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476話

もう今更言わずとも大丈夫でしょうが、第3波だそうですし手洗いうがいなどは気を付けていきましょう

「・・・」

「」(・・・


言葉が・・・出てこない

ロラちゃんが、■■であった記憶があるということ。

思い出したのが、俺に出会ったあの時だったこと。

・・・未来の自分自身が、望んで自分と一つになったこと。


「・・・ロラちゃん・・・そうだ。ロラちゃん」


そして、それが切っ掛けだったのだろう。

ようやく、あの子の・・・はじめてうちに来たあのウサギの子の名前を思い出せた。


ロラちゃん・・・ああそうだ。ロラちゃんだ。

あの子の名前はロラちゃん。

既に、あのタイミングで俺の記憶は消えていたのだろう。

なにせ、同じ名前を付けても何も思わなかったのだから。

でも・・・それでも俺は、この子に同じ名前を付けていた。付けることが出来た。


「ロラちゃん?」

「」(・・・ギュ

「・・・ああ、そうだ。この子だ」


テイムの繋がりが、他の子より太いのは当然だ。

何年も前から、ずっと俺といた子なのだから。


触れて、感じて・・・改めてこの子を理解出来た。

俺は今まで、見ていなかったのだ。

この子が、ロラちゃんであると言うことを。


「ああ・・・ああああああ!!!」

「」(ギュー


温かい。

かつて、いつも感じていた温かさだ。

一気に、記憶が戻ってくる。

隠された記憶が・・・消されたはずの思い出が、あふれてくる。


一緒に寝ていた。一緒にご飯も食べた。一緒に遊んだ。一緒に怒られた。一緒にいた。ずっと、一緒にいた。


ずっと・・・一緒に居たかったんだ・・・

















「」(モウイイ?

「ああ・・・ありがとな。ロラちゃん」


かなり、長い間忘れていたぬくもりだ。

バトちゃんとフィニちゃんが、気を使って出ていったのにも気が付かなかった。


「でも、なんでロラちゃんがこの時代に?」

「」(マカサレタ

「任され・・・?誰にだ?」

「」(イー

「秘密って・・・まだ教えてくれないのか?」

「」(トッテオキ

「・・・そうか。他の子達か」

「」(ギク

「隠せると思うなよ?・・・未来の俺も知ってるのか?」

「」(ウン


やっぱりか。

しかもなんだ。この間遊んだって・・・ずるい・・・ああでも、あいつからしたらもう会えない子になったわけだしな。

俺が同じ立場だったら、間違いなく遊びに来るんだけど。

複雑だ・・・非常に複雑な気分だ。


でも、他の子達か・・・

俺が、コロちゃんに出会うまでに飼っていた動物たちは全部で7匹。

兎、狐、犬、猫、蛇、鳥、亀、ハリネズミ。

コロちゃんが来たのが、俺が中学生の時だから、大体10数年間の間に出会った子達だ。

まぁほとんど母さんが連れてきた子なんだけど。

その子達が、ロラちゃんに何かを託した・・・何を託した。何を頼んだ?


そもそも、なんでロラちゃんは昔の事を覚えているんだ?

所謂転生ってことになるんだろうけど・・・何故それがロラちゃんの身に起きたか。

それに、他の子達もどうやってそんなことが出来るほどの力を手に入れたんだ?

何かするには、それ相応の力が必要だ。それに、皆死んじゃってるから、そもそも出来ることなんて・・・


「」(オイ

「おう・・・なんか、遠慮なくなってね?」

「」(ダンダン

「わかったわかった・・・お前年齢的には祖母ちゃんだろうに・・・」


いつまでたっても子供なんだから・・・


何?バレたから遠慮するのやめた?遠慮って何に・・・ああ、他の子か。


何でも他の子達は名前も呼んでもらえないし抱っこもしてもらえないからずるっこしてると思ってたらしい。

だけど今バレたから、もはや遠慮は不要と。

・・・いい子だなぁ・・・あ、前からか。


「き?」

「チュン?」

「あ、バトちゃんフィニちゃん。すまんな気を使わせて」

「き~」

「チュンチュン」

「」(ペコリ

「き?」

「」(グッ

「きき~♪」


むむ。流石バトちゃんと言うかなんというか。

ここ最近のロラちゃんの微妙な違いに気が付いていたらしい。

俺が段々変えなければいけない問題に近づくたびに、ロラちゃんも少しずつ様子が変わっていたそうだ。

俺は俺で一杯一杯だったから、気が付くことが出来なかったが。


「チュン?」

「うん。お前はそのままでいていいぞ」

「チュン」


フィニちゃんはフィニちゃんのままで行こう。


「ところで、ロラちゃん前はロップイヤーだったのに何でぴんってなってんの?」

「」(??

「ああ、どっちでもいいんだ」


ロラちゃんはぴんと立った耳がチャーミングなんだけど・・・たれ耳もいいな・・・


「きー?」

「え?・・・ああ、お墓の事か」

「・・・きき?」

「・・・正直忘れてた」


未だにロラちゃん以外の子の名前は思い出せてないのに何をしているんだ俺は・・・

だが、姿ははっきりと思い出せるようになった。

この記憶の消去は、ロラちゃんが原因だったのか。

これは、未来の俺からも愚痴られてそうだな。


「言われただろ」

「」(ウン

「だろうね」


俺も言うわ。


「んで、お墓は何の為・・・ああ、秘密なのね」


耳垂らしてアーアーキコエナイーってするってどんだけ聞かれたくないのよ。

ヨミにも言ってないんだろお前・・・あ、ヨミで思い出した。


「ロラちゃん。未来の記憶はあるのか?」

「」(フルフル

「ないの?じゃあなんで未来の事を知ってるんだ?」


そうなると色々分からないことが増えるんだけど・・・


と、思ったので聞いてみると、どうにも記憶にはないって感じらしい。

人間でいうところの、映画を見たような感覚に近いらしい。

追体験が近いのかな?

それでも自分自身ではないから、記憶があるってわけではないらしい。


前世を思い出して、その瞬間に未来の自分と一つになったらしい。

自分に憑依するような形で表れて、バーッと捲し立てられて合体が終わったらしい。


「え、それで理解できたの?」

「」(ウン

「出来るのか・・・」


いやまぁ・・・自分自身だしな。


「後は前世問題か・・・俺と出会った時・・・未来の俺には、結構甘えてたのか?」

「」(??

「いや、未来のお前は、別に何とも合体してないわけだし・・・他の子に遠慮することもないんじゃないか?」


何かを託されたから、この時代に来たんだろ?

だったら、未来のロラちゃんは普通に甘えていたと思うんだけど・・・


だが、ロラちゃんの答えは俺の想像の外の答えだった。


「」(シラナカッタ

「・・・は?」


知らなかった・・・?

・・・まさか。


「前世を、思い出してなかった?」

「」(ウン!

「・・・元気!!」


もしかして・・・思い出した原因は俺か?

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