か最近忘れがちだったけどな。
肉体面は姉ちゃん、頭脳面は俺の方が親父たちの才能を受け継いでいるのだ。
何か色々あってフィジカル面鍛えられてるけど。
「『高速移動』もまぁ、使ってけば慣れそうな感覚だしな」
「それは普通にいいことですね。回避に攻撃に何でも使えますから」
「まぁ残りの日数全部それに費やすかもだけど」
「いいんじゃないですか?ここなら皆暇にならないでしょうし」
「ぶっちゃけ俺がここに来た理由の大半がそれが理由だ」
「えぇ・・・」
当然でしょ。
ぶっちゃけ俺の訓練ならどこでもできるわ。
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