477話
FF14からサメのミニオンのぬいぐるみがUFOキャッチャーで出るそうですね。
・・・取るかぁ
俺ってのは、今の俺じゃなくて未来の俺だ。
今の俺に、前世云々とかに影響が出そうな力はない。だが、未来の俺にはある。
時間すら超えることの出来る存在なら・・・あるいわってところだ。
問題は、偶々ロラちゃんが前世でもロラちゃんだったのかどうかだ。
俺のところに来てくれたのか。
俺がテイムした子が偶々ロラちゃんだったのかだ。
後者なら、まぁ運がいいってだけで終わる。
未来でそれを何かがきっかけで思い出して、今のロラちゃんと一体化した時に、今のロラちゃんも前世を思い出した。
だけど・・・前世なら少しややこしくなる。
俺の所に、ロラちゃんが来ることが決まっていたというと・・・
「でも、それはロラちゃんの意思じゃないしな」
「」(ウユ?
何かしらが原因で、必ずロラちゃんが俺のところに生まれ変わってくるとしたら。
それが出来る場所で、時代に、生まれてくるのが決まっていたら?
それが起きた場合、俺に何が必要だ。
俺と、ロラちゃんを結びつけるだけの何か。
・・・いや、決まってるか。
「『テイム』か」
「」(ウニー
可愛いなこいつ・・・
体を軽く揺らしながら、俺に頭を撫でられて嬉しそうにしている。
って違う違う。
『テイム』だとしても、問題はあるか。
そもそも俺がロラちゃんをテイムしたのは今のロラちゃんになってから・・・クロロラビットのロラちゃんをテイムしたのだ。
普通の動物・・・ロップイヤーだった時のロラちゃんは違う。
順番が無茶苦茶になってしまう。
・・・あー・・・いや・・・そういうことか。
『俺達に一番必要のないスキルだからなぁ・・・』
「・・・やっぱりかぁ」
・・・・・・・・・
「いやなんでいんだお前」
『いや、そろそろロラちゃんバレっかなって』
流石俺だなおい。
『ロラちゃんが全く来てくれない・・・!!!』
「いやそらね」
「」(ギュー
未来のロラちゃんと一体化してるけど、ロラちゃんは俺のロラちゃんだから。
『遊んでくれたのは?』
「」(オネガイ
『うちの子いい子だ!!』
「知ってるわ」
何の話だおい。
何か最近急に現れても全く驚かなくなったな・・・
これ、女神の時と同じだ。別に慣れなくてもいい奴に慣れたタイプだ。
「はぁ・・・んで?今日はロラちゃんの様子見?」
『それもある!・・・後は、答え合わせだな』
「へぇ。してくれるんだ」
『一応な。俺は、悩み事抱えたまま戦えないからな」
「まことその通りで。フミにも言われたよ」
『だろうな。バトちゃんとフィニちゃんも聞いてくか?』
「・・・きー」
「チュン」
『そっか』
バトちゃんとフィニちゃんは聞かないらしい。
どんなことがあっても、自分達が変わることはないからだってさ。
だけどロラちゃんは関係者なので逃がしませんよ。
「」(ナンデー
『いやお前・・・ああうん。ロラちゃんだわ』
「お前も、思い出したの最近か?」
『知ってはいたってだけだな。無理やり消された地球の記録を見たから』
俺が思い出したから、それがトリガーになって未来の俺も思い出したのか?
いや、ロラちゃんが自分で喋ったのがきっかけかな?
『ああいや。きっかけは別なんだが・・・まぁ今はいいか』
「うん?いいのか?」
『うん。ロラちゃんも秘密にしたいだろうからな』
「」(ウン
ロラちゃんが関わっているのか?
しかも秘密ってことは、ロラちゃんに何かを任せた誰かってことか・・・?
『だから良いんだよ。今は・・・俺達の答え合わせだ』
「・・・メインは『テイム』か」
『そそ。そもそも、ロラちゃんがロラちゃんだった原因でもある』
「・・・」
・・・俺の予想は、当たっていそうだな。
未来の俺は、自分の持つ記録と記憶を辿った結果を教えてくれた。
まず大前提として・・・俺には本当は『テイム』は必要なかったスキルだそうだ。
『テイム』の本質は、種族を越えて意思疎通を行うためのスキル。
冒険者カードに名前が載るのは、女神が手を加えたものだ。
本当の『テイム』・・・元となった才能には、そんな物はない。
『俺が、元から動物達と・・・ロラちゃんの言葉が分かるようになったのは才能があったからだな』
「まぁ・・・だろうな」
『んで、その才能こそが、『テイム』の原型だった』
地球の知識には、女神がどの才能をどのようなスキルにしたかまで残っているそうだ。
それを見たから、間違いなく正しい情報らしい。
『大昔にも、俺達みたいな人がいたってことだろうな』
「なんとなくその方がしっくりくるな」
そして俺たちの持っていた才能は、まさに『テイム』の力を持っている。
本来の『テイム』は、一度テイムを行うと対象の生物との間にラインを形成する。
そのラインを通じて、お互いに意思疎通を行うという物だったらしい。
「・・・ん?俺が皆のスキルを使うのは?」
『・・・お前はさ。スキルと才能なら・・・どっちの方が伸びしろがあると思うよ』
「そら才能だろうよ」
『なんでだ?』
「なんでって・・・スキルは、女神が作ったんだろ?だったら、いい意味でその形を越えてくることはないだろ」
『じゃあ『昇華』は?『真化』に変わったけど』
「あれは人型・・・ああ、ニホリのせいなのか」
『よし、そこまでわかってるなら問題ないな』
つまり俺がみんなのスキルを使えるようになったのは、俺が元から持っていた才能が成長。
スキルとして『テイム』を得たことでそれが開花した結果らしい。
「じゃあ俺だけしか出来ないのか」
『俺と同じ才能を持ち、『テイム』を手に入れられたら出来るぞ』
「・・・」
『・・・』
「『いや無理無理』」
確率ひっくい。
「んで、それとロラちゃんに何の関係があるんだ?」
「」(スリスリ
『ああ・・・』
「・・・話し終わったら抱っこしていいから」
『すぐに終わらすぞ。ぶっちゃけ俺のせいだし』
「はい?」
現金だな俺と思う間もなかった。
未来の俺が、地球との繋がりを深めた時・・・つまり、暴走した時。
その瞬間に、大門恭輔とみんなを繋ぐラインを通じて、大門恭輔の力が流れ出した。
「・・・は」
『それは、もう死んでいたあの子達も例外じゃなかった・・・そうだな?ロラちゃん』
「」(コクリ
未来のロラちゃんは、その瞬間に思い出した。
『ロラちゃんが俺のところに来たのは・・・まぁ運命だな。決まってた運命だ』
「繋がりを通じて・・・俺のところに?」
『まぁ、繋がってたらいいってわけじゃない。俺も、ロラちゃんも。お互いがそれを願わないと叶わなかっただろうな』
・・・心あたりはある。俺は結局、あきらめきれてなかった。
じゃあ他の子達は
『わかんねぇ。その部分は、まだ分からないんだ』
「分からない・・・?」
『名前。まだ思い出せないだろ』
「そうだけど・・・」
『名前を思い出す。または、俺達が忘れているあの子達を見つけない限り、あの子達の部分だけは見れない』
今回は、ロラちゃんを見つけたから分かったことのようだ。
『まぁただ、わかってることもある』
「なんだ?」
『お前も分かってるよ思うけど・・・こいつら、なーんか企んでるんだよなぁ』
「」(シラー
『めっちゃ目逸らされた・・・』
「落ち込むんかい」
他人から見た俺ってこうなるのか・・・すげぇ理解できるんだけど。
『んまぁともかく。この子達の企み的には、俺に・・・というか、地球にバレない方がいいらしい』
「地球に隠し事って出来るのか?」
『出来てるだろ。ロラちゃんがいい例だ』
「あー」
ロラちゃんは未来の自分自身を消費することで、過去に干渉するにあたっての問題を解決した。
つまり、地球上での活動でも、地球に隠し事・・・この場合は騙すの方が正しいか。
それが出来るという証明になる。
『ロラちゃんを基点に、何かするってのは分かるんだが・・・どれもこれも実現できそうになくってな』
「・・・みんなを蘇らせるとか?」
『そういう感じ。まぁ結局ロラちゃんだけじゃどうしたって力が足りない』
他の子達も含めれば足りるだろうが、その場合は他の子達も全員ロラちゃんの傍にいる必要がある。
何より、それを俺に隠す必要は一切ない。
そもそもそれは、他の皆・・・11匹の皆が全員転生していることが前提だ。
「俺の考え的には、してないと」
『そう考えてる。てか、しててもまた死んでる』
「なんでだ?俺に『テイム』が必要ないなら・・・」
『コロちゃん達と同じで生きてるはずだって?お前、今自分が把握している以外の繋がりが見えてるか?』
「・・・いや、皆うちの子だけど」
『ロラちゃんが前世を思い出すまで、俺もロラちゃんがロラちゃんだって気が付かなかったのは?』
「・・・ああ、そういうことか」
記憶が重要なのか。
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