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4話

感想でコウモリの生態についてご指摘をいただきましたので修正しました。

俺たちがダンジョンからうち戻ってから一日が過ぎた。

最初は母さんにコウモリのお披露目だったが扱いがすらっぴと変わらなかった。一応わかりやすく危なそうな牙とか持ってるんですけどね。

ちなみに名前はまた母さん発祥でバトちゃんになった。いま思ったんだが母さん安直すぎないか?気に入っているようなのでいいんだが。

あとコウモリ、もといバトちゃんの食べ物だが、なんと驚き何でもいいようなのだ。野菜が嫌いで肉が大好き。果物も好き。コウモリってか人間の子どもかこいつは。親父も母さんもそれを見て喜んでたが。コウモリは普通昆虫食らしい。

正確には、コウモリ亜目のコウモリが昆虫を食べることが多いらしい。まあ、肉とか植物とか血とか食べる種類もいるらしいけど。


コウモリはあんまり知らないなぁ。今度調べないと。

バトちゃんに完全に当てはめていいのかわからんけども。



それで、戻った理由の一つでもあるダンジョンが他にもあるかってことなんだが、あった。すぐに見つかった。


なんと新宿駅西口の目の前に穴が開いたそうだ。でも線路に影響はないようで普通に電車は走っているらしい。店はさすがに休みになったようだが。

他にも何か所か同じようなものが見つかったようで国の偉い人たちは大混乱のようだ。偉い人に限らず混乱してるところは混乱中だな。


とりあえず親父は今わかっていることを報告するために研究でしりあった伝手を使って報告に行くらしい。母さんもついていくそうだ。

うちにあるあのダンジョンについてはいまはまだ報告しないらしい。何でも自分が思う存分見てからいうとかなんとか。危なかったらどうするんだとも思ったが、あの人たちだし止まらないだろう。



そんなわけで、家に一人と三匹になった。俺とすらっぴとバトちゃん。あと飼い犬のコロちゃん。

コロちゃんはマジもんの狼だから飼い犬じゃないけど。飼い狼だ。

狼って飼っていいのか?とうちに来た当時思ったので調べたこともある。

どうも飼うのは手続きをしっかりしていれば問題ないようだ。問題は入手が困難ということで。愛玩動物としての利用、販売目的での輸出禁止と。要するに、最初からペット目的で手に入れることができないのだ。

連れてきたのは母さんだがどうやったんだ?と今でも思う。教えてくれないので真相は闇の中だが・・・

あと狼にコロちゃんはないだろう。



「お前はどう思うよコロちゃん」


「ワン」


「気にしてなさそうだな」



今年で3歳らしくまだ子供なのでちょっと小さめ。しかし狼であることには違いないので力は強い強い。散歩も一苦労だ。

すらっぴとバトちゃんを見ても動じないあたり、流石大門一族にいるだけあるなと思ったが。



「ぴー」


「きー」


「ワン!」


「仲いいなぁ」



ちなみに狼はワンとは本来鳴かない。人間の耳が悪いのを学ぶと鳴くようになるらしい。気遣いがすごい。



「そういや、ダンジョンものだと飼い犬とか猫とかといっしょに戦ったりしてるけど・・・」


「?(首傾げ」


「うちの思いっきり狼なんだけど」



何もしなくても強そうなんだけど。



「『テイム』ってやったらテイムできたりしてな。まぁないd「ポーン」・・・え」



『初めてダンジョン外でモンスターへのテイム成功を確認しました。スキルスクロールを送ります』



「・・・」


「ぴ?」


「き?」


「ワン?」


「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!?!?!?!?!?」



























「すまん、落ち着いた」


「ぴー」



・・・まさかできてしまうとは。普通ダンジョン内でしか使えないとか、モンスターじゃないと使えないとかじゃないのか?

・・・すらっぴは外でテイムしたな。



「マジかぁ」


「ワン!」


「だよなぁ」



今はやっちまったもんは気にするな的なことを言われた。・・・やっぱり意思疎通がしやすくなってるよな。ありがたいからいいけど。



「とりあえず、どうするか。親父たちに連絡はもちろんするとして、あと何か・・・」



・・・よく考えたらそんなにすることないのか?大体テイムしたかどうかは俺のカードも見ないとわからないわけだし。黙ってればバレないのでは?親父たちには言うけどさ。

あとスクロールどうにかしないと。



「うーん、使うべきか、使わざるべきか・・・」


「ぴ?」


「悩んでんだよ。もしかしてこれが貴重なものだったら、高値で売れるかもしれないし」



ダンジョンはとりあえず数か所あることは判明している。ならその研究ってことでこいつが必要かもしれない。そうなら高値で売りたい。昨日手に入れたのは興味本位で使っちまったからどうしようもないけど、金は欲しい。

ああ、でももしかしたら強制的に持ってかれる可能性もあるか。価値がわからないとかの理由で安く買われることもあるな。そうなら使っちまいたいな。



「どうすっかな」


「ぴ!」


「え、使おうって?うーん。お前らはどうよ」


「きき!」


「ワン!」


「使うのに満場一致か。確かにまた手に入るかもしれないしな。売れるのがわかってから手に入れようとすればいいか」



様子見も一つの手だけど、俺はこういうの残ってると使いたくなるタイプだからな。どうせ使いそうなら使うか。



「そうと決まればオープン!!」


「ぴぴー!」


「きき!」


「ワンワン!」



さてさて内容は・・・高速移動?素早さが二段階上がりそうな名前だけど。

とりあえず使うか。



ポーン

『スキルスクロールの使用を確認しました。自分かテイムモンスターのどちらかが習得できます』



「これは誰にするかって決まってるか」



移動自体が致命的に向いてなさそうなすらっぴは論外、バトちゃんもそういう感じじゃない。俺は動きたくない。フッ。決まりだな。



「コロちゃんで」


ポーン

『冒険者、恭輔のテイムモンスターがスキルを習得しました』



「コロちゃんってモンスターじゃないような」



ポーン

『冒険者、恭輔のテイム動物がスキルを取得しました』



「!?言い直した!?そこ融通効くのか!てか俺の言葉聞いてんのかよ!!」



いや、スキルの対象を声にだしてるんだからおかしくはないのか?


・・・とりあえずこの謎の声さんのことは保留でいこう。気にしても無駄な気がする。



スキルも手に入ったことだし試しに行くか?勝手に行くのは危ないかもだが、別に止められてないしな。むしろ暇ならいろいろ見て来いって言われてるくらいだしな。



「行くか!」


「ぴー!」「きー!」「ワン!」



元気だなぁ。





















「なるほど、これはひどい」



とりあえず、ダンジョン内を徘徊してみたところ恐ろしいことが分かった。

コロちゃん強すぎ。誰よりも早く敵を見つけ俺たちに教える。そこまで近づき敵を見つけたら高速で突進。時に爪で、時には体ごと体当たりで攻撃を繰り出す。

なにより恐ろしいのは速度だ。『高速移動』の効果だろうか、走るたびに体が薄く青い光で覆われ、すさまじい速さで移動する。ぶっちゃけ目では追いつくんだが、あれで攻撃されたら避けられないな。

噛みつかない理由は、何か変な菌とかいても困るから禁止している。終わったら念入りに洗わねば。


あと俺とすらっぴの魔法も確かめた。

まだ、お互いに水や土を球状の塊にして撃つくらいしかできないが、コウモリにはそれで十分なようで、当てたら動かなくなった。

すらっぴは5発ほど、俺は12発くらい連続で使うと使えなくなった。その状態でも5分休めば一回だけ使えるようになった。

球状にしかできない理由だが、それ以外の形にしようとすると発動すらしない。

大きさは変えられる。野球ボールからバスケットボールくらいの変化だ。ただし、大きくした分使える回数は減る。多分魔力的な何かの消費が増えているのだろう。



バトちゃんなんだが、今のところ俺の頭に止まっているだけのことが多い。俺とすらっぴの魔法が使えない時は動いて、俺が捕まえたコウモリに攻撃してくれる。時々コロちゃんがわざと弱らせてくれた敵にとどめをさしてもいる。

・・・別にそんな指示だした記憶ないんだがな。経験値的な物を本能的に理解した結果なのだろうか?



そういえばレベルも上がっている。俺が4、すらっぴ3、バトちゃん3、コロちゃん5だ。

討伐速度的ににコロちゃんにはかなわないよな。一二匹くらいなら一瞬だし。



「でも、そろそろ変化が欲しいよな」


「ワン!」


「ぴー」


「安全第一?どこで覚えたそんな言葉。いい言葉だけど・・・」



本当にいつ覚えたんだ。もともと知ってたか?コロちゃんが教えたのもありそうだが。


襲ってくるのもコウモリばかり、スライムは見かけるが何もしてこないので放置。風景も常にちょっとせまい洞窟のような感じなのでいい加減変化が欲しい。かれこれ1時間変化なしだしだぞ。



「敵が変わってくれとは言わんから、何か新しい物でも・・・?」


「ぴ?」


「・・・ドアだな」


「きき」


「ワン」


「ドアだよな」



何回目になるかわからないが曲がり角を曲がったところ、正面に広場があり、その奥には扉があった。

広場もそこそこ広い感じだが、終点か?



「いかにも怪しいよな、あのドア」


「ぴぴぴ!」


「わかってるよ、慎重にいくさ。お約束通りならあの向こうにボスがいると思うんだが」



コロちゃんを先頭に広場に足を踏み入れる、バトちゃんは俺の頭上、すらっぴはすぐ横を移動している。

全員が完全に広場に入り切った瞬間。後ろの通路がふさがれた。



「は?マジか、そっちかよ!?」


「ワン!!」


「ぴ!」


「キキっ!」


「今度は何!」



うしろがふさがれ動揺している間に前の方でも変化があったようだ。扉が開いている。中から何か出てくるようだ。

どうもネズミのようなんだが・・・



「でかくね?そして多くね?」



体長はバトちゃんと同じで30cmほどだろうか。これだけでも異常だが、一匹二匹ならどうにかできるだろう。しかしなんと30匹いる。



「なんか持ってくるべきだったな。水しかないわ」


「ぴぴぴ!」


「心配すんなって?この数いなきゃそうだろうけど・・・」


「・・・・」


「・・・コロちゃん?」


「ガァ!!」



ネズミが出てき終わったのだろう、扉が閉まるかどうかのタイミングでコロちゃんが駆け出した。

その速度は今までよりも速い。もはや反応できなかった。



「コロちゃん!」


「ガアァァァァァ!」


「「「キュー!」」」



コロちゃんがネズミの大群とぶつかる瞬間。ネズミの三匹が吹き飛んだ。



「ほ!?」「ぴ!?」「き!?」



正確にはぶつかる瞬間、コロちゃんの姿が見えなくなり、ネズミが吹き飛んだ。

俺たちが驚いている間にも何か大きなものにぶつかられているのかネズミたちは少しずつ吹き飛んで数が減っている。中には動かなくなり消えていくのもいる。



「・・・ここのは倒すと消えるのか。てか俺たち要らないな」


「ぴぴ」「きき」


「とりあえずとどめ刺してくか」



この状況はまずい!っと思ったらそんなことなかったでござる。無駄口叩いてる合間に数は半分になってるし。・・・魔法使うか。



「ガウ!ガアアア!」


「「「「「キュキュー!!!」」」」」


「俺は何に危機感を覚えていたのだろうか」



そんな流れはずっと続き、あっという間に終わった。一応俺に気を使ったのか、一匹だけ残して譲ってくれた。どうぞどうぞと言わんばかりに俺のところまできたが、最後の一匹完全にビビってたんだけど。かわいそうだから魔法で終わらせたけどさ。


あ、レベル上がってる。



マジでコロちゃんだけでよかったんじゃないかな。

戦闘中のコロちゃんはまさに狩りをする狼って感じだったが、終わったとたん家の飼い犬状態に早変わり。



「・・・楽しかったっすか?」


「ワン!」


「まぁまぁか」



我が家の最強はコロちゃんに決定だな。・・・おや?



敵を倒し終わって少しすると、広場の中心が光り始めた。すぐに光は収まったが、そこにはなんか宝箱が。お約束だけど。



ポーン

『世界で初めてフロアボスの討伐を確認しました。スキルスクロールを送ります』

『世界で初めて5分未満でのボス討伐を確認しました。スキルスクロールを送ります』

『フロアボスの5分未満での討伐を確認しました。スキルスクロールを送ります』



一個は想定内だけど、そんなのもあるのか。てか一気にスキル手に入るな。一個は取っておいてもいいかも。



「今更だけどコロちゃん怪我無い?」


「ワン」


「かすりもしなかったと。・・・後で念入りに確認するからな。風呂で」


「ワン!?」


「それとこれとは話が別です」



どうも風呂が嫌なのか。正確にはシャワーが嫌いみたいなんだが。


あ、宝箱忘れてた。



「でも馬鹿正直に開けるの危ないような「きき!」あ。バトちゃん!」



バトちゃんが宝箱に触れたとたん、勝手に開いた。特に何が起きるわけでもなく開いただけのようだ。



「ダメでしょバトちゃん。危なかったどうするの」


「きぃ」


「今後は気をつけなさい」


「き!」



宝箱の中身はよくわからない石、ネズミのしっぽ?なんかごつい手袋みたいなやつの3つが入ってた。

しっぽでかくね?こんなネズミいなかっただろう。そしてこの石は・・・



「石ってか・・・宝石?」


「ワン!」


「・・・そうだな。考えてもしょうがないか。帰りましょー」


「ぴー」「きー」「わん」



そのそろえて返事するの練習したの?

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[一言] 「なんか持ってくるべきだったな。水しかないわ」 すでに魔物がいることを確認しているのだから、何らかの武器を持って行かないほうが不思議。
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